Plurality の地図

キャロライン・グリーン(Caroline Green)ってどんな人?

英国オックスフォード大学 AI 倫理研究所の研究者で、お年寄りや障害のある人の暮らしを支える「ソーシャルケア」を研究してきた人です。オードリー・タンとともに、AI を「ケア」の考え方で治める「6-Pack of Care」を作りました。

書籍『⿻ Plurality』が出た後、オードリー・タンは AI をどう治めるかという問いに取り組み始めました。その「6-Pack of Care」のページを開くと、タンと並んでこの名前があります。

ひとことで言うと

キャロライン・グリーン(Caroline Emmer De Albuquerque Green)は、英国オックスフォード大学 AI 倫理研究所(Institute for Ethics in AI)の研究者です。お年寄りや障害のある人の日常生活を支える「ソーシャルケア」を研究してきました[1][2]。オードリー・タンとともに、AI を「ケア(気づかい・世話)」の考え方で治める枠組み 6-Pack of Care を作りました[3]。

Plurality とのかかわり

本の著者ではありません。 グリーンは書籍『Plurality』の著者でも貢献者でもありません。かかわりは、本の後に オードリー・タン が始めた Civic AI/6-Pack of Care の共同の作り手としてです。

6-Pack of Care の共同作者。 研究所の発表文は、6-Pack of Care を「タン大使とグリーン博士が開発した研究プロジェクト」と紹介しています。政治学者ジョアン・トロント(Joan Tronto)のケアの倫理と、タンの Plurality の構想を組み合わせたもの、という説明です。この文では、グリーンは研究所の「研究ディレクター」とされています[2]。

civic.ai の主なページ。 6-Pack of Care のサイト civic.ai は、6 つの原則(パック)や FAQ、用語集など、主なページの多くが二人の共著になっています[3]。

ポッドキャストと会議。 研究所のポッドキャストでグリーンが聞き手となり、2025 年 8 月にタンと Plurality を、9 月に 6-Pack of Care を紹介しました[1][4]。2026 年 3 月には、二人がオックスフォードで「Civic AI Conference」を開き、トロントらが登壇しました[5]。同じ年の講演でグリーンは、タンと本を書いていると話しています[6]。

主な考え

ケアから出発する AI。 グリーンは、英国の長期ケアの現場の人々(ケアを受ける人、家族の介護者、介護職、事業者など 100 人以上)と、2024 年 2 月から 2025 年 3 月にかけて「ケアにおける責任ある AI」の定義を一緒に作りました。6-Pack の第 1 の原則「気づき(Attentiveness)」の例として、この経緯を書いています。定義は医学誌『The Lancet Healthy Longevity』(2026 年)に載りました[7]。

一緒に作る。 技術の問題から始めずに、人との関係づくりから始める。影響を受ける人と一緒に作る。グリーンはこれを「共同生産(co-production)」と呼んでいます[7][1]。

地域に根ざした小さな AI。 研究所が家族の介護者との話し合いから作ったケア支援の AI「Dedicate」を、グリーンは 6-Pack の第 6 の原則「共生」に出てくる、範囲を限った小さな AI(Kami)の考えに近いものとして紹介しています[1]。

AI に思いやりはあるか。 チベット仏教の僧ゲシェ・ロドゥ・サンポとの対話で、AI が本当に思いやり(compassion)を持てるのかを問いかけました[8]。

関連する考えは Civic AI と リバース・アラインメント の記事にもあります。

もっと知りたい人へ

  1. civic.ai(英語・プロジェクトのサイト)— https://civic.ai/
  2. ポッドキャスト「The 6-Pack of Care」(英語・音声と書き起こし、2025-09-05)— https://civic.ai/podcast/
  3. 「Attentiveness in Long-Term Care AI」(英語・記事、2026-03-13、グリーン単著)— https://civic.ai/care-ai/
  4. 「Reimagining AI Alignment」(英語・対談、2026-06-02)— https://civic.ai/reimagining-ai-alignment/
  5. 『The Lancet Healthy Longevity』の論文(英語・論文、2026)— https://doi.org/10.1016/j.lanhl.2026.100817
  6. 研究所のプロフィール(英語)— https://www.oxford-aiethics.ox.ac.uk/caroline-emmer-de-albuquerque-green

出典

  1. civic.ai「Podcast: The 6-Pack of Care」(2025-09-05)— https://civic.ai/podcast/ [CC0]
  2. オックスフォード AI 倫理研究所「Civic AI and the 6-Pack of Care」— https://afp.oxford-aiethics.ox.ac.uk/article/civic-ai-and-6-pack-care-reimagining-ai-alignment-relational-health
  3. civic.ai — https://civic.ai/ [CC0]
  4. civic.ai「Podcast: AI and Democracy」(2025-08-05)— https://civic.ai/ai-democracy-podcast/ [CC0]
  5. civic.ai「Unpacking the 6-Pack of Care」(2026-03-25)— https://civic.ai/conference/ [CC0]
  6. civic.ai「Reimagining AI Alignment」(2026-06-02)— https://civic.ai/reimagining-ai-alignment/ [CC0]
  7. Caroline Green「Attentiveness in Long-Term Care AI」(2026-03-13)— https://civic.ai/care-ai/ [CC0]
  8. civic.ai「Can AI Be Compassionate?」— https://civic.ai/compassion-and-ai/ [CC0]

記事の間違いや、知りたいこと(「〜ってなに?」)を受け付けています。送られた内容は公開の issue になります。

この記事の間違いを知らせる ・ 質問する