• 「選択と集中」の元祖とされるウェルチの戦略は、M&Aによって肥大化した大企業の中の非効率をそぎ落とすものだった。
  • 不採算部門の閉鎖がキャッチーだから有名だが、官僚主義的なプロセスをなくすためのコミュニケーションの場づくりも非効率のそぎ落としの一つであった。
  • 「利益の出ていない部門を閉鎖することで経営を改善した」は彼の戦略をかなり雑に要約したものだ。
    • 「減らすことが重要だ」という誤ったメッセージになる
    • 実際には250事業を売却し、370事業を買収しているから減ってはいない

1980年代にアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)のCEOであるジャック・ウェルチが実践した戦略

合理的なのに愚かな戦略

  • ドラッカー「その事業に今関わっていないと仮定して、あなたは今その事業を始めることを選択しますか?」
    • 60~80年代のシナジーのないM&Aによる大規模化
    • 規模が大きくなることによるコストの発生=規模の不経済

1990年代から日本で大流行

日本の事例

  • なぜ「選択と集中」は日本で失敗するのか?成功したキヤノンと武田薬品の巧妙な手法 | ビジネスジャーナル
    • (キヤノンは)伝統的な終身雇用制を守りながらパソコン事業など赤字部門を切り捨て、…経営資源を注力する「選択と集中」を実施した。社員のクビを切らない代わりに年功序列は廃し、実力主義の賃金体系を組合に認めさせた。

    • 武田薬品工業は1995~2000年の中期経営計画で武田國男社長(当時)のもと、「医薬品特化」の方針を打ち出し、黒字事業を売却する「選択と集中」で成果を上げた。

    • 5年かけて譲渡するスキーム
      • 5年程度の期限付きのジョイントベンチャーを組み、パートナーに過半数を持たせる。
      • 最終的に保有株式をパートナーに売却

その前は逆のパターン 多角化 が流行していた 振り子のようなもの