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yasuhikomurakam 『客観性の落とし穴』本日刊行。 客観性と数値による評価は19世紀に生まれたのに、いつのまにか恒久の真理であるかのようになりました。社会や心まで客観化され個別の経験の意味が見失われ、数値化は功利主義競争主義排除自己責任論さらには優生思想といったものと結びつきます。これが本書前半 image

yasuhikomurakam 本書後半は「では個別の経験の意味を捉えるためにはどうしたらよいのか」を考えます。語りの精緻な分析が、一人ひとりの経験の生き生きとしたリアリティとスタイルを捕まえることを示します。これが現象学。さらに個別の経験を軸として社会を考えると、どのように風景が変わるのかを議論して終わります

yasuhikomurakam 『客観性の落とし穴』はエビデンスを否定したいわけではなく、俯瞰的客観的な知と、個別の経験の意味の理解は補い合う。しかし客観だけでは真理の片方だけなのです。 統計(数値)を使って経験を扱う良質の研究は、実は個別の人間の経験に対する理解や想像力に支えられているのだと思います。