この記事では聞き出しチャットシステムに新しく搭載されるエンパシーライティングモードについて、どんなものなのかを説明します。

世の中には文章を書くことに苦手意識を持っている人も多いです。特に、他人に何かを伝えて行動を引き出すタイプの文章は、備忘録を書くのよりも難しいです。

エンパシーライティングは10の質問が与えられて、その答えをポストイットに書き、並び替えて文章を作るという方法論です。読者の感情にフォーカスした質問があるのが面白いです。拙著「エンジニアの知的生産術」の序文もエンパシーライティングを使って書きました。

聞き出しチャットシステムは、チャットボットが人間に質問をすることで、まだ言葉にできてないものが言葉になるのを助けるシステムです。今回、この聞き出しチャットシステムに文章を書くことの支援に特化した質問を追加しました。チャットボットと話すことで文章の部品を作り、それを並び替えれば、白紙の原稿用紙に頭から書いていくよりも楽に文章が書けるのではないか? この仮説を確かめるための実験です。

ところで、ここまで読んで「そんなことで文章が書けるようになるわけない」と思った人もいるかも知れません。申し訳ないけども今回はそういう人のケアはやりません。というのも、このソフトは現在進行形で使って実験している最中であり、世の中の枯れた方法論に比べると不具合も多いからです。

どんな道具も、その道具を使って価値を生み出せるようになるまで、使い方の習得に投資が必要です。このソフトは、まだどの程度の投資が必要なのか作者もよくわかりません。なので手軽に確実な効果が欲しい人にはオススメしません。

特に部品を作った後で使う頭を整理するツールRegroupの習得コストが高いみたいです。汎用の道具は、どう使ったら良いかがわからなくて、最初の習得が難しいみたいです。それなら目的と自由度を限定して、体験してもらうことを最優先にしたチュートリアルがあると良いのでは? そう考えて文章作成に特化したエンパシーライティングモードができました。

実際に試してみて、いい文章ができたっていう成功体験を得たら、口コミで広げたり改善点をフィードバックしてもらえるとありがたいです。面白いと言われるだけでもやる気が高まります。


この文章はエンパシーライティングモードを実際に使って文章を使ってみる実験の結果として生まれました。