なのでメンバーが萎縮しない関係の場合には批判禁止にしなくてもよいのでは?
2019-05-10
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ブレンストーミングの批判禁止のルール、大前提として批判によってアイデアが出にくくなるユーザを想定してるけど、実際には批判によって加速するユーザもいるのでアップデートの必要性を感じるな。心理的安全性に関係しているかな。
- 「批判」という言葉が曖昧すぎるのだ
- なんらかの「有益な批判」と「有害な批判」があって、有害な批判さえ取り除けばよいのではないか
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妻:
- 練度が高く、信頼関係があり、知能が同等レベルである場合にはローカルルールを入れてもよいが、一般にはその条件は成り立たない
- どんなメンバーであっても使えるメソッドにしようとした結果、こうなった
- 議論慣れしてない人でも発言できるようにレベルを下げるのがブレストの目的
- なるほどな
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- 権威勾配が外せない場合そうなるかもなーと思った。
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- プレッシャーを受けると思考を制限する防衛の働きがあるから、それを防止するためのルール
- 「他人からのフィードバックを受けた時に、それをプレッシャーに感じ、思考が制限される」は受け手の属性
- プレッシャーを受けると思考を制限する防衛の働きがあるから、それを防止するためのルール
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批判がOKになるためには
- 「権威勾配がない」
- 「相手の理性に対する信頼がある」
- などの条件がありそう
- 対等感が必要なので、相手の理性を信頼するだけでなく「自分も同程度に理性的」という自信がある必要があるのか
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- 有益な批判であっても、結局その対象になったトピックの議論に深入りしちゃう (深さ優先探索) ので、幅広く可能性を探りたい (幅優先探索的な) ブレストである場合は、やっぱり批判禁止にするのも合理性があるのでは、と思った。
- 関連: デザインシンキングは深さ優先探索?
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- 話す価値もない人たちとみんなで考えた「ブレストした感」を出すためには批判禁止で、専門知識などがある人と建設的な議論をするときは批判ありで良いはないか?
- 君とかとブレストする時には明らかに批判OKでやってるし、批判OKであることが良い状態だとコンセンサス持ってるように見えて、じゃあなんで世の中的には批判NGなんだろうねーと思った
- K: 自分が意見を言えないのは批判されるからで、自分の意見が通らないのは感情的に批判されるからと信じていて「実際、他人にはそういう振る舞いをする」人が大勢いるからじゃないかな
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そもそも、「普通の人」同士でやるブレストはアイデア出しに効果が低いことが実験でも明らかになってたりするけどね
- 「普通の人同士でやるブレストは効果が低い」って、雑に要約されすぎな気がする。実際の実験がどんなものだったか知りたいのでもし論文を指し示せるならそうして欲しい。
- K: ブレストの非生産性について一番有名なのはこの論文ではないか?
- 批判や上下関係などを気にする「普通の人」がやると生産性が下がる。
- Productivity Loss in Brainstorming Groups: A Meta-Analytic Integration
- なるほど「普通の人」=「批判や上下関係を気にする人」ということね。
- 「批判や上下関係を気にする人」がブレストをしても有益でないって主張には異論はない。
- 「批判や上下関係を気にする人」が普通かって件も、まあ人数比で考えると普通なんだろうと思う。
- 「新入社員が副社長にダメ出しして、それを良いことだと全社的に認識してるサイボウズが普通じゃない」って言われると反論し難い笑
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で、ブレストにちょっと色付けしたのがIDEOのデザインシンキングだけど、素人がやると幼稚園のお遊戯会になることがアクセンチュアでの5年間で立証されたw
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「批判や上下関係を気にする人」がブレストをしても有益でないって主張には異論はない
- K: 批判や上下関係を気にせず、知的水準が高い人でやらないとブレストは意味がないと思っている。知的水準の高低基準は議論があれど、こっちも異論はないだろう。
- 「知的水準が高い」が不明瞭で、例えば僕がまったく知的に評価しない人でも、僕がしてない経験をしててそれを言葉にしたり、その経験に基づいた推論をした上でその推論過程を説明できるなら、僕にとっては「ほー、なるほど、そういう視点もあるのか」って有益さがあると思う。
- (そういう説明ができるのを知的水準が高いと言うのかもしれないが)
- 「知的水準が高い」が不明瞭で、例えば僕がまったく知的に評価しない人でも、僕がしてない経験をしててそれを言葉にしたり、その経験に基づいた推論をした上でその推論過程を説明できるなら、僕にとっては「ほー、なるほど、そういう視点もあるのか」って有益さがあると思う。
- K:
- 知的水準というのは、学歴や学識ではなく、たぶん討議対象と交わる領域に関する専門的知識の有無だと思う。
- 例えば、高層建築の設計手法に関するブレストに中卒の宮大工は居たら有益だが、薬剤師は有益ではない可能性が高い。
- 文学博士は過去の文献から建築的知見を出せるかもしれない。
- あ、同じことを書いているなこれは
- 「ランダムに弾を撃つと、あたりが出ることがある」という非効率なブレストと、「たくさん打たれた点から、高次の構造を見出す」ブレストには質の違いがあって、後者にはかなりの力量が必要だと思う
- 自分と異なる意見に対して「賛成反対」に帰着しないまま操作することが可能な記号操作能力が必要かも
- K: 仕事でやっててわかるのは
- 日本の大企業の場合、本社勤務のホワイトカラーとブレストするよりも、営業事務とかコールセンター専業勤務の人とやるほうが有益なことが多い
- 前者はゼネラリスト(笑)の専門性を持たない政治構造に組み込まれた普通の人で、後者は専門職のプロフェッショナルなことが多いからだ。
- 足りない頭から生成されてランダムに打たれたように見える弾の99%はすでに過去に予測検討済だっり検討違いな内容が多いので、そんな宝くじを引きにいくお遊戯に時間を費やすのは無意味だ。
- Excel使わずに電卓で検算するような行為
- ブレストやハッカソンが無意味と言う話をしているのではなく
- 素人を集めてそれをやらせるのが時間の無駄で、
- さらにそれにプロが付き合うのが人類に対する罪深い行為だと思っている。
- つまり「ゼネラリストではなく専門性を持って現場に近い位置にいる人たち」と「たくさんの情報から高次の構造を見出す能力を持った人」の組み合わせでなければ価値が生まれないし、大部分のケースではその組み合わせができてない、ということかな
- K: そう思います。
- +民主主義的な意識を持っている。
- (批判や上下関係を恐れない。批判するなというのは言論を制約していて、民主的ではない。)
- ブレストを凡人がつかって効果が発揮したのはインターネット以前のアイデアや知識の伝播に時間がかかった時代。
- +民主主義的な意識を持っている。
- インターネットで何が変わったの?
