このプロジェクトはかんがえをまとめるデジタル文房具Kozanebaに代替わりしました 資料として過去のページを残してあります
エンジニアの知的生産術では情報が多すぎて頭の中が整理できていない状況の解決方法として、小さな付箋を使って一人でKJ法をすることを紹介した。 この手法は筆者自身が「コーディングを支える技術」「エンジニアの知的生産術」の執筆や、各種の講演資料の作成などに使っていて、効果を実感している。反面、紙であることの不便さがあるため、電子的に解決できないかと考えている。
現在開発中のプロトタイプ
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開発コードネーム: Regroup
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想定しているメインの使い方
- テキストデータから一括で付箋を作成する
- 付箋にして50枚以上の情報があることを前提とする。
- ゼロからの書き出し法自体をこのツールでやることもできるが、テキストエディタや紙のメモ帳、チャットやグループウェアなどで書き出してからこのツールに入れる方がスムーズだと思う。
- 例: 考え事をしながら散歩し、思いついたことをスマホでメモ帳に書いていく、帰宅したらそれをRegroupにインポートし、整理する
- 例: チャットやグループウェアであるテーマについて議論した。この内容は有益だと感じた→チャットログをインポートして整理
- このユースケースだと、しばしば「会話の最初の頃に考えていたことに盲点があり、会話を通じて新たな視点に気づいた」という状態で、新しい視点で過去の発言を整理し直す過程で学びが大きい
- 画面上で付箋を移動して「関係のありそうなもの」を近くに集める
- 「なぜ関係があるのか」「どういう関係があるのか」は最初は言語化されておらず、集める作業をしている過程で言語化されると考えている。なので言語化されてない状態で「位置の近さ」を使って整理ができることが必要。
- 画面のズームインアウトを活用する
- 理想的な作業領域の広さに比べると電子的デバイスの表示面は狭すぎる。そこでスムーズに画面を拡大縮小できることが重要。全体像の表示と注目している箇所へのズームインを繰り返す。
- 画面のズームインアウトはiPadのピンチジェスチャーによるをメインに考えているが、iPadを持たない人のためにPCでも動くようにしてある。画面サイズの小さいスマートフォンでの利用は非推奨。
- テキストデータから一括で付箋を作成する
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操作方法
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新規作成
- https://regroup.netlify.app/#/blank
- このリンク先で白紙が開く
- これは自動保存されないモード
- ツールバーのNET NCは「ネットワークに接続してない(not connected)」の意味
- その横の点3つのボタンのメニューから色々な機能が使える
- 「Save as New Map」を選ぶとクラウド保存され、以降は自動保存になる
https://regroup.netlify.app/#/key=AWsx0mgzjbzugTrCIjCo
のようなURLのページが別タブで開く- iPadのSafariではポップアップブロックに阻まれて自動では開かないので「Open URL」ボタンを押す
- このURLは編集権限とセットなので、例えばPCとiPadでこのURLを開けばどちらでも編集できる
- 片方での編集はもう片方に自動で反映される
- 「自分の作ったマップ一覧」画面はないので、この時点でブックマークするといい
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付箋のインポート
- メニュー→Import Multi-line textで、テキストインポート用のダイアログが出る
- 1行1付箋になるので、適度な長さに刻むと良い。
- 下記の例では180字程度の文書を貼り付けた後、細かめに刻んでいる。
- これは説明用であって、16枚なので想定用途よりかなり少ない枚数である。
- Importボタンを押すと付箋になる
- メニュー→Import Multi-line textで、テキストインポート用のダイアログが出る
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付箋の移動
- 最初は「付箋移動モード」になっている
- PC上ならマウスでドラッグ、iPadなら指でドラッグ、で動かすことができる
- iPad上でApple Pencilを使った場合は、移動ではなく手書きでの書き込みになる仕様
- となりの投げ縄モードでは
- 複数枚を囲ってまとめて移動できる
- 1枚の付箋をドラッグすると単体移動ができる
- 移動結果の例
- 最初は「付箋移動モード」になっている
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ズームイン/ズームアウト
- iPadでは二本指で触れて縮めたり広げたりする操作(ピンチイン/ピンチアウト)でイメージ通りに動くはず
- PCでは
- MacBookのタッチパッドなら同じようにピンチ操作でできる
- その他の環境でもホイールマウスがあるならホイール操作でできる
- タッチパッドの二本指上下ジェスチャーがホイール操作と解釈される環境ではこれでもOK
- どれもない環境のためにシフトキーを押しながら上下にドラッグしてもできるが、あくまで最終手段
- ピンチの場合は指の移動前後の位置から適切に平行移動と拡大縮小を組み合わせた動きをする
- ホイールなどの場合は現在のマウス位置を中心として拡大縮小する。注目したい場所にマウスを動かしてからズームすると良い
- 今回の例では付箋の文書が短くて枚数も少ないのでズームの必要性がわかりにくい。
- 現実的に「頭を整理したい」と思うようなシチュエーションで使うと、原寸のままでは画面に収まり切らず、画面に収まるところまでズームアウトすると各付箋の細かい文字が見えなくなる
