「Scrapboxを媒体にして紙の本よりよい知識獲得機会を提供する」という流れを推し進めるには、紙の本のように「読む権利」を売るのではなく、「自分の公開のScrapbox上に複製して加工していく権利」を売るといいのではないか
-
書籍をScrapboxのJSON形式で売っただけではなんかちょっと足りない
-
顧客が事前に定額の支払いをし、支払いをした人だけが読むことができる、というビジネスモデルがいけてない
-
顧客まで情報を届けることに印刷などで多大なコストのかかる紙の書籍のビジネスモデルを引きずっててダサい
-
「読む権利」を売るのではなく、別の権利で課金すればよいのでは
-
例えば、僕のScrapbox上の記事は自由に読むことができる、しかし、編集できない
- 書籍でいうところの「マーカーを引く」などのような、興味を持ったところをハイライトする行為
- 抜き書き=興味を持った部分だけを抜き出して別個のメモにする行為
-
自分のScrapboxにコピペをすれば編集できる
- しかしこの場合、publicなプロジェクトにコピペすると送信可能化権の侵害になる
-
出展を明示して引用の要件を満たせば引用はできるが、文章全体を複製するのは引用の要件を満たさない
- 文章の一部でも、単にコピーするだけの場合は引用とならない
-
そもそも公開のプロジェクトにコピペされると困るのは「読む権利を売る」というビジネスモデルのせい
- このビジネスモデルを踏襲しなければいけない理由はない
- 既にそのビジネスモデルで出した書籍のコンテンツを使いまわす場合は別だけど、新しいコンテンツに対しては。
- このビジネスモデルを踏襲しなければいけない理由はない
-
というわけでこういう案はどうか
- 購入者Xに対して下記のもろもろを許諾する
- 特定のフレーズを冒頭部で明示することを条件に、全文の複製を許諾する
- 例:
この文章は西尾泰和による[エンジニアのための自分経営戦略 https://scrapbox.io/nishio/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E8%87%AA%E5%88%86%E7%B5%8C%E5%96%B6%E6%88%A6%E7%95%A5]を著者の許諾を得て全文複製したものである。
- 例:
- 出典を明示することを条件に、部分的に抜き出すことを許諾する
- 引用して自分のコンテンツの方が多くなれば許諾がなくても可能だが、その「自分のコンテンツの方が多い」というところを緩める許諾、つまりただ抜き出すだけで何も言及しなくてもOKだし「ここ面白い」って書くだけでもOK
- 出典明示は具体的には上記の「全文ページ」へのScrapbox内リンクを貼るイメージ
- そうすると全文ページから各「抜き書きぺーじ」へのリンクがScrapboxによって自動的に生まれる
- これを手軽にできるUserScriptがあるとよい: 抜き書きUserScript
- Scrapbox上でのリンク化、太字・マーカーなどの装飾に対して、著者は同一性保持権を主張しない
- 改変されたものであることを明示するなら、著者は同一性保持権を主張しない
- 具体的には同一性が保持されてる抜き書きページfooを作ったうえで
このページは[foo]を元にXが改変したものである
って1行書くぐらいでよい
- 具体的には同一性が保持されてる抜き書きページfooを作ったうえで
- これらの利用許諾の対価としてboothでいくらか取る
- 手軽なインフラとして。もちろん別の手段でもいい。
- もっと払いたい人は追加で払うことができる。
- 第三者boothが介在することで、買った人に「買った」という証拠が残る
- 契約書に押印するなどの面倒なことをなしに利用許諾契約ができる
-
とりあえずこの前マッハ新書として売った文章を公開して、購入者に対して追加で上記の許諾を出してみるか
-
Q: 小説・エッセイなどはどうか、あまり改変するイメージがないが
- 僕は知的生産性の向上に興味があるので、知的生産性と無関係な娯楽としての読書はスコープ外
- 改変していけない理由はない
- 例えば登場人物が多すぎて混乱するような小説において、登場人物の初出をリンク化しておくと「これ誰だっけ?」と思ったときにすぐにたどれる
- 三国志とか名前が似てるから混乱しやすいらしいね
- 僕個人的にはニーズも興味も感じないが。