• 十分に論理的な二人の意見が食い違う場合

  • 何が意見の食い違いの原因であるか論理的に遡っていくと[公理]の食い違いに帰着することがある

  • 数学や哲学の素養がある人(哲学の場合は特に真理論の素養があり、正しさの相対化ができている人)は、自分の公理系と異なる公理も別の体系として許容できる

  • ベースとなる公理の選択が異なるが、二人とも論理的思考能力を活用しているところは同じなので、エミュレートが容易である。#エミュレーション

  • 公理

    • 現実社会は基本的に複雑であるが、複雑なまま思考することが人間にはできないので近似が行われる、その近似方法
    • 思惟の経済性のための抽象化#思惟経済説
  • 相手の感情への配慮

    • 必要である
      • 「Xをやると不快に思う人がいるかもしれない」
      • 「不快に思われることはコストであり、予見できるなら回避すべきである」
    • 不要である
      • 「Xをやることに対して他人が不快に思うかどうかは不可知でコントロール不能なのだから気にするべきではない」
        • 人間の感情に対して「不可知」というシンプルな近似を使っている
      • 不可知なものを憶測して回避することにコストを掛けるのは合理的ではない
  • 人間の価値を均等だとするかどうか

    • 均等である派
    • 均等ではない派
      • きれいごとで「均等である」と言う人がいても、実際の行動として「自分自身と、遠い国の恵まれない子供」の価値を均等として行動を伴わないならただの口だけである。均等であると主張するなら、自分の収入のうち、自分が生きていく上で最低限必要な金額以外をすべて発展途上国の恵まれない子供の生存権確保のために分配すべきである。
  • 人間の知性を均等だと仮定するかどうか

    • 均等である派
      • 生得的な差はあるがその後の学習による効果に比べると誤差のレベルであり無視できる
      • 今愚かな人であっても適切に動機づけて学ぶことによって他の人と同等に改善しうる
    • 均等ではない派
      • 今愚かな人が今後改善することも起こりうるが、誤差の範囲であり無視できる
      • 愚かな人の底上げに労力を割くよりも、賢い人をさらに高めることに労力を使うべきである
  • 人間を均質だとするかどうか

    • 均質である派:だいたいどの人も同じ
    • 均質ではない派
      • 「地域Xに住む人はYな傾向がある」
      • ステレオタイプ的な差別的思考と批判されがち
      • しかしステレオタイプによる近似で、性質の異なる人の集合を想定した脳内シミュレーションができる