- 作成過程の自分観察がこちらにある: 20180502自分観察ログ
- 「マッハ新書以前の書籍は何を売っていたのか」という問いを見てもう一歩進んだ
- AさんとBさんが近くにいて、教えるAさんの行動をBさんが観察できる状況
- まずAさんの作業をBさんが傍で見ることによって非言語的な伝達が行われる
- 経験の共通化#共同化
- 共通の経験をAさんがどう解釈しているか言葉で伝えることによって、解釈の共通化が行われる
- そのままほっておくとBさんがBさんなりの解釈をする
- 教える人と教わる人が離れていて直接観察できない場合
- 書籍などでよくある状況
- まずAさんが言語化をする
- しかしこの時に、言語化が難しい経験は取りこぼされる
- 生の経験を書籍の形で運ぶことができない場合がある
- 経験を解釈し言語化したものになる
- 共同観察できる状態よりは劣った学びのフォーマットである
- が、スケールする
- 教育をする側の増加よりも速く教育を受ける側が増えた状況下で有効
- 抽象化され言語化された本を読んだBさんは、その言語化された解釈を、自分の経験と結びつける必要がある
- 腹に落ちる、血肉になる、などのメタファー
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この「自分の経験との結合」は容易なものではない
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そこで著者側は、かみ砕いた説明をしたり、具体例を入れたり、小説形式にしたり、「漫画でわかる」形式にしたりする
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これは著者側がコストを掛けることによって読者に歩み寄っている構造
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少品種大量生産の時代にはそれでもよかった
- 大勢の読者によって著者のコストを負担するから
- 著者がコストをかけて「わかりやすい本」を書くと長く多く売れる
- コストを掛けることが正当化された
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分野の細分化
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市場に出てくる商品の種類の増加
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1冊の本あたりの読者の量が減少した
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書籍のシグナリングの効果の減少
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インターネットの登場
- インターネット上での情報流通の質・量・速度に比較して、書籍という流通経路の魅力が減少
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著者側のそれをやるインセンティブが薄れている
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読者側も情報洪水に溺れている
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アジャイルとウォーターフォール
- 書籍は、顧客(読者)が目の前にいない状態で書きあげる
- これは大変
- コストをかけて作成した後で、顧客が存在しないことに気付くと問題
- 関連: リーン・スタートアップ
- 著者の側としては顧客の反応をなるべく早く知りたい
- レビュワーの導入など
- ソフトウェア業界では一足早く類似の考え方に到った
- リリース可能なものをなるべく早く作ってリリースする
- 顧客との対話を通じて作るべきものが何かを明らかにする
整理
- 書籍は何を売っていたか
- 抽象化された概念と、抽象化された概念を読者が自分の経験と結合することの支援