2018-04-04 まず「人間にはコミュニケーションを取れる人数に限界がある」とする。 その状況で1人の社長が大勢の人とコミュニケーションを取ろうとしたら、間に「言葉を伝える」役割の人が必要になる。 図では一人の人は最大3人としかやりとりしていないが、全10人がコミュニケーションを取れている。 image

組織が大きくなるほど「言葉を伝える」役割の人が増えていく#中間管理職 image

一方で、社長から社員への情報伝達に限れば、この方法によらずとも大勢の人に伝えることはできる。

  • インターネット以前であっても、広場に社員を集めて社長が高いところで話すことができた
  • インターネットができたことで場所と時間の制約なく好きな時間に伝えることができるようになった image 技術の進歩、新しい情報伝達のしくみが、新しいチームワークの形を作る。
  • 上記は社長の情報発信力が高まったことによって、ビジョンを共有した組織が生まれやすくなった話#グループウェア
  • Wikiという共同編集のしくみが生まれたことにより、Wikipediaという分散非同期な辞書編纂組織が生まれた
  • ソースコードに対する修正差分をメールで送れるようになったことによって多くのオープンソースコミュニティが生まれた

しかしながらこの「社長から社員への情報伝達」は一方向であって、逆を単純にやると社長の情報処理能力が足りなくてパンクする。 image

社長の言葉を伝えることは「1つのものをたくさんにする」ことだから、コンピュータシステムが間に入ることで、デジタルデータの複製容易性によって簡単に実現できたが、「たくさんのものを1つにする」ことはまだ技術的にできていない。 image

階層組織における中間管理職の「声を伝える」の働きのうち、部下の言葉を聞いて要約して社長に伝えるところは、まだ機械化ができておらず、ここが技術的に可能になればチームワークのあり方にまた大きな変化が起きるだろう。

一方でティール組織は、ここで暗黙の前提になっている「社長に情報が集まる必要がある」は、今まで階層的組織構造が成功してきたことによる根拠のない思い込みではないか、という考え方をしているように見える。


2023-05-08

中間管理職の「声を伝える」の働きのうち、部下の言葉を聞いて要約して社長に伝えるところは、まだ機械化ができておらず、ここが技術的に可能になればチームワークのあり方にまた大きな変化が起きるだろう