Plurality の地図

関治之ってどんな人?

Code for Japan 代表理事で、日本のシビックテックの中心人物です。Plurality Tokyo の発起人の一人で、安野貴博に Talk to the City を紹介し、デジタル民主主義2030 のボードメンバーも務めています。

日本で Plurality が広まり、2024 年の都知事選で「ブロードリスニング」が使われるまでの道のりをたどると、何度も出てくる人がいます。市民が技術で地域の課題を解く活動を、日本で十年以上続けてきた人です。

ひとことで言うと

関治之(せき はるゆき、Hal Seki、@hal_sk)は、市民がテクノロジーで地域や社会の課題を解く「シビックテック」を日本で広めてきた人です[1]。

2011 年の東日本大震災のときに情報共有サイト sinsai.info を立ち上げ、2013 年に一般社団法人コード・フォー・ジャパン(Code for Japan)を設立しました。今は代表理事です[1]。台湾の オードリー・タン との縁が深く、日本で Plurality が広まるきっかけになった場「Plurality Tokyo」の発起人の一人でもあります[2]。

Plurality とのかかわり

Plurality Tokyo の発起人。 『ブロードリスニング』本は、関を「Plurality Tokyo の発起人の一人」と紹介しています[2]。2024 年 7 月 23 日には、タンと グレン・ワイル を招いた「Plurality Tokyo Meetup with Audrey & Glen」のホストを務めました[3]。→ 日本での Plurality の広がり

安野貴博に Talk to the City を紹介。 同じ本によれば、2024 年 5 月 23 日、西尾泰和 の紹介で、関・安野貴博・西尾が会いました。その場で関が、大勢の意見を AI で整理して見せるツール「Talk to the City」(TTTC)を紹介しました。西尾は 5 月 30 日に、AI に関するパブリックコメント約 2 万件で TTTC を試しました。翌 31 日、関は人工知能学会の全国大会のセッション「AIとデモクラシー」の基調講演で、この分析結果を紹介しています[2]。これが、2024 年の都知事選での ブロードリスニング につながりました[2]。→ 安野貴博の 2024 年都知事選

タンとワイルとの鼎談。 2024 年 10 月に公開されたサイボウズ式の鼎談「新概念『Plurality』を解く」に、日本のシビックテックの第一人者として登場しました(進行は西尾)[4]。

台湾でのタンとの対話。 2024 年 3 月 22 日、関は日本の代表団とともに台湾でタンに会いました。関は、台湾は Plurality と Web3 の新しい運動の震源地のようだ、と述べています。タンは完成間近の本と、「數位(デジタル)」が「複数」とも読めることを説明しました。関は日本語への翻訳や、7 月の Plurality Tokyo を含む催しに触れ、タンを招いています(CC0 の逐語録)[5]。→ 數位と ⿻

Funding the Commons Tokyo 2024 の振り返り。 関は note で、このイベントでのワイルとタンのパネルや、安野とタンのブロードリスニングの議論を紹介しました。ワイルの「supermodular(スーパーモジュラー)」という考えを使って、デジタル公共財(誰もが使えるソフトやデータ)は使われるほど、関連する公共財の価値も増える、と説明しています[6]。→ スーパーモジュラリティ、デジタル公共インフラ

デジタル民主主義2030 のボード。 デジタル民主主義2030(DD2030)の公式サイトのボードメンバー欄に、鈴木健、中室牧子とともに名前が載っています[7]。

国際的な評価。 2025 年 10 月 6 日、関は国際選挙制度財団(IFES)の Charles T. Manatt Democracy Award 2025 を受けました。日本人として初めての受賞です。IFES は、タンが関を推薦したことを明らかにしています[8]。

未踏とのかかわり

2009 年度下期の IPA の 未踏 IT(本体)で、「オープンソース技術を利用したモビリティマネジメント基盤の開発」のチーフクリエータとして採択されました[9]。

主な考え

シビックテックは文化。 Code for Japan の 10 周年にあたり、関は note で、シビックテックは「文化」だと論じました[10]。Code for Japan のビジョンは「ともに考え、ともにつくる社会」です[8]。

参加型の政策づくりの道具を自治体へ。 Code for Japan は、スペインのバルセロナで生まれた参加型の合意形成プラットフォーム Decidim(デシディム)を日本に持ち込みました。2020 年 10 月に兵庫県加古川市で日本で初めて導入され、地元の高校生も含む約 200 人が、約 300 のコメントでスマートシティ構想づくりに参加しました[11]。

2022 年、国連の電子政府ランキングの e-Participation(電子参加)部門で日本が首位になったとき、関は note で、オンラインの道具とオフラインの手順を組み合わせることの大切さを強調しました[12]。

Plurality の紹介。 2024 年 5 月 31 日の人工知能学会の講演スライドで、関は Plurality を支える三つの哲学(その一人がハンナ・アーレント)、Decidim、Polis、デジタル公共財を並べて解説しました[13]。→ ハンナ・アーレント