- なのでズームインアウトを繰り返す必要があり、この機能が手軽に使えることが必須要件
- 例
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- from 「0→1の能力」と「チームビルディング能力」
- 後述のグループ化と手書き加筆を使っている
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- 後述の「付箋を大きくする」を使って、ズームアウトしても見える表札的な付箋を作ることができる
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ここまでが必要最小限の機能
- 他にも色々な機能を実装して実験しているがそれらの機能を理解して使うことは必須ではない
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グループ化
- 付箋を投げ縄ツールで囲い「グループ」にすることができる
- このグループは、まとめて移動できる
- 複数枚の付箋をあちこちに動かして適切な配置を探してるときに、毎回投げ縄で囲わなくても一塊のものとして扱える
- このグループは、まとめて移動できる
- グループは開閉できる
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閉じる(畳む)と、付箋1枚分のサイズになる
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閉じた付箋はワンクリックで開く
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畳んだ時には最も左上にある付箋が表示される
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特に付箋が多すぎるときにグループを畳むと、枝葉を無視して上位の構造に集中できる
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KJ法に慣れた人向けに説明すると「カードを束ねる」に相当する
- 紙でKJ法をしている場合、一度束ねると改めて開いて中を確認するのが面倒だったり、束ねる前の空間配置が失わられたりする。これが解決したかった。
- 一方で付箋が50枚程度だと束ねなくても整理できることが多く、必要性が説明しにくい
- 付箋を投げ縄ツールで囲い「グループ」にすることができる
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手書き加筆
- 例
- 特にApple Pencilを使っているなら、手書きで手軽に加筆できる
- 移動モードでもApple Pencilなら手書きになるので、ペンシルで描き、指で動かし、という使い方ができる
- PC向けに「ペン入力モード」が用意されている。
- このモードならマウスでの操作もペン入力扱いになるが、マウスで線を描くのはおすすめできない
- 付箋メインで、ちょっと加筆したり、文字で表現しにくいものを図解したりすることが想定用途
- 1時間の講演を手書きでノートテイクした場合、画面中の手書きの量が多すぎて重くなったり、データが多くなりすぎてクラウド保存に失敗したりする
- 例
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パーマリンクでの共有と共同編集
- 編集画面のURLを共有するだけで共同編集できる
- Macを使ってるとHandoffの機能で同じページを複数デバイスで開くのが簡単
- これは一人で複数デバイスを使うことを想定した機能
- 複数人が同時に編集した時、タイミングによっては片方の編集がもう片方の編集で上書きされる
- 例えばビデオ会議で共有しながら複数人が編集する時は「ちょっといじりますねー」と声掛けが必要
- 逆に言えばその運用で大体のユースケースではOKだし、メインの想定ユースケースではないので実装優先度が低い
- 作ったものを他人に見せたいが編集させたくない場合がある
- 見る側の人も「不用意に操作して壊してしまったらまずい」と萎縮してるケースがある
- メニューからMake Read-only URLを選ぶと、新しいURLが作られる
- このURLを開いた人は編集はできるが、その編集内容はクラウドに上書き保存はされない
- Save as New Mapすれば編集したものを別のデータとして保存することもできる
- 「君はこう整理してたけど僕はこの付箋はここだと思う」みたいなフィードバックができる
- 編集画面のURLを共有するだけで共同編集できる
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Scrapbox / Gyazo 連携
- ScrapboxのページのURLを付箋に入れればScrapboxへのリンクになる
- GyazoのURLなら画像が展開される
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データについて
- 後方互換性(古いバージョンで作成したマップが新しいバージョンでも読めること)
- 自分が不便なのでなるべく保とうとはしている
- が、今後予告なく互換性を捨てたり、バグによって互換性が失われたりする可能性がある
- 当面は「頭を整理するために一時的に使うもの」という位置付け
- 保存方法
- スクリーンショット
- 高解像度で作る機能があるといい
- JSON形式でのエクスポートを付ける予定
- 今は選択範囲のコピーでクリップボードにJSONが入るが、マップ全体をファイルとしてダウンロードできると良い
- 日時を記録しておけば作成当時の古いバージョンで開くことができる
- スクリーンショット
- データはクラウド上に開発者が見ることのできる形で保存されるので、パスワードや機密情報などの見られて困るものを書き込まないこと
- 後方互換性(古いバージョンで作成したマップが新しいバージョンでも読めること)
高度な機能
- 付箋への分割支援機能
- キーフレーズ抽出からのインポート
- 聞き出しチャットシステムとの接続