from 交換様式論入門
たとえば、氏族社会も「ミニ世界システム」を形成します。それは必ずしもミニでなく、北米のイロクォイ族の連邦体のように巨大なものもあります。このシステムの特徴は、氏族間のつながりそのものが交換様式Aにもとづくとい うことです。 つぎの世界システムが、「世界=帝国」です。これは交換様式Bにもとづくものです。 つぎに生じるのが、ブローデルが「世界=経済」と呼ぶ世界システムです。ここでは、交換様式 C が支配的です。 しかし、ここでも、BやAは形を変えて残ります。すなわち、Bは主権国家として、Aはネーション(想像の共同体)として。したがって、近代の社会構成体は、三つの交換様式の結合体、すなわち、資本=ネーション=国家というかたちをとるのです。 それは、ウォーラーステインの言葉でいえば、「近代世界システム」と呼んでもいいでしょう。