僕の中でロジカルシンキングが幅優先探索で、デザインシンキングやアートシンキングと呼ばれるものは深さ優先探索に近いよなーとなんとなく思っているので、深さを追求しないと中途半端に終わってしまう気がしている。デザイン思考やアート思考は免罪符では無いのです。 https://twitter.com/kur/status/1259335314721525760

これ、縦と横逆ではという指摘があって、たしかに何をノードと置くかによってはそう捉えることもできるなーと思った。メタファーって難しい。 また、デザイン思考のステップによっても異なる解釈が可能で、例えばシンセサイジングとかにフォーカスすれば深さ優先であると言えるし、アイディエーション(ブレインストーミング)のプロセスにフォーカスすれば幅優先探索であると言える気がする。 https://twitter.com/kur/status/1259476931365371905

逆に僕はデザインシンキング深さ優先探索って方に納得してた なぜそう思ったかというと、デザインシンキングという言葉で僕の脳内に思い浮かんでいたものが「設計の選択肢を網羅的に検討しないで、とにかく実験可能なプロトタイプまで速やかに進む」という行為だったからだと思う image でもこれ「次の探索」で最後の「設計の選択肢」だけを変えて試したりしないので、深さ優先探索ではないな、と気付いた。どちらかというと囲碁AIで終局までプレイすることを繰り返して手の良し悪しを判断するモンテカルロ木探索だなと思った。

逆にロジカルシンキングでイメージされた「設計の選択肢を網羅的に検討して、最良の選択肢を選び、それから次の選択肢を検討する」って振る舞いも、幅優先探索ではない。2つ目の選択肢の探索で「1番目で選ばなかった選択肢を選んだ先」を探索してないからね。

こちらの探索方法では暗黙に

  • 「一つの選択肢だけに注目してその良し悪しを知ることができる(評価関数がgiven)」
  • 「単独での評価の良い選択肢を選んだ先に、全体としての評価の高い解が存在する」 という前提がある。これはモンテカルロ以前の将棋AIのアルゴリズムに近い image

つまり元の話に戻ると「深さを追求しなければ中途半端に終わってしまう」における「深さ」とは何か、ということに帰着するのだな。僕はそれを「プロトタイプを作ってそのよしあしの情報を得るところまで進むこと」だと解釈してた。「シンセサイジングにフォーカスすれば」ってのはこれと同じ意味?

僕も最初プロトタイピングするので深さ優先のつもりで書きました。一方で、見る範囲を変えると、西尾さんのいうと通りモンテカルロ的な側面もあって、それは幅優先+枝切りに近い(特に、ブレインストーミングとかで可能性を広げるフェーズは)と思うんですよね。 そうか、将棋AIとの比較でいうと、AIは「取りうる選択肢がすべて既知」という暗黙の前提があって、一方人間は色々なバイアスのせいで「取りうる選択肢」の一部しか認識できてないからまず選択肢を広げる必要があるのか です。でもこれはロジカルシンキングもそうですよね。問題を分解して、とりえる選択肢を広げている。それがモンテカルロ的で網羅性よりもとりあえず出してから、それが円の中に当てはまるかどうかを判断するか、MECEを意識しながら分割していくかは違う気がしますが。 人間は取りうる選択肢の一部しか認識できてない 認知の限界

シンセサイジングにフォーカスすればについて。デザイン思考では、インタビュー等のリサーチを通していかに良い「解くべき問い」を作るかが重要だと言われています。この問いの「深さ」を念頭に深さ優先だと捉えることもできるのかな、と思っています。 例えば「どうすればコロナ影響下で楽しい生活を遅れるか」は浅い問い。「どうすればコロナ影響下で、ソーシャルディスタンスを維持しつつ友人たちと充実した余暇を過ごせるか」は深い(解くべき課題をより明確にした)問い。 ただ、これだとむしろロジカルシンキングとの類似度がむしろ高い気がして例え話って難しいなーと思いました…。

kur