コアループ(Project Coreloop)
概要
Project Coreloopは、日本においてAIを活用したデジタル民主主義の「最初の成功事例」を作ることを目的とするdd2030の重点プロジェクト。単なるブロードリスニングによるインサイト取得にとどまらず、**市民の声が政策に反映・実行され、市民満足度向上につながるという「コアループ全体の成功」**を目指す。
最初のテーマとして「オンライン広告詐欺対策」を選定。2024年に台湾で成功した事例を参考に、日本版の市民熟議プロセスを設計・実施する。
「コアループ」とは何か
ゲームやアプリでユーザーが繰り返す核の行動サイクル(報酬→行動→報酬の強化ループ)の概念を民主主義に応用したもの。「声をあげれば何かが変わる」という実感を生む成功体験のサイクルを早期に実践し、複製可能にしていくことが目的。
コアループの4要素:
- Attentiveness(傾聴): ミニパブリックスによるオンライン市民会議で85%以上の合意リストを作成
- Responsibility(責任): 自民党PTや関係省庁が市民会議の結果を参照し政策に影響させる
- Competence(能力): Civic Techとしてリファレンスサービスを実装し行政導入を補助する
- Responsiveness(応答): 詐欺被害件数・被害額の実際の減少を確認し市民満足度向上を実証
テーマ選定理由(なぜオンライン広告詐欺か)
- 国民的合意が得られやすい: 詐欺対策は党派を問わず支持され、規制対象が外資系PF企業のため抵抗が少ない
- ミニパブリックス構築が容易: 被害者がインターネットユーザーのためオンラインパネルで対応可能
- 緊急性が高い: 毎月被害者が出ており、1年以内に結果を出せる可能性
- 台湾での実績: 2024年の台湾の市民熟議で詐欺被害額が30分の1に減少
チーム構成
| チーム | リード | 役割 |
|---|---|---|
| 全体 | 鈴木健 | Project Head |
| Process | 縄田恵子(NRI、元財務省) | 熟議プロセス設計・調査会社交渉・正統性チェック |
| Tech | 川辺陵真(Ryoma、Code for Japan) | ブロードリスニングツール・熟議プラットフォーム開発 |
| Policy | 小倉政貴(経産省→PoliPoli出身) | 省庁ヒアリング・専門家調整・事前資料作成 |
| Communication | 西田尚史(Chief of Staff兼任) | PR・記者会見・クラファン・SNS運用 |
| Reference Product | 赤澤直樹(BeaconLabs) | ストップ詐欺広告(日本版Fraud Buster)実装 |
Processチームには官僚出身メンバー(窪西:総務省→福岡県庁、尾谷:デジタル庁、星野:内閣府→マッキンゼー)が参加。
活動の時系列
前段(2025年12月)
- 12/3: 前澤友作氏がXで台湾の詐欺広告対策を投稿 → 自民党でディープフェイク対策合同PT設立
- 12/16: 自民党本部でPTキックオフ。オードリー・タンと鈴木健が台湾の取り組みを説明
- 12/20: dd2030内で「熟議民主主義プロセスやってみよう」チャンネル発足
フェーズ1: 準備・ヒアリング(2026年1月)
- 1/8: Stanford Aliceとの初回ミーティング(SODP説明)
- 1/10: 内部実験開催(29名参加)。AI+Zoom熟議の実行可能性を確認
- 1/12: プロジェクトキックオフ
- 1/15-16: 台湾視察ツアー。熟議プロセス設計者(NYCU Wang氏)、詐欺広告対策担当者等にヒアリング。鈴木健は同時期の日米台ラウンドテーブルで頼清徳総統・蔡英文前総統とも意見交換
- 1/21: 慶應・曽根泰教先生ヒアリング(日本で7回のDP実施経験)
- 1/30: Texas大学・若尾先生ヒアリング(日本初のオンラインDP経験者)
フェーズ2: 体制構築(2026年2月)
- 2/2: 台湾視察報告会(オフライン)
- 2/7: クラウドファンディング準備開始。Policy Lead(小倉)・Communication Lead(西田)就任
- 2/13: Stanford AliceによるSODPデモ。機能洗い出しと重要度付け
- 2/19: 鈴木寛先生ヒアリング(「熟議かけあい」実践者)
- 2/27: 慶應グローバルリサーチインスティテュートが正式承認
- 省庁ヒアリング実施: 消費者庁、総務省、警察庁(調整中)
フェーズ3: 記者会見・クラファン(2026年3月)
- 3/12: ストップ詐欺広告(AntiFraud)β版リリース
- 3/13: Stanford Aliceとの本格協議。DP協力体制確認。記者会見での連携公表を許諾
- 3/19: 記者会見(永田町都道府県会館、15社参加)。クラウドファンディング(CAMPFIRE)開始
- 3/24: 調査会社をクロスマーケティング社に絞り込み
- 3/26: 自民党合同PTで鈴木が発表
フェーズ4: DP準備(2026年4月〜)
- 4/3: 自民党内で「非常に好評」確認。PT提言は4月末見込み
- 4/10: ブロードリスニング(AIアンケート)実施。通報500件突破
- 4/17: 調査会社との要件定義会議。マネックス証券・松本大氏が賛同者に
- 4/18: ワークショップ①(クローズドリハーサル)
- 4/25: ワークショップ②
- 5/16: ワークショップ③(本命)+専門家委員会
- 6/14: DP(討論型世論調査)実施予定(300名、4時間)
- 6/30: 提言提出
ストップ詐欺広告(Reference Product)
台湾の「Anti-Fraud」と同様の構造。市民がオンライン詐欺広告を通報し、事務局が判定・ラベリングする。
- 4月時点で500件以上の通報を収集
- 投資系・なりすまし系広告にラベリング
- 生成AIによる半自動ラベル付け・パトロール機能を開発中
- 将来的には警察庁等政府機関との情報連携を想定
DP(討論型世論調査)の設計
- 規模: 300名(360名募集、ドタキャン許容)
- 調査会社: クロスマーケティング社
- 費用: 約580万円
- 謝礼: 1万円(Amazonギフト券)
- 層化抽出: 年齢3層 × 性別 × 地域7区分
- ツール: Stanford SODP(メイン)
国際連携
- 台湾: MODA(デジタル省)・NYCU等の関係者にヒアリング(2026年1月視察)
- オードリー・タン: 自民党PTでの共同説明、オンラインヒアリング
- Stanford大学: Alice(Deliberative Democracy Lab)がSODPのβテスターとして協力
- 若尾真也: Texas大学。日本初のオンラインDP経験者。2026年6月来日予定
もっと詳しく
- Project Coreloop 企画書・議事録(Google Docs) — 企画書の全文、各チームの議事録
- ストップ詐欺広告 通報サイト — 市民通報プラットフォーム
- AIディープサーベイ — AIによる声の集約・分析ツール
- 鈴木健 台湾詐欺広告対策 発表資料 — 自民党PTでの発表スライド
- ブロードリスニング本 11章「台湾」 — 台湾のvTaiwan・詐欺広告対策の詳細