2019/08/06(火) 17:30 ~ 19:30 【中高生限定】高須さんに中国・深センの話を聞こう! - connpass 深圳
講演者が講義資料の内容を話すのではなく、参加者が事前に動画を視聴してきて、現場では2時間ずっと質疑応答というスタイル。面白い。
未踏ジュニアでは、2019年8月にOBOGを対象にした「深センスタディーツアー」を開催するのですが、今回は深センを事前によく知っておくことを目的とした、事前学習イベントとなっています。 ただ、未踏ジュニア関係者だけではもったいない!と思ったので、一般参加及び、会場を提供頂いている千代田高等学院の皆様も、下記の動画を事前に見てくることを条件に、参加を歓迎します! 質疑応答を中心によりディテールや深い話をするイベントにしたいため、参加者の方々は必ず、以下の動画に事前に目を通してきてください。 slidoスタイル
自己紹介
- スイッチサイエンス
- パートナーの開拓がお仕事
- 色々な国を飛び回って日本に輸入する
「外国でできるものを中国でもできるようにする」型のイノベーション
- 中国版Google 中国版Facebook
- DJIのドローンやtiktokは真似ではない
- 模倣型イノベーションで加速して、本当に新しいものを作るイノベーションも可能になった
アメリカや中国のMakerFaireはPh.Dがあまりいない
- 彼らは忙しくて、時間のロスを恐れる
- →枯れているボードを使う
- 先進的なボードは初年度の売り上げは日本がほとんど
- Oculus DK1 日本向けをアメリカより優先した
- 日本人が一番やばいものを作る
- 優秀な人が暇にさせられているから
ハードウェア製造に関しての中国は熾烈すぎる
- M5Stack 2年前できた会社なのにすでにパクリが3件くらいある
- 教育ツールは自治体とコネのあるツールが売れる
- 自治体の首長の子供がやっているパクリ企業の製品が導入されたりする
- なので中国で戦うより世界で売りたい
- ブラジルでプロチームに入るより日本で入る方が給料が高い
深圳の人口分布
- 平均年齢31
- 深圳生まれが7%くらいしかいない
- 上海とかだと半分以上その土地に長らくいる人がいる
- 出稼ぎで来ている人は年をとると地元に帰る
- 60才以上の人口が少ない
- 福祉にお金を取られない
- 行政サービスで新しいものを入れやすい
- 「スマホないと図書館で本を借りられません」に文句を言う人が少ない
- 子供がいないと深圳は税金が高い
- 深圳政府は金が余っている
- 老人福祉や子育て支援がいらない
- ファーピャオをブロックチェーンにするなどの投資ができる
給料が高いか?
- 工場労働者に対してはだんだん美味しくない街になってる
- 給料が増えるより物価が増加するのが速い
- 深圳中央部には工場は環境規制であまりない
- 珠江デルタに広がっていってる
- 最低賃金 2200人民元 38000円
- 6000人民元くらい欲しい
- いい感じの残業がある会社にいく
- 残業・休日勤務の割増賃金規則がきちんと守られている
- もし守らない会社がいれば、労働者がすぐ逃げる
- 労働者は即座に辞めて、隣の工場にすぐ就職できるから、ブラック企業に勤め続ける理由がない
- 終身雇用ではない
- 就職はモンハンの「このクエストを取りに行こう」のイメージ
- ホワイトカラーは別物
- IPOを目指しているからストックオプションで受け取ってて給与が低い
中国でのMakerブーム
- オバマがホワイトハウスでMakerFaireやったのがブームのきっかけ
- 「今日のDYIは明日のMade in America」
- 中国はそれを模倣してマスイノベーション政策を取った
- 社長になることのハードル、お金を貸すことのハードルが高かった
- →「大衆創業、万衆創新を積極的に推進する若干の政策・取組に関する意見」国発〔2015〕32号
- 中国のインターネット流行語がMakerになった
- アメリカは100万年が10個、中国は100万都市が165個ある
- 6000のMaker Spaceができた
- 深圳だけで200個あった
- 首相が積極的にベンチャーを訪問して報道させる
- 若い人がベンチャーに行きたくても、親が渋る
- 首相が来てるんだよって言うことで納得させる
- 中国で一番プログラムが書ける人を国がフィーチャーする
Faireは地方によってカラーが違う
- 香港のFaireは大学教授がやっているので教育系の割合が多い
- 深圳は趣味のプロジェクトが増える
MakerFaireが倒産したが影響は?
- アメリカのMakerFaireが10億円もらって2年で溶かした件
- 他の国はライセンスフィーを払ってるだけだから別に問題はない
- 彼らは儲からないことにお金をつぎ込むことをやった
- バーニングマンみたいに炎を扱うなど
- 火器取り扱いスタッフを雇って支払いをしていたが、チケット代で黒が出なかった
- チケットを70ドルにするなどすれば黒になったかもしれないが、それをやろうとはしなかった
- デール「キックスターターフェアや教育フェアにするのはテンション上がらない」
第二の深圳は作れるのか
- 中国政府も第二の深圳を作ろうとしているがうまくいっていない
- 補助金を出すと補助金目当ての企業が増える
- 人がいて、電気があって、みんな工場に来てくれるような状態じゃないと世界の工場になれない
- 世界の工場
- もともと世界的に人手不足、昔は日本がその労働力不足を引き受けていた
- しかし日本の賃金が上昇してあまり旨味がなくなってきていた
- 78年に中国が改革開放し、80年に深圳に経済特区が設置された
- タイミングが良かった
- 深圳ができたのは深圳に世界から発注があったから
- 何もないところに経済特区を作ると誰もこない、もともと流行ってるところに作ると既得権益者が文句を言う
- 深圳は香港が隣にあったが本土側は白紙の土地だった
- 同時期に経済特区になった、台湾の対岸のアモイもまあまあ成功している
イノベーションはお金の問題?
