チンパンジーは無意味な手順をスキップするが、人間は無益な手順を忠実に実行する。
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Causal knowledge and imitation/emulation switching in chimpanzees (Pan troglodytes) and children (Homo sapiens) (Whiten+ 2005)
餌を得るのに無関係な手順のある装置で、人間が無駄な作業をして餌を取り出すのを見せて、それをどの程度模倣するか見る。
- 箱の中身が見えない状態ではその作業が無駄だとわからない。
- 教えてから箱の中身を見せて「無駄だ」と気づかせるパターンと、最初から中身の見える箱で無駄な作業を教えるパターンを実験した。
- 対象はチンパンジーと人間の3~4歳児
箱の仕組み
チンパンジーの場合
- 中の見えない箱では6割近く無駄な手順をしている
- が、中の見える箱に変えると2割に減る。
- 最初から中の見える箱だった場合、人間が無駄な手順をしているのを無視する。
人間の場合
- 中の見える箱になっても、見せられた通りの手順を繰り返す。
- 先に中の見える箱でやった場合も同様である。
- (有意差ではなさそうだがむしろ中の見える箱で始めた方が無駄な手順をする率が高い)