image 良いアイデアを出すための方法2017-03-31 @未踏ジュニアキャンプ未踏社団理事/サイボウズ・ラボ西尾泰和本スライドは未踏ジュニアキャンプにて1017歳のクリエータに行われた10分間プレゼンの資料です。

image 2最近、こんな相談を受けました

image 3部下が出してくるアイデアが80点ぐらいのものばかりで90点、95点のアイデアがない。どうすれば彼らがもっと良いアイデアを出せるようになるだろうか?

image どういう現象か? 4「90点以上のアイデアが少ない」現象はどういう時に起こるか?

image [分散]に注目5出すアイデアの量が少ない場合や出すアイデアの平均的な質が低い場合にはもちろん起こる。だが、アイデアの量や平均的な質に差がなくても分散(質のバラツキ)に差があれば起こる。

image 質のバラツキは悪ではない6バラツキが大きい方が90点以上のアイデアが多い

image 質のバラツキは善でもない7バラツキが大きい方が60点以下の落第アイデアも多い

image 超えるべきライン8 60点以上ならよい 90点以上ならよい 超えるべきラインによってバラツキの良し悪しは変わる。 あなたは今、どちらの状況なのか?

image サイコロで考えてみる9サイコロ2個の和サイコロ1個の2倍7平均12の出る確率1/36 2の出る確率1/36平均12の出る確率1/6 2の出る確率1/6 7バラツキが大きいと、良い目が出る確率も悪い目が出る確率も高い

image 良いアイデアを出す方法10バラツキを大きくすると良い目が出る確率は高いが悪い目が出る確率も高い。これを改善する方法がある。

image 3回やって一番良いものを選ぶ11平均9.06平均9.92

image 何度もやって良いものを選ぶ12最初から「良いアイデア」が出るのではないいくつもアイデアを出して、良いものだけを残すことで、事後的に「良いアイデア」になる。そして質のバラツキが大きい方が最終的に残ったアイデアの質は高い。平均9.06平均9.92

image 注意:平均値ではなく最大値13色々アイデアを出したり意見をもらって、その全部を取り入れようと「足し算」すると時間は限られててアイデアごとに掛けられる時間が減るので平均値に近づき、バラツキが減る2つのアイデアを足すアイデア全部をやろうとせず、一つ良いものを選んで注力するのが大事例外は1+1が10になるような組み合わせだけ

image まとめ14良いアイデアを出すためには・質のバラツキを大きくし・たくさん出し・全部やろうとせず、1つ選ぶ

image 補足15 p.12には当初「悪いものを捨て、良いものだけを残す」と書いてありましたが前半を削りました。増井俊之先生からの指摘: •悪いと思ったものを捨てると、それ以降のバラツキが少なくなる。残しておけば後で役立つ可能性もある。•「悪いものを捨て」じゃなくて「悪いっぽいものはちょっと脇に置いといて」ぐらいならどうかこの意見に筆者も賛成です。

image 補足の補足16アイデアの記録はたくさんあっても害が少ないです。一方で、たくさんのことを同時にやろうとしたり1回のプレゼンで話そうとしたりすると、1つあたりに掛けられる時間が減ります。「記録する・保存する」と「実行する・話す」は特性が異なっていることに注意が必要です。