他人の行動を非合理的だ、と考えるタイプの思考停止がある。 例えば1/3の確率で4得られて、2/3の確率で1失う賭けがあったとする。 期待値はプラスなので、この賭けをやることが合理的だ、と考える人Aがいる。 そして賭けをやらない人Bを「非合理的な人だ」と解釈する。 この解釈は、有益な発展をもたらさない。ただの思考停止である。 関連: 根本的な帰属の誤り image 「1/3の確率で4得られて、2/3の確率で1失う賭け」という認識に相違がある可能性がある。 例えばBさんは「失敗したことがない」という自己認識に2の価値を見出しているとする。その場合、失敗時に-2が発生するので、この賭けをしない方が得になる。 つまりこれは「何にどういう価値を見出すか」が人によって異なることに起因して、それぞれの人が合理的に判断していても、導き出す解が異なっている、という現象である。

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同様のことが観測範囲に関しても言える。 観測範囲の狭い赤の人が手近な極小値に向かおうとするのを、より観測範囲の広い人は「山を越えた方が良いのに非合理だ」と考えたりする。しかしこれも観測範囲の違いに起因していて「赤の人は非合理だ」という個人に帰属させる発送は誤りである。 image 青の人が、自分の観測範囲も限られているという可能性に気づいていないなら、相対化不足だろう。 image

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