- K: かつてはアイデアの発生、検証という流れが近しい存在じゃないと出来なかった
- 優れたアイデアが発生しても泡沫に消えていった。
- なので、何度もアイデアを再発明させる必要があり、ブレストは有効だった。
- あーなるほど。
- アイデアは複製可能な財だが、かつて口頭と紙で管理されてた時代には媒体のせいで複製に歯止めがかかっていた
- インターネットでデジタルコミュニケーションが生まれたことで容易に複製や検索ができるようになった、と。
- 教えてもらった論文を読んだけど、結局のところ批判どころか相互作用がない方が良いってことになるね。一方で他人との相互作用を有益に感じることもあるから、なんか別の必要条件がありそう。
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ここまでに出てきた話だと「相手が自分にない専門性を持ってること」は必要条件っぽい。
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ランダムに点を打つ目的なら集まらずに個別に100件書き出してもらって収集する方が効率的。そしてそもそもランダムに点を打つことのメリットは低い、と。
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うーむ、もうちょっと先に何か面白いものがありそうな気配を感じるが、それがなんなのかわからないぞ…
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サルのジャンプ、バナナが低いところにある場合には適当にピョンピョン飛んでも手に入ることがあった
- しかしそれを繰り返すうちに低い位置のバナナが取り尽くされる
- と、「箱を積んでそこから飛ぶ」という行動が必要になる
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「専門性のある人」が持っている脳内モデルが「箱」の役割をして、
- 高いところに到達できるようにしてる反面、
- それはバイアスとしても振る舞って探索範囲を狭めてしまう
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濱口秀司の発想法において、専門家集団が「たくさんの点」を打った後で「それが出てきた思考プロセス、バイアス」を特定しようとしていた。
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これは言語化されてない「脳内モデル」の言語化を促すアプローチ
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人間はバイアスのせいで「取りうる選択肢」の一部しか認識できてない
- その状況で選択肢を広げる手段の一つがブレスト
- nishio hirokazu(@nishio)
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@kur そうか、将棋AIとの比較でいうと、AIは「取りうる選択肢がすべて既知」という暗黙の前提があって、一方人間は色々なバイアスのせいで「取りうる選択肢」の一部しか認識できてないからまず選択肢を広げる必要があるのか
- その状況で選択肢を広げる手段の一つがブレスト
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つまり「広くて浅い」と「深くて狭い」の二つがあって、
- 浅いアイデアはしばしば実現不可能で、
- 深いアイデアはしばしばバイアスにとらわれてる、
- この良いとこどりをする必要があるのだな
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具体的にはどうすれば良いのか、で、「他の業種での成功パターンを抽象化して持ち込む」はその一つの方法(箱のない猿に箱を与える)
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もう一つが専門家集団のバイアスを壊す(箱を積んでる猿の箱を揺らす)
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どちらも外部の視点を持った存在が関与してる。
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外部の視点を持ったコンサルが関与して、箱のない猿にランダムなジャンプをさせるのは効率的でない、これがここまでの「ブレスト無益」の話
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ロジカルシンキングができてない顧客にロジカルシンキングを提供するタイプのコンサルティングは、箱のない猿に箱を積ませる作業
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- K: 批判や上下関係を気にせず、知的水準が高い人でやらないとブレストは意味がないと思っている。知的水準の高低基準は議論があれど、こっちも異論はないだろう。
---この議論の当日に下記のようにまとめていたが、時間が経って2022年にこのページを読み返すと意味が分かりにくく「ブレストの批判禁止ルールについての議論まとめ1」というタイトルもいまいちだと思ったので修正した 2022-03-07 from ブレストの批判禁止ルール 初出 https://www.facebook.com/1129148772/posts/10218200486980164?d=n&sfns=mo
- ブレンストーミングの批判禁止ルール
- 「批判」という言葉が曖昧である
- 有益なフィードバックと有害なフィードバックがある
- 心理的安全性
- 権威勾配
- 練度が高く、信頼関係があり、知能が同等レベルである場合にはローカルルールを入れてもよい
- が、一般にはその条件は成り立たない
- 「ブレインストーミング」という言葉で想定するものの違い
- 初対面の相手と意見を出し合う
- 社内でチームメンバーとやる
- 信頼関係の強固な友人とやる
- 批判が有益な場合の条件
- 権威勾配がない
- 相手の理性に対する信頼がある
- 対等感
- 相手の理性を信頼するだけでなく「自分も同程度に理性的」という自信がある
- 他人からのフィードバックを受けた時に、それを人格に対する攻撃と捉えない
- 有益な批判であっても、結局その対象になったトピックの議論に深入りしちゃう(深さ優先探索)
- ので、幅広く可能性を探りたい (幅優先探索的な) ブレストである場合は、批判禁止に合理性がある