-
デザイン思考が世界を変える
-
Change by Design: How Design Thinking Transforms Organizations and Inspires Innovation
-
予測可能性の高いプロセスは競合他社に容易に模倣される。
-
デザイン思考は探索のプロセス、予期せぬ発見を期待して進む。
-
3つの制約
- 技術的に実現できるかどうかの制約
- 持続可能なビジネスモデルの一部になれるかどうかの制約
- 人々にとって合理的で役立つかどうかの制約
-
多くの企業は既存のビジネスシステムとの適合制約を開始点にしがちで、新しいアイデアが平凡になる。
-
前もって許可を求めるのではなく、あとから許可を求めるのが良いとされる文化、つまり成功に報酬を与え、失敗は許される文化は、新たなアイデアを生み出す際の大きな障害を取り除く p.47
-
「規則を緩和することは、人々に愚かな行為を許すことではなく、人々に全員の役割を許すということだ」
-
「デザイン思考の本質は思考の具体化である」
- 抽象的な言葉で議論してわかった気にならないで、プロトタイプ作ったり事実の収集をしたりして具体化を進めていくというわけだな。
-
「今日ではデザインはデザイナーに任せておくには重要過ぎる」「次世代のデザイナーは重役会議でも力を発揮できなければならない」「あらゆる問題をデザインの問題として捉える習慣」
- この本では今まで経営課題と呼ばれてたものもデザインと呼ばれているわけか。
-
「私たちの真の目標は、より高速なプリンター中略ではない。それはデザイナーの仕事だ。デザイン思考家の仕事は、人々が自分でさえ気づいていない内なるニーズを明らかにする手助けを行うことだ」
- この本ではデザイナーとデザイン思考家は区別されるのか。
-
「釣鐘曲線の中央に注目するだけでは意外な事実を発見できない。釣鐘曲線の末端に位置する人々に注目する必要がある。」キッチン用品のデザインで、主要顧客ではなく、まず子供とプロのシェフの調査を行なったとのこと。
-
「対象自身ではなく、類似したものを観察することによって、狭い視野から抜け出せる場合も多い」
-
「共感こそ学問的思考とデザイン思考を隔てる大きな違い」「私たちの目的は理論を検証することではない。デザイン思考の役割は、観察から洞察を、洞察から役立つ製品を生み出すことなのだ。」
-
僕が本に書いた「絵を描くことによって抽象概念の具体化が進む」って話、IDEOも同じことを考えて被験者に「お金の絵を描いてもらう」って実験をやってたそうだ。脚注で言及しよう。
- p.72
- 401k年金プランや賃貸不動産の絵を描く人(長期的な保障に目を向けている)
- お金と品物しか書かない人(短期的な「お金でものを買う」ということしか考えてない人)
- 書くの忘れてた エンジニアの知的生産術 加筆案
-
「分析と綜合」「膨大な情報を整理、理解し、一貫した物語を作る」「生の情報からの価値あるパターンの抽出」言葉の使い方は違うが僕の本の裏付けになりそうだな
-
「機会さえあればデザインチームは果てしなく発散思考を続ける。その間に予算が底をついてしまうかもしれない」「ポストイットを使ってアイデアをバタフライテストにかける」「デッドラインは選択肢を決断に変える」
-
「つまるところデザイン思考とは統合思考を行う能力」「相反する考えを対比させて新しい解決策を導く人は、一つの考えしか追えない人より、困難な問題に取り組む時に優位に立てる」真理論の有用性の話もこれで、正しさを相対化できる人は、一通りの正しさしか許容できない人より優位なのだろう。 インテグレーティブシンキング
-
「数字を追いかけるのではなく人間に仕える」
- なるほど、先日は「数字を追いかける」が肯定的に扱われてる局面を見かけたが、この本では否定的に扱われている。興味深い。
- 利益は会社の必要条件に過ぎないわけなので、十分に黒字になったらさらに利益を追うことは合理的な思考ではないのだが、赤字から黒字を目指していた時とはメンタルモデルを大幅に変える必要が出てくるからそこで気持ちの切り替えに失敗するケースも多いのだろう。
-
p.95 リスクに対する許容性#リスク許容度
- 実験を奨励する組織には、成果につながらないプロジェクトもあるだろう
- こう言った取り組みを「無駄」とみなすのは、イノベーションよりも生産性を重視する文化や、漸進主義という負のスパイラルに陥る危険性のある企業の特徴ともいえる
-
p.96
- 最善のアイデアは、デザイナーやエンジニアだけでなく、経営陣だけでもなく、組織の生態系全体に実験を行う余裕がある時に生まれる
- 変化し続ける外的要因にさらされている人こそ、それに対応するのに適している、そして対応する意欲を持っている
- アイデアの良し悪しは発案者にもとづいて判断してはならない
- 口コミを生み出すアイデアを支持すべき
- 組織が支持する前に、生の声による支持があるべき
- 上層部は「園芸」スキルでアイデアを育てたり、切り落としたり、取り入れたりする。MBAはこれをリスク許容度と呼ぶが私は「topdown bit」と呼ぶ。
- 組織に方向感覚をもたらし、イノベーターが指示を待たずに済むように、包括的な目標を明確にする
-
楽観主義の文化 p.100
- リーダーたちは昇進のチャンスを失う恐れから、成果のあやふやなプロジェクトへの参加を避ける
- 経営陣が本当は何を望んでいるのかと勘繰る
- 経営陣が破壊的イノベーションや自由気ままな実験を促進しようとしても、誰も許可なしには前に進もうとしない
- 1997年Steve Jobs復帰時点のApple、従業員が15以上の製品に分かれて生き残りをかけて競争していた
- Steve Jobsは製品を4つに絞った。プロジェクトが潰されることはないとの安心から楽観主義が生み出された。
-
ブレインストーミング p.104
- 8~10歳の子供を男女に分ける、1時間作業、女の子チームは200個を超えるアイデアを出したが、男の子チームは50個だった
- 人の話を聞いて、それを発展させる能力
- ブレインストーミングはアイデアを創出する究極の手法ではない。幅広いアイデアの開拓が目的
- 「選択を行う」か「選択肢を生み出す」かの違い
-
ポストイット p.108
- 収束的プロセスで役立つ
- バタフライテスト
- いわゆるDot Voting
-
デッドラインが選択肢を決断に変える p.110