2018-03-23
- 「個別の案件に深入りしない」という思考パターンについて。
- 「n=1では判断しない」は科学的には正しい態度だが、その思考法は繰り返し実験ができる対象を暗黙に想定している。
- 繰り返し実験ができない対象にその思考法を用いると「事例が少なくて何も言えない」という不毛な出力しかでない。
- ゼロからイチを作ろうとしている場合、新しいことをやろうとしている場合、判断を迫られる対象について十分なデータがあることの方がレアである。
- n=1の事例について掘り下げることを避けるようなバイアスがあると、その種の問題に触れた時に「抽象化しよう」とする
- 「瑣末な枝葉を捨てる」「本質」などの表現で暗黙にポジティブな行為だと考えている。
- 一方でこの抽象化したものは、事実ではなく個人の解釈である#事実と解釈 ref. アインシュタインの経験公理検証モデル
- 「目の前の事実をきちんと掘り下げることなく、解釈に基づいて議論をする」というネガティブな行為だと表現することもできる。
- 同じ事実を前にしてもそれに対する解釈は人それぞれ異なる。
- 解釈をベースにした議論は食い違いやすい。
- この種の問題に対する民俗学的アプローチは、その事例に関連する情報をなるべくたくさん集めようとするもの。
- 事例は一つしかなくて、そこからその出来事自体の分布を推測することはできないとしても、周辺情報がわかれば出来事を生み出す生成システム自体の記述ができる。