「良かれと思ってやったことが、最終的に良くない結末をもたらす」というような状況をさして使う
- が、解釈はいくつかに分かれている
- そもそも初期には「道」という言葉がなく「地獄は善意で舗装されてる」だった
-
クレルヴォー修道院のベルナルドゥス(Saint Bernard of Clairvaux, 1091-1153)
- “Hell is full of good intentions or desires.”
-
1670年にジョン・レイ(John Ray)は”Hell is paved with good intentions.”を諺として引用。
-
ボズウェルは「ジョンソン伝(Life of Johnson)」の1775年4月16日の項目で、文頭に”the road to”のない”Hell is paved with good intentions.”をジョンソンの言葉として引用。
-
個人的には”Hell is full of good meanings, but heaven is full of good works”という表現を面白いと思った
- だけど「地獄への道は善意で舗装されている」から感じるニュアンスとはだいぶ違う。
- 似ているけど別のことわざと考えた方が良さそう
- 「道」からは時間経過を感じる。短期的には「善意」で舗装されてて歩きやすい。それを進んでいって最終的に到着するのは地獄。
- だけど「地獄への道は善意で舗装されている」から感じるニュアンスとはだいぶ違う。
-
訳: 地獄は良い意図に満ちているが、天国は良い結果に満ちている
- works = the result of effort
- meaningsを「意味」と直訳するとわかりにくい
- the meaning of life / the meaning to do somethingのたぐいだと思う
- 「人生の意味」と訳すこともできるが、「この単語の意味」という場合の「意味」ではない
- 「〜をどういう目的で使うか」「どういう目的で〜するか」
- 意味というよりは意図、意思
-
別の訳
- 地獄は善意に満ちているが、天国は善行に満ちている
- 日本語的には似た単語のペアになったスッキリしてる。
- worksが「結果」ではなく「行い」になるのが微妙
- 善意で行動して地獄をもたらしてる人たちも本人は「善行」のつもりでしょう
- 善意で行動して、良い結果をもたらさないことがしばしばあって、それが地獄なわけだから
- 天国は、ちゃんと「良い結果」で満ちてるからハッピー
The road to hell is paved with good intentions - Wikipedia
-
“The road to hell is paved with good intentions”は1855年にことわざ辞典に載った
- Henry G. Bohn’s A Hand-book of Proverbs in 1855.
-
“The way of sinners is made plain with stones, but at the end thereof is the pit of hell.” in Ecclesiasticus 21:10
- これは地獄に至る道が歩きやすいものだと言ってるだけで、それが「善意」だという皮肉のニュアンスがない
ハイエク自身が言ったという根拠は見つけられてないが、ハイエクの「隷属への道」をこのことわざと関連づけて語ってる書籍がいくつかある。
-
『隷属への道』(The Road to Serfdom)とは1944年にオーストリア学派の経済学者・哲学者、フリードリヒ・ハイエクによって著された政治学書である。中央計画経済が必然的な結果としてもたらす国民生活全体の隷属について警告する内容であり、同時に個人主義や古典的自由主義の放棄も同じく隷属を招くと主張している。
-
- https://www.google.co.jp/books/edition/Reclaiming_Liberty/3Doaq5nd8sMC?hl=en&gbpv=1&dq=the+road+to+serfdom+hell+paved&pg=PA133&printsec=frontcover
- (DeepL)地獄への道は善意で敷き詰められている “という母の言葉を思い出す人は多いだろう。隷属への道も同じで、善意で敷き詰められているのだ。思想的には、真のリベラル/社会主義者は、例えば、都心の若者の悲しい状況を改善するために、政府の権利としてより多くの公的資金を使うことを提唱するとき、本当に善意を持っているのだ。犯罪、病気、崩壊した家庭、一般的な貧困の地域に住むこれらの若者たちが、これらの社会病理を是正すれば、より良くなることを否定できる人がいるだろうか。
-
- https://www.google.co.jp/books/edition/Committee_Organization_in_the_House/DQnr5Il3Nu0C?hl=en&gbpv=1&dq=the+road+to+serfdom+hell+paved&pg=PA768&printsec=frontcover
- (DeepL)私の判断では、米国議会の議員たちは、概して、1930年にブルーニング首相が立法権を獲得し、1933年にアドルフ・ヒトラーが権力を握る以前のワイマール共和国の帝国議会における彼らの優れた先達よりもさらに有能で、より誠実で、より献身的であると思う。要するに、能力、誠実さ、献身は、それ自体、全体主義への乗り越えられない障壁ではない。地獄に続く隷属への道は、通常、善良な人々の善意で舗装されている。
- これは1973年の本