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ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
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原題: Reinventing Organizations --- A Guide to Creating Organizations Inspired by the Next Stage of Human Consciousness
- 組織を再発明する --- 人間意識の次のステージに触発された組織を作るためのガイド
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ドラッカーは知識社会は上司と部下の社会ではないと言ったわけだが、その上司のない組織の実例を12件調査して共通のパターンを見出した本。
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事実と解釈の区別に気を付けながら読む必要がある。第2部が12件の実例調査、第1部と第3部はそれに基づく著者の解釈。きれいに分かれているわけではなく混在しているので読者が区別しないといけない。
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1ページまとめ
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著者の解釈によれば組織以前の形が2つ、組織以降の形が5つある
- 分類して名前を付けることは有益#パターンランゲージ
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著者は「人間意識のステージの変化が組織構造の変化をもたらす」と解釈しているが、僕は技術の進化がもたらしてると思う。
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- 大型の動物を狩ることができる技術
- 人数が多い方が有利
- 複数の人間を統率するリーダーの登場
- 他の部族との戦争
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順応型組織→達成型組織
- 農耕の時代にも道具の改善などはあった
- 道具の改善が生産性向上をもたらすようになる
- ベネチアの風車式製粉機が確か初めての特許とかだった記憶
- 産業革命が起こる
- 「工場」が誕生する
- 初期の「工場」は順応型組織による階層統治だった
- エポックは、フォードの工場とテイラーの科学的管理法
- 科学的管理法 - Wikipedia
- 人間の作業を計測し、効率化する発想
- 「作業効率」という定量的KPIが導入され、人間が管理される
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達成型組織→多元型組織
- この変化は、現時点でもごく一部でしか起こっていない
- 情報処理技術の進歩
- 末端従業員が情報発信をできるようになった
- 小数のトップマネジメントが考え、それを伝達する「上意下達」以外のありかたが可能になった
- 中間管理層の仕事のうち、情報の伝達に関しては、人間がやる必要がなくなった
- 「トップが社員に直接メッセージを届ける」という形
- 末端社員が全員トップに直接メッセージを届けるとトップの情報処理能力が足りなくて破綻するので「要約する仕事」は残る。
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順応型組織・達成型組織・多元型組織、はどれか一つが特別素晴しいのではなく、置かれた状況に対する適応
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- 自動化技術の向上によって「やれと言われたことを正確にやること」の効率において、人間を機械が上回るようになる
- 達成型組織の「効率改善」の圧力によって、人間からその仕事が剥がされるようになる
- 情報伝達技術の向上によって上意下達のための人も必要なくなった
- 結果、全ての社員が、かつてトップマネジメントの行なっていた「なにをやるかを考える」という仕事に従事することになる
- 自動化技術の向上によって「やれと言われたことを正確にやること」の効率において、人間を機械が上回るようになる
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ティール組織が正しいわけではない。ありたい姿でいられて、仕事をいいわけにしない組織は強い ──嘉村賢州×青野慶久 | サイボウズ式