週末や夜に業務上のメールやチャットメッセージなどを送る行為がありかどうか、という議論。

僕個人の考えはこういう感じ:

  • 「週末」や「夜」を業務時間外、平日昼間を業務時間内と暗黙に考えるのは正しくない
    • たとえば有給休暇を取る人がいる
    • 家庭の事情でタイムシフト勤務をする人がいる
    • 国際的なチームではタイムゾーンの違いがある
    • 働き方の自由が大きい職場では人それぞれ働く時間が異なる
  • メッセージの送り手に「受け手が勤務時間中かどうか把握してから送れ」と要求するのは正しくない
    • 異なる部署へメッセージを送るような場合に大きなコストがかかる
    • メッセージを送るコストが上がると情報共有が妨げられる
  • 送り手は気にせずに送るべきで、それによって何か問題があるなら受け手がフィードバックすべき
  • メッセージに対しての速やかな応答が業務上求められている場合
    • それは業務から解放されていないので、業務時間として扱われるべき
    • 夜間や休日にメッセージへの応答が要求されているなら、正当な対価が必要

一方で、この件に関して色々な視点からの意見が集まって興味深かったので整理しておく

事例1

  • チームのSlack方針が明文化されている
  • オリエンテーションで伝えている
  • 方針
    • 夜間休日問わず、必要な相手へのメンションは付ける
    • 業務時間外にはメンションを見なくていい
    • 通知設定は自分で自由に設定する
    • hereの使用は慎重にする
  • 気を使ってメンション付けないことによって確認漏れが起きるとよくない、と考えている
  • 適切でないhereの使い方がされたら、即座に指摘する

事例2

  • 以下のように指導している
    • メンションやDMは好きなように送ってよい

    • 時間外はSlackのDND(Do Not Disturb)機能で自動的に通知OFFしよう

      • image
    • 裁量労働でない社員:

      • 何か理由があって時間外に返信する必要があるなら、それは稼働時間として記録すること
      • 時間外にDNDを無効化する場合、勤怠管理用のSlackチャンネルで上長に報告すること
    • 裁量労働の社員は、それぞれの裁量で自由にやる

  • hereやchannelへのメンションは、やっていいチャンネルと良くないチャンネルが決まっている

事例3

  • 意見
    • 休日には連絡するな派
    • むかしは土日にメール見なければ気にしないで済んだ、最近は通知が飛ぶ
    • 通知切れは正論だけど、そうもいかない
    • だから原則送るべきではない
  • この意見を出した人の感じている不満
    • 上司が夜の0時や、休みの日でもDMを投げてくる
  • さらに掘り下げると下記の要素の組み合わせで不満が溜まっていることがわかった
    • IT部門に依頼しなければプライベートチャンネルを作成できない(社内ルールの問題)
    • 最近、公開チャンネルではできない話題が増えた
    • プライベートチャンネルを作るコストが高いため、上司がDMを使う
    • 上司がもともと休日や夜にも活動する人だった
    • 上司がメッセージを送る相手のカレンダーを見ていない
    • +Slackの仕様が悪い(下記)

事例3補足

  • Slackは特定の相手からのDMを個別に通知OFFすることができない
    • アカウントの全体設定で「DMやリプライの通知を受け取る」というまとめての設定しかできない
    • image
  • Do Not Disturb機能で全部まとめて止めることは可能
    • ただしこの機能は時間帯しかみていないので、土日が休みの人でも土日に自動で止めることはできない

事例4

  • チーム全員に、以下のように伝えている
    • 何時に送られてきても、自分が働こうとした時までは見なくてよい
    • 見ても何もしなくてよい
  • 上記を周知した上で、送り手は「いつでも送りたいときに送れば良い」
  • このチームはタイムゾーンや家庭の事情でチームメンバーの働く時間帯が異なる
    • 共通の「業務時間」が存在しない
    • 自分は家庭の事情で夜22時〜3時に業務をしている

事例5

  • 以前の上司は、チャットツールを好ましく思わない人だった
  • 曰く
    • 「電話は出なければいいだけ」
    • 「チャットはPCで仕事してると通知が見える」
    • 「相手にプレッシャーをかける、時間を奪っている」
  • 当時のチャットツールの通知制御がいけてなかったというのもあるのだが、人によって、何を自分の仕事に対するインタラプトと感じるのかは、結構ちがうんだなと思った
  • もっと通知制御がいい感じになっていけば、送る人は好きな時間に送っておけばいい、とかなるな。

事例6

  • 休日に個別に当てたDMをするのはNG
  • Public channelは文化を明文化すればOK
    • たとえば、対応を要求しない空間への情報共有はOK
    • 「オフでも返事や確認が必要なやり取り」と「そうでないやり取り」で送り方を分ける

Hangout Chatに関して

  • Hangout Chatでは同じ部屋でもスレッドごとに通知をオンオフできる
    • Facebookの「この投稿のフォローをやめる」相当
  • Hangout Chatは24時間で履歴が消滅するモードがある

関連事例

  • 休日に社員にメンションして通知がいくのは悪いなと思う
  • 思いついたその場でSlackに投稿しないとたぶん忘れる
  • メモっておいて週明けに送信とかは面倒
  • メンションしないと、大量のメッセージに埋もれる
  • メッセージ予約機能が欲しい
    • Q: リマインド機能ではダメ? src
    • A: メッセージではなくリマインドが飛ぶのでダメ

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