「研究者を論文や特許の本数で評価すると良くないよね」という話 ソースは元IBM基礎研所長の丸山 宏さんとのこと。 企業の研究者をめざす皆さんへに詳しく書かれている。
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IBMだったかどっかだったかの研究所の所長が「研究者の業績評価基準を公開すると、それに沿った行動をしてしまって、局所最適に陥ってしまう。だから評価基準は公開しない」的な話を言った、という話のソースを探しているんだが見当たらん。うーん、誰の発言だったかなぁ。
- ceekz
- 丸山 宏さんは2006-2009年 IBM東京基礎研究所所長 の後、2016年4月から、株式会社Preferred Networks 最高戦略責任者
- ReiOdaira
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丸山さんご本人からその話は聞いたことがありますが、正確に言うと評価基準を公開するというより「評価の厳密な数値基準を設けると研究者はみんな頭がいいのでそれに最適化された行動を取ってしまう」という話でした。
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研究所の全体ミーティングで「なので評価の数値基準は設けない」とおっしゃってました。本当に設けてなかったのか公開しなかっただけなのかはわかりませんが。
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- dmikurube
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自分もそれ生で、研究所のall hands的な場で聞いてた口ですが「本当に適切な基準を作れるのなら作ってもいいのかもしれないけど現実的に無理だし、世の中の状態も環境もすぐ変わるのでいちいちそれに追従して変えてくのも無理すぎるし、それよりは基準は明確にしないことにしているので、みんな世の中に本当にインパクトを与えるためには何をしたらいいのかを自分で考えて仕事をして・仕事を作ってね」という感じでしたかね
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「企業の研究者を目指す皆さんへ」が届いたので軽くまとめる
- 企業に限った話ではないが、特に企業の研究者は、世の中にインパクトを与えるべき
- インパクトのある研究をResearch That Mattersと呼んでいる
- p.3
- p.141から「評価について」というレターが紹介されている
- 論文の数や被引用数に基づく指標は企業の研究機関に対してはうまく適用できない
- なぜなら、私たちの研究成果の価値は、先進的な製品・サービスの中にこそ、第一義的に表れるものだから
- 評価は加点法であるべき
- さもなければ、年初の目標が低く設定されるし、目標以外の仕事をするモチベーションが下がる
- 目標達成率で評価するとチャンスを無視するようになる
- 目標設定時に思いもよらなかったチャンスがやってきたら、つかまえるべき
- しかし、予定にないことに時間リソースを割けば予定していたことの達成確率が下がってしまう
- 評価の透明性について
今後の議論
- 評価者側の視点で「ならばどうやって評価したらよいのか」
- 研究者に限らず、成果が定量的に計測できないタイプの仕事すべてについての課題
- 成果が定量的に計測できないタイプの仕事=ドラッカーの知識労働者の概念
- 評価される側の視点で
- 「評価の数値基準が設けられていないとき、何を成果と主張すればよいのか」
- →「世の中にインパクトを与えた」という主張
- 「評価の数値基準が設けられているときにどうすればよいのか」
- 既に数値基準が導入されてしまっている組織や、そこで働く人が存在する
- 数値基準を設けることが愚かに見えたとしても、それは個々の組織の自由の範囲
- 一方で、その組織で働く人が、おかしな基準での評価を高めることにどの程度の労力を割くのかは、働く人の側の自由の範囲
- →評価基準を無視して行動すればよい
- 「評価の数値基準が設けられていないとき、何を成果と主張すればよいのか」