「イノベーション=技術革新」という誤解が根強いので毎回説明するのは面倒だからまとめておいた。

シュンペーター: イノベーションという言葉を1911年に初めて定義した。

  • イノベーション(新結合)とは、経済活動の中で生産手段や資源、労働力などをそれまでとは異なる仕方で結合すること。
  • イノベーションには5つのタイプがある。
    • 新しい財貨すなわち消費者の間でまだ知られていない財貨、あるいは新しい品質の財貨の生産
    • 新しい生産方法の導入
    • 新しい販路の開拓
    • 原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
    • 新しい組織の実現

イノベーションが起きなければ、市場経済均衡状態に至る。

  • 均衡状態では企業者利潤が消滅する。
    • なのでイノベーションを起こし続けなければいけない。
  • イノベーションによって経済が撹乱され、不均衡が拡大することが好況
  • その後経済が均衡化していくことで不況になる。

ドラッカー

  • イノベーションとは、発明のことではない。技術のみに関するコンセプトでもない。経済に関わることである。

  • イノベーションの意味 イノベーションとは、科学や技術そのものではなく価値である。組織の中ではなく、外にもたらす変化である。イノベーションの尺度は、外の世界への影響である。したがって、イノベーションは常に市場に焦点を合わせなければならない。市場ではなく製品に焦点を合わせたイノベーションは、新規な技術は生むかも知れないが、結果は失望すべきものとなる。

    • 同 p. 267

イノベーションは技術革新ではない。イノベーションの尺度は、外の世界への影響だから、大きなイノベーションとは、世界に大きな影響を与える出来事である。

「大きな影響」の「大きい」はどういう軸で測るのか。「この技術革新は今まで不可能だったことを可能にした素晴しい発明だ!大きな影響だ!」と言う人がいるかもしれないが、イノベーションという言葉は経済学者によって市場経済に不均衡をもたらす文脈で作られたのだから、「科学的に大きな影響」ではなく「経済的に大きな影響」だと解釈すべき。科学的に素晴らしい発明であっても、それが市場経済に大きな影響を与えなかったのなら、それはイノベーションではない。

新結合と水面のたとえ

イノベーションの経営学

イノベーションという言葉は発明と混同されることが多く、これがイノベーション経営における問題のひとつである。それは機会を新しいアイデアへと転換し、さらにそれが広く実用に供せられるように育てていく過程である BELOW_IS_AI_GENERATED

イノベーション

2023-09-05 00:29 omni.icon

ダイジェスト

イノベーションは技術革新ではなく、経済活動の中で生産手段や資源、労働力などを新たな方法で結合することを指す。シュンペーターによれば、イノベーションには5つのタイプがあり、それらが起きなければ市場経済は均衡状態に至る。ドラッカーはイノベーションを経済に関わるものと定義し、その尺度は外の世界への影響であると説明している。イノベーションは科学的な影響ではなく経済的な影響を持つべきであり、それが市場経済に大きな影響を与えなければ、それはイノベーションではない。

フラグメントとの関連性

フラグメント「Hatena2010-02-27」は、ノートの内容と一致しており、イノベーションが科学や技術そのものではなく価値であると述べている。また、「Hatena2010-03-30」は、イノベーションが技術に限らないことを示しており、これもノートの主張と一致している。

深い思考

イノベーションの本質的な意味を理解することは、新たな価値を創造し、経済的な影響を与えるための重要なステップである。科学的な進歩だけでなく、経済的な視点からのイノベーションの理解が必要である。

思考の要約とタイトル

「イノベーションは経済的な影響を持つべき」

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titles: ["Hatena2010-02-27", "Hatena2010-03-30", "イノベーションの起こし方", "Hatena2010-06-10", "5つのイノベーションの定義"] generated: 2023-09-05 00:29