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イノベーションは狙って起こすことができない。
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大部分は死ぬ。
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一部の新結合が大きく育つ。
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大きく育ったものを周囲の人が見て「イノベーションが生まれた」と感じる。
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事後的にしかイノベーションを認識できない。
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事後的に「イノベーションはどうやれば起こせるんだ」と言って、起きた過程を調査する。
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サンプル数が少ないため、「普通と違ったこと」がたくさん観測される。see 平均からのズレとサンプルサイズ
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それがイノベーションを起こす方法だと誤認する。
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バズる。
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バズった方法を試してみる。
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イノベーションが起きない。
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バズった方法でイノベーションが起きないことを多くの人が観測し、ブームが終わる。
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次の「イノベーションの起こし方」を探す。
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汎用的な「イノベーションの起こし方」があるのではない。
Future work
- 「場をたがやす」とは何か?
- 「予期せぬ新結合」とは何か?
- 「育てる」とは何か?
フィードバック
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一足飛びは難しいにせよ、(イノベーションという認識を持っていたかは別として)狙ってやったことがイノベーションという結果になる(外部評価される)、という意味では、起こせる。結果としてイノベーションとみなされる(外部評価される)という部分にフォーカスすると、意識的に狙って起こすことは事実上不可能。
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僕の文章の方では、外部評価まで含めた範囲が「イノベーション」で、大島さんの言ってる範囲は「育てる」に対応していて、育てることは意識的にできると思います。
- 追記
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「アイデアを思いつき、それを育て、それが外部に評価される」という一連の流れは狙って起こすことができない。その理由は「アイデアを思いつく」と「外部に評価される」がコントロール不能だから。
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「育てる」というところだけにフォーカスすれば、それはコントロール可能だから、狙って行うことはできる。
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個人的には育てる部分は単なる逐次的改善であってイノベーションとか革新とか呼ばれるものとはマッチしないように感じるが、まあイノベーションの定義が異なればもちろん結論は異なる。
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「確率を高める方法」と「確実に起こす方法」は別で、後者は存在しない、とするとわかりやすくなるかも
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確率的な決定論的でない現象のマネジメント方法、という点では株の投資戦略などと似ている。
- 独立性の高い銘柄をポートフォリオにすることで分散を減らす
- ランダム性によって移動平均から乖離したものがいずれ戻るだろうと考えて高いものを売ってやすいものを買う
- ところてんの「サイコロを大量に使うゲーム」で体験できないだろうか。
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「アイデアが生まれること=予期せぬ新結合が起こること」は制御できない、それが起こりやすいように耕すことと、生まれた後に育てることしかできない、という考えはエンジニアの知的生産術のp.186芽生えは管理できないに書いた。
初出