知識の足りない人に知識を与える方法では、積み上げた知識のない人に積み上げの必要な知識Xを伝えるために、ストーリーで最小限の積み上げをしてギリギリ伝えたい知識を支える話をした。

そう言うスタイルで書かれた本を、その分野に積み上げ知識のあるBさんと、ないCさんが、それぞれ書かれていることの一部だけを拾えるような速度での読み方をした場合に何が起こるか。 image Bさんは、大部分のことを知っているので無意識に読み飛ばし、肝心の知識Xだけを短時間に獲得できる。 なのでBさんはその読み方をするのが適当である。

問題はCさんで、積み上げた知識がないから、どれが重要なことかを判断する力もないのでランダムに適当な知識を選んでしまう。このスタイルの書籍は下からきっちり積み上げていないので、ランダムに選んだ場合には大部分の知識が宙に浮いた知識になる。

一冊の本から獲得した情報の量は、BさんもCさんも同程度である。しかしCさんは高い確率でそれを適切でない場所に配置してしまう。

Cさんの読み方では、知識の箱が平たく並んでいくだけであって、いくら数を稼いでも積み上がっていかない。積み上げは単なる読書とは異なるアクティビティだ。

エンジニアの知的生産術 p.3 1.1.1

情報収集は箱を集めるイメージです。ここでは情報を箱にたとえています。情報収集は、たくさんの箱を集めて並べていく作業です。しかし、情報収集だけをたくさんやっても、箱が平たく並んでいくだけで積み上がりません。 image

別の表現: 知識のネットワークが構築されない。

#知識のピラミッド 速読