メール型コミュニケーションには、特定の人に負荷が集中しがちというデメリットがある。

2018-10-09 メール型のコミュニケーション共有スペース型のコミュニケーションの違い image

メール型のコミュニケーションは、明示的に宛先に入れた人にしかそのやり取りが共有されない。 図ではBさんがAさんに質問をし、それにAさんが答えている。 同じチームのCさんDさんにはそのやり取りが共有されない。 その為、将来CさんDさんが同じ質問をAさんにする可能性がある。 Aさんに、過去のBさんへの回答を発掘して転送するか、新たに文章を書くか、という作業負担が積まれる。 image

一方、共有スペース型のコミュニケーションでは、チームの全員に情報が共有される場(スペース)がある。 BさんがこのスペースにAさんへの質問を書き込むと、Aさんに「自分宛の書き込み」として通知される。 このタイミングで同じチームのCさんDさんにも「自分宛でない書き込み」として通知される。 AさんがBさんに回答すると、その回答がBさんに「自分宛の書き込み」として通知される。 CさんDさんにもAさんが回答したことが通知される。 この情報共有によって、将来のCさんDさんからAさんへの質問が抑制され、Aさんの負担が積み上がるのを防ぐことができる。 image Cさんが将来Bさんと同じシチュエーションに置かれた場合に以下の4通りが起こりうる。

  • 1: Bさんへの回答を覚えていて、質問する必要がない
  • 2: Bさんへの回答は忘れているが、自分で共有スペースを検索して、質問する前に過去のBさんへの回答を発見する
  • 3: Aさん宛に質問するが、多忙なAさんが回答する前に手の空いていたBさんDさんが過去の回答を発掘する
  • 4: Aさんが過去のBさんへの回答を発掘するか、新たに文章を書くかする この4の場合だけAさんの負担が社内メール型コミュニケーションと同じで、残りの場合は負担が分散している。

というわけでメール型コミュニケーションには、特定の人に負荷が集中しがちというデメリットがある。

逆に共有スペース型コミュニケーションには、通知の総量が増えるデメリットがある。 そのデメリットの解消のために「自分宛の通知」「自分宛でない通知」を分け、前者を優先して処理する。 「自分宛の通知」だけなら社内メール型コミュニケーションから増えることはないし、CさんDさんからの質問が抑制されたことによってコミュニケーションの負担は長期的には減少する。 その負担減少によって生まれた余裕を「自分宛でない通知」を読むことに使い、緩やかな情報共有を行う。

「自分宛の通知」「自分宛でない通知」を分けられないシステムを使っているケースでは

  • 「チャットでは流れ去るからメールで送ってよ」「検索できるのに…」
  • 「連絡用のチャットで雑談をするな」 see: 自己顕示欲と通知あふれ などの現象が起きる。

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