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ムスタファ・スレイマン(Mustafa Suleyman)ってどんな人?

DeepMind の共同創業者で、2024 年から Microsoft AI の CEO を務めるイギリスの起業家です。著書『The Coming Wave』(邦題『AIを封じ込めよ』)で、強力な技術を「封じ込める」必要を説いています。

AI のような強力な技術は、止めることも、野放しにすることも難しい。では、どうやって付き合えばよいのか。この問いに「封じ込め」という言葉で答えようとしてきたのが、この人です。書籍『Plurality』の側の人々とは別の立場から、AI の未来を論じている一人として紹介します。

ひとことで言うと

ムスタファ・スレイマン(Mustafa Suleyman)は、イギリスの AI 起業家です。2010 年に AI 企業 DeepMind を共同で創業し(2014 年に Google が買収)、その後 Inflection AI を共同創業しました。2024 年 3 月からは、Microsoft に新しくできた AI 部門「Microsoft AI」の CEO を務めています[1]。

2023 年の本『The Coming Wave』の著者(マイケル・バスカー Michael Bhaskar との共著)で、日本語版は『THE COMING WAVE:AIを封じ込めよ』の題で 2024 年に出ています[2][3]。

Plurality とのかかわり

直接の接点は見つかっていません。 書籍『Plurality』(英語版・日本語版)には、スレイマンや『The Coming Wave』への言及はありません。オードリー・タンやグレン・ワイルとの対談や、互いへの言及も、今のところ確認できていません。

ワイルは Microsoft Research の「Plural Technology Collaboratory」の創設者です[4]。ただしこれはスレイマンの Microsoft AI とは別の部門で、二人の共同作業は確認できていません。

間接的な接点。 タンと ディヴィヤ・シッダールト が出演した 2025 年のポッドキャスト「Possible」で、司会のリード・ホフマン(Reid Hoffman。スレイマンと Inflection AI を共同創業した人)が、Microsoft の取締役として同社の進め方を近くで見ているので、サティア・ナデラ、ケヴィン・スコット、スレイマンの仕事をとても信頼している、と話しています[5]。これはホフマンの発言で、タンやシッダールトによる論評ではありません。

このサイトでは、スレイマンを、AI の未来をめぐる論争 や 超知能 の話の中で、Plurality の側とは別の立場の一例として扱います。両者を比べる出典はまだ無いので、ここでは対比を書きません。

主な考え

ここからは、スレイマン本人の文章や、本の公式サイトにもとづいて紹介します。

封じ込めと「狭い道」。 『The Coming Wave』の公式用語集は、「封じ込め(containment)」を、技術を見張り、抑え、制御し、場合によっては止める能力、と定義しています。また「狭い道(the narrow path)」を、押し寄せる技術を封じ込めるにあたって、開くことと閉じることのあいだで釣り合いを取り、破局やディストピア(暗い管理社会)を避ける可能性、と説明しています[2]。

人間中心の超知能(2025 年)。 2025 年 11 月、スレイマンは Microsoft AI で「Humanist Superintelligence(人間中心の超知能)」を目指すと発表し、自ら率いる「MAI Superintelligence Team」を作りました。目指すのは、常に人と人類に仕える、とても高度な AI です。高い自律性を持つ限りない存在ではなく、特定の問題や分野に絞った、制御できる AI だ、と説明しています。人間中心を譲れない前提にしたうえで技術の革新を速める、その順番が大事だ、とも書いています[6]。

AI は人のために作り、人にはしない(2025 年)。 2025 年 8 月の文章で、スレイマンは、意識があるように見える AI(Seemingly Conscious AI)が近く現れ、社会に影響を与えると警告しました。AI は人のために作るべきで、デジタルの「人」になるように作るべきではない、というのが題名にもなった主張です。AI の話し相手(コンパニオン)には、人を守るための歯止めの議論が急いで必要だ、としています[7]。

市民活動からの出発。 Wikipedia によれば、スレイマンは 10 代の 2001 年、ムスリムの若者向けの電話相談「Muslim Youth Helpline」の立ち上げを手伝いました。その後、紛争解決の手法を社会問題に生かすコンサルティング会社 Reos Partners を始めています[1]。本人も 2023 年のポッドキャスト「Possible」でこの時期を振り返り、多くの若者と一対一で向き合った経験から、影響をどう広げるかに関心を持ち続けてきた、と語っています[8]。

もっと知りたい人へ

  1. TED2024「AI とはそもそも何なのか?」(日本語字幕あり・講演)— https://www.ted.com/talks/mustafa_suleyman_what_is_an_ai_anyway/transcript?language=ja
  2. 『The Coming Wave』公式用語集(英語・本の公式サイト)— https://the-coming-wave.com/glossary/
  3. Mustafa Suleyman「Containment for AI」(英語・論考、Foreign Affairs 2024)— https://www.foreignaffairs.com/world/containment-artificial-intelligence-mustafa-suleyman
  4. Mustafa Suleyman「Towards Humanist Superintelligence」(英語・ブログ、2025)— https://microsoft.ai/news/towards-humanist-superintelligence/
  5. 『THE COMING WAVE:AIを封じ込めよ』(日本語・本、日経BP 2024、書誌)— https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I033704592

出典

  1. Wikipedia「Mustafa Suleyman」(英語、2026-09-24 時点)— https://en.wikipedia.org/wiki/Mustafa_Suleyman [CC BY-SA 4.0]
  2. 『The Coming Wave』公式用語集 — https://the-coming-wave.com/glossary/
  3. 『THE COMING WAVE:AIを封じ込めよ:DeepMind創業者の警告』(日経BP、2024-09)の書誌(国立国会図書館サーチ)— https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I033704592
  4. 『Plurality』著者紹介 — https://github.com/pluralitybook/plurality/blob/main/contents/english/0-1-About-the-authors.md [CC0]
  5. Possible「Audrey Tang and Divya Siddarth on outfitting democracy for the AI era」(2025-08-13)— https://www.possible.fm/podcasts/audreydivya/
  6. Mustafa Suleyman「Towards Humanist Superintelligence」(Microsoft AI、2025-11-06)— https://microsoft.ai/news/towards-humanist-superintelligence/
  7. Mustafa Suleyman「We must build AI for people; not to be a person. Seemingly Conscious AI is Coming」(2025-08-19)— https://mustafa-suleyman.ai/seemingly-conscious-ai-is-coming
  8. Possible「Personal Intelligence with Mustafa Suleyman」(2023-06-21)— https://www.possible.fm/podcasts/mustafasuleyman/

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