「市民が勝手に解決してくれる」は幻想。 2025 年 10 月の note で関は、市民が主体的になって地域の課題を勝手に解決してくれる、という自治体の担当者からよく聞く期待を、13 年の経験から幻想だと書きました。アメリカの Code for America が立ち上がれたのは、財団からの大きな資金があったからだ、と指摘しています[14]。

多元的な未来の小さな実験。 奈良県の月ヶ瀬で、地域の実践者や開発者、研究者など約 40 人が 1 週間の共同生活を送った「kuu village」を、関は note で報告しています。タンの語る「Hyperlocal(ハイパーローカル)」の考えがしっくりくる、と位置づけました[15]。

もっと知りたい人へ

  1. 関治之の公式プロフィール(日本語・プロフィール、CC BY-ND 4.0)— https://www.halsk.xyz/
  2. サイボウズ式「新概念『Plurality』を解く」(日本語・鼎談、2024-10-03)— https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m006211.html
  3. 関治之「シビックテックによる、社会と民主主義のアップデート」(日本語・講演スライド、2024-05-31)— https://speakerdeck.com/halsk/sibitukutetukuniyoru-she-hui-tomin-zhu-zhu-yi-noatupudeto
  4. タンと日本の代表団の対話(英語・逐語録、2024-03-22、CC0)— https://github.com/audreyt/transcript/blob/main/2024-03-22-Conversation-with-Hal-Seki-and-Japanese-delegates.md
  5. 関治之「シビックテックは次のステージへ進めるか」(日本語・論考、2025-10-10)— https://note.com/hal_sk/n/ne58a76fa25a8
  6. 『ブロードリスニング』本 4-1「安野貴博の取り組み」(日本語・本、CC BY-NC 4.0)— https://github.com/digitaldemocracy2030/broad-listening-book/blob/f69c60c838a91b91668abf109d7093b240610139/04_01_%E5%AE%89%E9%87%8E%E8%B2%B4%E5%8D%9A%E3%81%AE%E5%8F%96%E3%82%8A%E7%B5%84%E3%81%BF.md

出典

  1. 関治之 公式プロフィール — https://www.halsk.xyz/ [CC BY-ND 4.0]
  2. 『ブロードリスニング』本 4-1「安野貴博の取り組み」— https://github.com/digitaldemocracy2030/broad-listening-book/blob/f69c60c838a91b91668abf109d7093b240610139/04_01_%E5%AE%89%E9%87%8E%E8%B2%B4%E5%8D%9A%E3%81%AE%E5%8F%96%E3%82%8A%E7%B5%84%E3%81%BF.md [CC BY-NC 4.0]
  3. Plurality Tokyo Meetup with Audrey & Glen(YouTube、2024-07-23)— https://www.youtube.com/watch?v=zP7s_xFVGY8
  4. サイボウズ式「新概念『Plurality』を解く」(2024-10-03)— https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m006211.html
  5. Conversation with Hal Seki and Japanese delegates(2024-03-22)— https://github.com/audreyt/transcript/blob/main/2024-03-22-Conversation-with-Hal-Seki-and-Japanese-delegates.md [CC0]
  6. 関治之「Funding the Commons Tokyo 2024: デジタル公共財が切り拓く、新たな社会への挑戦」(note、2024-08-09)— https://note.com/hal_sk/n/n612ee1ace100
  7. デジタル民主主義2030「私たちについて」— https://dd2030.org/about
  8. PR TIMES「日本人初の受賞:Code for Japan 関治之が『Charles T. Manatt Democracy Award 2025』を受賞」(2025-10-16)— https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000039198.html
  9. IPA 2009 年度下期 未踏 IT 本体 公募結果 — https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/it/2009/2009-2-hontai/koubokekka.html
  10. 関治之「シビックテックとは文化である」(note、2023-12-08)— https://note.com/hal_sk/n/nab06fa3794f8
  11. 関治之「アジャイルガバナンスとシビックテック」スライド(2021-07-10)— https://speakerdeck.com/halsk/aziyairugabanansutosibitukutetuku
  12. 関治之「国連電子政府ランキングのeParticipation部門で日本が首位を獲得」(note、2022-10-04)— https://note.com/hal_sk/n/n9be11f4842a0
  13. 関治之「シビックテックによる、社会と民主主義のアップデート」(2024-05-31)— https://speakerdeck.com/halsk/sibitukutetukuniyoru-she-hui-tomin-zhu-zhu-yi-noatupudeto
  14. 関治之「シビックテックは次のステージへ進めるか──10年の歩みと、これからの課題」(note、2025-10-10)— https://note.com/hal_sk/n/ne58a76fa25a8
  15. 関治之「kuu villageという実験。共同生活から芽吹く、多元的な未来のかたち」(note、2025-10-14)— https://note.com/hal_sk/n/n80033fb51219

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