プジャ・オールハーバーってどんな人?
ブロックチェーンの世界では、トークン(デジタルの札)は売り買いできるのが普通です。けれども、学歴や所属、人との約束のように、売り買いできないものもあります。そこに目を向けた論文の書き手の一人が、この人です。
ひとことで言うと
プジャ・オールハーバー(Puja Ohlhaver)は、2022 年に グレン・ワイル(E. Glen Weyl)、ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)と論文「Decentralized Society: Finding Web3's Soul(分散型社会:Web3 の魂を探して)」を書いた人です[1]。
論文は、売り買いできる資産のやり取りが中心だった Web3(ブロックチェーン=みんなで共有する取引記録の上に作るサービス群)に、「誰が誰を信頼しているか」という人間関係を表すしくみを持ち込もう、と提案しました[1]。
Plurality とのかかわり
本の書き手の一人。 書籍『Plurality』は、貢献した人を「⿻ クレジット」という記録で表しています。オールハーバーは「Writing(執筆)」の区分に載っていて、2024 年 4 月初めの時点の保有量は 28.08 です[2]。→ ⿻ クレジット
本が引く論文の書き手。 本の 4-1 章「ID と人物性」は、DeSoc 論文を脚注に挙げています[3]。4-3 章(商取引と信頼)、5-6 章(投票)、5-7 章(社会市場)も、この論文を脚注で参照しています[4][5][6]。
4-1 章はもう一本、オールハーバーが Mikhail Nikulin、Paula Berman と書いた論文「Compressed to 0: The Silent Strings of Proof of Personhood」(2024)も引いています[3]。「人間であることの証明(proof of personhood)」についての論文です。本は、生体情報をアカウントの最初の登録にだけ使ってプライバシーを守る方式では、アカウントが盗まれたり売られたりしやすくなる、という問題を述べるところで、この論文を出典にしています[3]。
所属(2022 年)。 DeSoc 論文の著者の脚注では、所属は Flashbots Ltd. です[7]。
RadicalxChange での司会。 2020 年 6 月 30 日、RadicalxChange の配信「To Be or not to Be Hacked? The Future of Identity, Work and Democracy」で、ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)と オードリー・タン の対談の司会を務めました[8]。
主な考え
ソウルバウンド・トークンと分散型社会(DeSoc)。 DeSoc 論文は、他人に渡せないトークン(ソウルバウンド・トークン、SBT)を提案します。SBT は、個人の口座(論文は「Soul」=魂と呼びます)が持つ約束・資格・所属を表します[1]。
論文によれば、SBT は現実の経済の信頼のつながりを表し、出どころや評判を確かめる土台になります。さらに、担保なしでお金を貸すこと、仲間どうしでなくしたウォレット(口座)を取り戻すこと、なりすましに強い意思決定などにも使えます[1]。論文は、つながりの強い参加者どうしの寄付を割り引く クアドラティック・ファンディング も、こうしたしくみの一つとして挙げています[1]。→ ソウルバウンド・トークン
この考えは、本の ID と人物性 や ⿻ 投票 の議論につながっています[3][5]。
もっと知りたい人へ
- ヴィタリック・ブテリン「Soulbound」(英語・ブログ、2022-01-26。DeSoc 論文の前段の短い文章)— https://vitalik.eth.limo/general/2022/01/26/soulbound.html
- Ohlhaver・Weyl・Buterin「Decentralized Society: Finding Web3's Soul」(英語・論文、2022)— https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4105763
- ハラリとタンの対談(英語・逐語録、2020-06-30、CC0)— https://archive.tw/2020-06-30-conversation-with-yuval-noah-harari
- 書籍『Plurality』4-1「Identity and Personhood」(英語・本)— https://www.plurality.net/v/chapters/4-1/eng/
- Ohlhaver・Nikulin・Berman「Compressed to 0: The Silent Strings of Proof of Personhood」(英語・論文、2024)— https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4749892
出典
- Ohlhaver, Weyl, Buterin「Decentralized Society: Finding Web3's Soul」(2022-05)— https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4105763
- 『Plurality』⿻ クレジット(credits)— https://www.plurality.net/v/chapters/0-3/eng/ [CC0]
- 『Plurality』4-1「Identity and Personhood」— https://www.plurality.net/v/chapters/4-1/eng/ [CC0]
- 『Plurality』4-3「Commerce and Trust」— https://www.plurality.net/v/chapters/4-3/eng/ [CC0]
- 『Plurality』5-6「⿻ Voting」— https://www.plurality.net/v/chapters/5-6/eng/ [CC0]
- 『Plurality』5-7「Social Markets」— https://www.plurality.net/v/chapters/5-7/eng/ [CC0]
- Decentralized Society: Finding Web3's Soul(Microsoft Research の掲載ページ)— https://www.microsoft.com/en-us/research/publication/decentralized-society-finding-web3s-soul/
- Conversation with Yuval Noah Harari(2020-06-30)— https://archive.tw/2020-06-30-conversation-with-yuval-noah-harari [CC0]
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