HiroTHamadaJP 今の日本のアカデミアの状況は1995年の科学技術基本法まで遡って考えないといけないのだけどtwitterでの議論はここまで辿り着かない。

HiroTHamadaJP 以下、尾身幸次氏の著作である『科学技術立国論-科学技術基本法解説-』(1996年 読売新聞社)と『科学技術創造立国』(1997年 富士通ブックス)をもとに記す。

HiroTHamadaJP 尾身氏は日本科学技術の現状を振り返りはっきりと「基礎研究低迷」と記している。その原因をいくつかの要素に分解している。

  1. 研究者一人当たりの研究費が低い
  2. 政府負担割合が小さい
  3. 研究者や研究補助者、技能者が少ない

HiroTHamadaJP 他にも、以下のものがある。

  1. 基礎研究を育てる
  2. 多様な研究開発の均衡の取れた推進と重要な分野の研究開発の促進
  3. 大学等への配慮
  4. 投資額の抜本的な拡充

それぞれ一つ一つは妥当な項目が並んでいるように見える。しかし、なぜこれらの”素晴らしい言葉”が身を結ばなかったのだろうか?

HiroTHamadaJP 競争的な社会とビッグプロジェクトの道

次に上記に挙げた基礎研究を育てるために、自由競争的な社会を持ち込もうとしている。

例えば、『固定的身分制度を競争的に、弾力的に』というセクションがある(p. 72、『科学技術立国論』)。

HiroTHamadaJP ”能力ある若い研究者が抜擢され、成果をあげる可能性の高い研究者に重点的に研究費が投入される形での競争原理が働く必要がある。”(p. 72、『科学技術立国論』)

HiroTHamadaJP 研究者の雇用を流動化を支えるのがインセンティブ制度と研究支援体制の充実とされていた。

HiroTHamadaJP この当時、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)等では、特許等の研究成果による報酬をNEDOと受託研究者が50%ずつで共有するシステムとなっていたという指摘があり、これを解放すべきととなっている。

HiroTHamadaJP 実際、1999年から日本版バイドール制度(アメリカの特許等の仕組みを記したバイドール法より)が始まっている。これにより、受託研究者を含む受託先が100%保持できることになったことになった。

HiroTHamadaJP また、この当時から研究支援者がどんどん減っていたという経緯が書いてある。国家公務員削減の波に呑まれ、研究従事者ではなく研究支援者が減少した。これにより、研究者自身が事務仕事を大量にこなす必要になった。しかし、これに関して、現在改善された話は聞かない。

HiroTHamadaJP さらに、個人の研究者を競争的な環境に晒すだけでなく、『科学技術立国論』では、国が研究を主導するビックプロジェクトを実施する必要性を説いている。

国が主導することで、エネルギー問題の解決、海洋・宇宙事業の創出し、国家の政策課題を解決するものがビックプロジェクトである。

HiroTHamadaJP ビックプロジェクトでは、長期間に及ぶ開発期間、大規模な開発費を活用することで、研究施設や設備の整備を行い、研究支援体制を構築するような設計が考慮されている。

HiroTHamadaJP 書き途中ですが以下の文章より抜粋