自他共に栄えること

柔道の根本義は、精力の最善活用である。

言い換えれば、善を目的として、精力を最有効に働かせることである。

それでは、は何か、と言うに、団体生活の存続発展を助くるものは善で、これを防ぐるものは悪である。(略)そしてこの団体生活または社会生活の存続発展は、[相助相譲]〔互いに助け、互に譲る〕・自他共栄によって達成せられるのであるから、相助相譲・自他共栄もまた善である。

  • 嘉納治五郎、精力の最善活用、大勢第1巻第1号、1922