nishio Quadratic Votingにおいて「1人100票」とか「1人99票」とかの外見を使うのは「1票を分割する」という概念の理解が難しい人に配慮したものであって、数学的には1人1票に正規化して「票を分割できる」としたものと等価である。興味深い点は平方根という非線形関数を集計の前にかけるところ。
nishio でQuadratic Votingの非線形性や複数のトピックに対して票を分散して投じる性質を踏まえてから「なめらかな社会とその敵」のp.156〜「線形投票と集合知」「非線形投票」を読むと面白い
「なめらかな社会とその敵」のp.156〜「線形投票と集合知」では無限次元の線型空間を想定して、それの現実的な近似として有限次元の線型空間にすれば伝搬委任投票システム上で表現できるとしている
- が、まあ一般人に理解させるのが難しいわな
- 正規化が必要な場合とそうでない場合が議論されている
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税率などの場合は,値が 1を 超えてはならないので,総投票数で割るなどの正規化が必要であろう。予算配分など,上限が投票者の人数に比例しそうな場 合には,こ のような正規化は必ず しも必要ではない。参加者が多ければ多いほど予算規模も大きくなる。
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非線形投票
前節では,あ くまで投票同士の相互作用が線形であることのみを想定 してきたが,非線形にすることも理論的には可能である。 たとえば,委任伝播するときになんらかの線形でない作用素が間に関わる場合を考えると,作用素を成分とした行列を考えることができるだろう。ニュー ラルネットワークのモデルなども含め, もはやあらゆるネットワーク型の情報 モデルがこの空間に含まれることになる。その中に,投票として有意味な作用 素行列がある可能性は否定できない。
- で、それらの非線形関数のうち、平方根が有意味だと示したのがQuadratic Votingなわけ
- 「なめらかな社会とその敵」が2013年、Quadratic Votingが2018年
p.152 「議題ごとの強度と国家を超える影響力資源の平等」
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ひとりひとりが全世界で1票ずつをもち,その票をさまざまな地域 や議題に対して自由に配分するようにすれば,興味のない議題には0票で,興 味のある議題にだけ票を入れるため,議題ごとの重みづけができるようになる。 議題ごとのその人の思いの強さを強度(intensity)と 呼ぶことにする。
- これなんかQuadratic Votingとかなり共通した思想