- お金の問題ではなく意思の問題
- 新しいものを作るのは今ないものを作ることなので、実績がないから怪しく見える
- QR決済もロクでもないことがいっぱい起こっている
- 中国政府はQRコードがセキュリティでやばかった時に「辞めた方が良い」的な意見を出した
- Alibabaはそれを無視した
- 「“みんなの意見”を聞かないこと」がメリット
- みんなの意見を聞いて運営している会社はダメ
- 全員が賛成するようなことは予測可能なこと
- 「なぜか普及した時に世界が変わる」
- 中国政府にはAlipay許さないマンとかいたはず
- 民主主義でこれをどう実現したらいいのかはまだ答えがない
- 優秀な人間が合意形成でやると80点のものしかできない問題
アントファイナンシャル
- アント・フィナンシャル - Wikipedia
- アリババ前はお金を1回貸すのに4万円かかった、2000万くらい貸さないとコストが回収できない
- お金を借りられる人は全人口の15%程度
- アリババは全部AIでできるようにして300万とかの少額で貸せるようにした
- 審査の自動化によって融資の可否が3秒で決まる
- 残り85%の人に金を貸す仕組み
- こっちの方が中国のためって政府が考えた
“disrupter 30”?
- 既存の市場を破壊した人を褒める文化
スタートアップにも二種類ある
- 下請けは利益率が下がるから工場主がスタートアップを作る
- 「めっちゃ発注が来る、うちが作ってるんだから、自分たちで作って売ろう」
- 大学を卒業して
- 「まったく新しい製品を作ります、お金をください」
- 前者の「ハードルの低いスタートアップ」によってスタートアップエコシステム自体の参加者が増えて流れの円滑さが生まれてるのかもなぁ
中国の個人情報事情
- お小遣いがWeChat Pay、仕事に使うのがAlipay
- 2つ別々に生きているのは国民感情として分かれているのでは
- Alipayの財布の中身が他人から見えるのは嫌
- Alipay+SNSは失敗した
- 振る舞いにスコアをつけるのと、貸し借りにスコアをつけるのは、今は分かれている
- 監視カメラ
- 使ったことがない人が文句を言っているだけ
- 深圳、忘れ物が戻ってくるようになった
- タクシーの中にカバンを忘れた→監視カメラ映像からタクシー会社を確認
- →タクシー会社に連絡する
- 最近のタクシーは全部ドライブレコーダーついているのでドライバーが忘れ物を盗めない
- →「今別の客を運んでいるので、終わったらそっちに持っていきますね〜」
ものづくり人材はどうやって育っているのか
- スマホやドローンの作り方を教える学校はない
- 工場に入ると実務を通して学べる
- 漫画家のアシスタントになって、それから自分で投稿するみたいな
- そう考えると日本の漫画家デビューの仕組みはよくできているのでは
- 「新人賞」というコンテスト
- ベテラン作家の作品と新人の作品を抱き合わせ販売する
- いい学校教育はコピーできるので国によって差はさほどないだろう
年齢
- 50代の人は共産主義教育だから威張れない
- ベテランの社長は47歳ぐらい
- 子供が25歳の時に親が47歳だったりしてまあまあメンターできる
経済の議論
- 政治家の文句は言えないが経済に関しては統制はない
- 996ライセンス
- 朝9時から夜9時まで週6日働かせる労働形態に対する非難
- 全国紙でも話題になる
- ジャック・マー(アリババ創業者)がコメントし、それに対しての批判なども全国紙に掲載され、ジャック・マーが少し軟化したコメントを載せる流れ
- 「他人に言われたから働いているのはダメ」
ファーエイ制裁に対する反応
- 阿片戦争ミュージアム
- 阿片戦争 - Wikipedia
- 経済的理由でひどい目に遭わされた記憶は消えてはいない
- 「夜も寝ずに独自OSを作る」?
- そんな感じではない
- 貯金の量を増やすとか、マレーシアに土地を買うとか
- 目的のために私生活を犠牲にする人がほとんどいない
- ブラック企業に勤め続ける人はいない
中国人はヨーロッパぐらいサイズがある
- 南と北は違う国ぐらい違う
- 隋や唐は南の人が作った国、清は北の人が作った国、辮髪、モンゴルの影響が大きい
- ベトナムもタイも福建省
- 広東省=横浜中華街
- 深圳は湖南省からの出稼ぎが多い
見ておくべきもの
- 金土日:ビルが全部光るやつ、絶対見ておけ
- 本屋に行った方がいい、ハードウェア系の本がとても多い
CoderDojo的な非営利の活動はあまりない?
- 日本語の非営利活動の概念があんまりしっくり来ていない
- Googleも赤字活動はたくさんやっている
- ビジネスで利益を上げた主体が、その余剰利益で赤字の活動をする
- ビジネスをやるぞという空気が強すぎてなんでも金儲けにする
貧富の差
- 半端なく激しい
- 大体のIT技術はできる人とできない人の差を広げる
- Alibabaはやったことない商売をやっていることがMakerの定義、変なものを仕入れて売るのもOK
- それすらできない、モチベーション貧困には暮らしにくい
- 貧富の差がなかった時代は毛沢東時代、餓死者がたくさん出ていた
治安
- 経済成長が始まると少しでも頭がいい人は犯罪をするより働いた方がいい
- 超バカしか犯罪をしない
- 交通事故の方が怖い
深圳大学への中国語学留学がオススメ
- 4ヶ月間で14万ぐらいで学費教科書・保険がつく
- 生活費など込み30万程度で行ける
- 学生ビザがおり、現地口座が作れる
- 中国で給料をもらったらダメ
- 日本で給料をもらうのはOK