• 全然別物だと思うのだけども…

  • 一方で論文を書くことが研究であると考える人もいる

  • このミスマッチは何か

  • nishio

    • 掘り下げて考えていたらわからなくなって来たので素朴な質問なのだけど、論文って何のために書く必要があるの?
    • 成果の公表という意味ではもはや定期刊行物よりインターネットの方が効率的。
    • 査読に価値を見出す意見もあるが近い分野の研究者とはいえ匿名ボランティア少数の意見がなぜ信用できる?
  • uchan_nos

    • 論文を書くのと定期刊行物に載せるのは別のことでしょう。論文自体は、成果の公表のために書く必要があると思います。定期刊行物に載せる必要性は確かに低いと思います。どっかのサイトにアーカイブするので十分。

  • dmikurube

    • 1.論文という文章構成・形態、2.発表の場としての論文誌・国際会議プロシーディング、3.ピアレビューによる質担保、の3つはまず分けて考えたほうがいい気がする

改めて分けてみる

  • 1: 研究結果を公表すること
  • 2: 研究結果の公表が「論文というフォーマット」であること
  • 3: その公表物がarXivのような「一意な識別子がつき、言及できるようになる」こと
    • 紙の書籍の出版や、ジャーナルへの採録も、書名・雑誌名などを使って一意になるようにすることができるので十分この条件を満たす
  • 4: その公表物がピアレビューを受けていること
  • 5: その公表物が著名なジャーナルに採録されていること

で、僕の意見を整理すると

  • 3番まではやった方がいいと思うが、4と5の必要性が良くわからない

  • 3番までやった後、それに対して注目を集めるための一手段として、国際会議で発表する事にも価値を感じる

    • あくまで一手段なのでMUSTだとは思わない
  • 4に関して、誰だかわからない匿名のボランティアが査読しましたという情報にどの程度の価値を見出せるか。

  • 5に関しては、それによって給与支払者からの評価が変わる、という状況の人がいるのはわかる

    • そういう状況でない場合にどういう価値があり得るのかが疑問
  • 誰だかわからない匿名のボランティアが査読しましたという情報にどの程度の価値を見出せるか

    • aokomoriuta 本来からすると査読者は匿名の誰かではなく既に権威のある大先生にしてもらってその先生のお墨付きをもらうという意味があるはず(だからカバーレターなんてのがある)

      • これなら納得できる。
      • 自分が信頼しているその分野の専門家(例えばDeep Learningなら岡野原さん)が言及していることにはポジティブな価値を見出している
      • 一方で特定の人にレビューをさせると負荷の集中などの問題があるので負荷分散が行われたのが現状
        • aokomoriuta「権威のある大先生が直接査読」から、「権威のある大先生が指名した信頼できる査読者」になり「権威のある大先生が編集委員の雑誌」そして「権威のある大先生の所属する学会の雑誌」まで変化してきたら現状と同じになりますね

    • フィードバックが得られるコミュニティに価値があるという意見 taroleo
      • 論文をpeer reviewしてより良い研究になるようフィードバックする労力は一般からは基本得られないので、論文を通して議論するコミュニティを維持する必要があります

      • 匿名ボランティアとはいえ、PCメンバーは基本公表されるので、訳も分からない人にネガティブコメント投げつけられるよりは随分良いものです。

      • その意味で、見識のないひどいレビューばかりくるような論文誌は避けられます。

      • Deep learning分野だと、peer review前のarXivにあるだけでも論文を積極的に理解して使おうとする動きがあるので、事情は変わってきてそうですね。コミュニティが自然発生している

  • 通貨のメタファー

    • dmikurube査読による採録可否決定は、元々は物理媒体だったことによるリソースの節約のために必要だったことで、今では必要ないし、特にそこから産まれたであろう著名誌・会議採録に価値を求める習慣は廃れるべきだとも思う (インパクトファクター偏重は、アカデミアの人も最近割と問題視していると認識してる)

    • そこに価値を見出されてしまうのは、共同幻想としての通貨と同じ感じで、あそこの会議・論文誌には価値があるとみんな(同業者)が思っているから価値がある、みたいなところがあるかなあと。同業者でなければそもそも意味ないし、自分と「同業界」の人のみが研究者だ、と考える人は無視でいい気がする

    • この「通貨」というメタファーは個人的にはとてもしっくりきた
    • 南の島に観光旅行に行って「えっ、この島ではUSD使えないの?ハワイでもグアムでも使えたよ?」とか言っても仕方のないことで、現地で売っているものを書いたければ現地で使われている通貨を手に入れる必要がある。
    • 一方で「現地通貨を手に入れる必要がある」ということは「現地で稼ぐ必要がある」という意味ではない。既にUSDを持っているのなら、現地人と同じ方法で働いて獲得するより、両替をするよね。特にそこに長期的に済む予定がないなら。

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