2018-01-06 イノベーティブな人材を事前に目利きできるか?という問いについて
- 「できないだろう」という意見
- 「変な人は変な人を好むから何らかの識別ができる」という意見
- 「変な人にも良いのと悪いのがいる」という意見 これらを総合して考えた。
観測範囲に6人の人がいて、1人が少し「変な人」(=外れ値)だとする。
その状況での人の振る舞い方に4通りある。
タイプA:平均志向
- 外れ値を無視し、他の人の平均に近く振舞おうとする
- 競争条件によってはこれは最も合理的な選択であった
- だが、新しいものを生み出すことを求められているような状況では最悪の選択
- see 平均志向が最悪の環境
タイプB:模倣志向
タイプC:独自性志向
- 観測範囲の誰とも似ていないことを志向する
- 「世の中一般的にはXをする」なら、あえてXの逆をする、と言った天邪鬼的行為にでる。
- 「平均的でない自分」「誰とも似ていないオンリーワンの自分」に対するあこがれがある。
- 「新しいものを生み出すこと」に積極的である
タイプD: 自分志向
- ここまでで言及したタイプA, B, Cのいずれも「周囲の人の振る舞い」を入力とする関数だった。
- 「周囲の人の振る舞いx」を入力とする関数をf(x)、xに依存しない関数をg(y)とする。
- このf(x)とg(y)の値の範囲に大きな差があって、もっぱら であるようなタイプがいる。
- なぜ値の範囲に大きな差が出るかには色々な原因が考えうる
- 器質的な障害によって他人の振る舞いに対する認知能力が低い
- 自分の価値観に強い自信がある
- 自分の理性に強い自信を持っていて、自分と異なる判断をする周囲の他者はアホだと感じている
- 自分の感性に強い自信を持っていて、自分が良いと思う絵を良いと思わない奴はセンスがないと思っている
- 自分の正義感に強い自信を持っていて、自分が正義だと思うことに反対する奴は敵だと思っている
- 他人に惑わされずに自分の価値観を大事にせよという教育や文化に触れてきた
- f(x)を無視した行動による成功体験があり、それによってf(x)を無視する行動が強化されている
- なぜ値の範囲に大きな差が出るかには色々な原因が考えうる
「振る舞いが平均値から外れている」という点では、タイプB, C, Dのどれもが「変な人」である。タイプAの人からすると、カレーをストローで吸う落合陽一と、その落合陽一のマネをしてカレーを吸うファンと、フリスクを乳鉢ですりつぶして鼻から吸引する人の3人が目の前にいたとして、どれも同様に「変な人」であり識別できない。
このB, C, Dをどうすれば区別できるか。「なぜあなたはその非平均的行為をするのか?」という問いに対して「○○さんがやってるから」と答えた場合、タイプBに確定する。タイプDは自分の価値観に基づいて答えるので、他人の話は出てこない。
しかし、タイプDが既に「自分の価値観に基づく答え」を公開している場合、タイプBはその答え自身を模倣してくる可能性がある。
またタイプCは、素直に答えれば「他の人たちがやってないことをやりたかった」が正直な答えだが、だいたいそういう考え方の自分を恥ずかしいと思っていて隠そうとすることが多く、建前上は筋の通ったことを言う。「フリスクを鼻から吸うと刺激が脳を活性化するんだ」とかね。
これらを識別する方法として、例えば「液状のもので栄養を取りたいのだったらウィダーインゼリーとかじゃダメなの?」とか「メンソールの刺激を鼻に与えたいならフリスクを粉砕するような手間を掛けなくても液体のハッカ油を鼻にスプレーしたらいいのでは?」などとカウンターを打った時に、きちんと自分の価値観に根差した思考をしているなら掘り下げた議論ができるが、そうでない模倣者や偽装者は根がないので反駁が出来なかったり、感情的な反発をしたりするんじゃないかなぁ、と思うが、どうだろうか。
- 数学科の「わかる」と関連してそう。他人がどうかではなく、自分で示す必要がある。
文学的に一言でまとめると「芯のある変人がよい」とでもなるだろうか。
追記
- 公理系の違いと関連してそうな気がして来た
- 相手の出した結論に同意できない
- 例: 時間をそのテーマに投資するのは合理的でない
- だけどもロジックで掘り下げていったときに、穴が見つからないまま個人の価値観などの公理系の違いに帰着される
- そうでない場合は単に「論理的思考能力に劣った存在」とみなされるだけである
- 公理系の違いに帰着するので、お互いに自分の体系で相手の体系を否定できない
- なのでお互いに「結論は違うけど、論理的思考能力はある」と評価する(主張は違うけど頭のいい人、などと表現する)
2023/7/21