他者の視点盲点に気付く事例#他者#視点#他人の視点#他人

-----事例(中山氏)

  • プロジェクトのある段階T1で、ある方針Xをダメだと判断した。当時の状況ではこの判断は適切であった。
  • その後、プロジェクトの方針転換をしようと検討した際に、方針Xが候補に出てこなかった。
  • 他人に話していて「方針Xはダメなの?」と聞かれて候補にあげていないことに気付いた。
  • 検討し直してみたところ、T1と現在で環境条件が変化しており、今では方針Xは適切な解であった。

「過去に方針Xを検討し、ダメだと判断した」という記憶・経験から、無意識に方針Xを無視してしまう。経験が盲点を作る。ダメと判断した経験を持たない人の視点で、方針Xが見えなくなっていたことに気付いた。

T1の時点では「条件Aだから方針Xはダメだ」という結論だったはずだが、人間の脳がいつの間にか「条件Aだから」を忘れて「方針Xはダメだ」に書き換えてしまう。

-----事例

  • ネットで技術情報を調べる
  • 質問解答サイトで同じ質問を見つける。回答に対して高い評価がついている。
  • これが正しいと思って実装したが、上手く動かない。
  • 詳しい人に聞いたら情報が古いと指摘された。(具体的にはAndroid4系のコードでAndroid5では動かない、NSで始まるAPIはobsoleteになった、など)
  • 「書かれた時点では正しかった」「ソーシャル評価も(注目は書かれた直後に集中するから)好意的」「しかし時間が経ってから検索で到達した場合、前提条件が変わって正しくなくなっている」ということ。

-----事例 ---前提となる投稿 首都大学東京での質疑応答で出た質問

  • Q: 他人とのコミュニケーションで盲点に気づいて問題解決につながった例を教えて欲しい

この質問にしばらく悩んだのだけど全然適切なものが思いつかなかった。その理由は何かを考えた。

  • まず「僕が解決策を思いついてなかった」という前提から「僕が解決策をすぐに思いつかない程度に難しい問題」である。
  • 他人がそれを理解してアドバイスするという条件から、僕はその問題について事前に時間を掛けて説明しただろう。
  • 僕と異なる視点からのアドバイスがされたが、僕と異なる視点だからそれが出て来た背景を僕が説明するのは困難。

問題が難しく問題の説明に時間が必要 & アドバイスについて僕が説明することが困難、この種の出来事に関して質疑でサクッと例を出すのは難しい。

語りやすい規模の「なるほどな」と思った事例

  • 海外旅行で詐欺にあった時に、その場で詐欺犯と戦わないで、クレジットカードで払い、カード会社に連絡して引き落としを止める、という問題解決を見た時に、なるほどなーと思った。
  • これは僕の問題解決ではないんだよなあ
  • 僕の問題解決ではないがゆえに、問題の説明コストが必要なくて、その結果手軽なサイズで説明できている

-----話1に対する友人(中山ところてん)の反応

  • T: 自分が気づいていない解決方法と、盲点の違いは何だろう?
  • N: 僕はその2つは区別してない。
  • N: 集合でいうなら、盲点は「自分が気付いていない解決すべき課題」も含んでるからより大きな集合かな
  • T: であるなら、サブセットの「自分が認識できていない課題」の事例に絞るべきじゃないかな?概念を広げすぎていて、パッと出てこなくなってきている。
  • N: なるほど!

解説

  • 質問されるまで、僕は「盲点」と「自分が気付いていない解決すべき課題」を明確に区別せずに使っていた。
  • そして「明確に区別せずに使っている」ということに気付いていなかった。
  • 質問されて、まず「区別してない」と答えている。しかし少し時間を追いいて「区別してないとは言ったが、イコールかっていうとそうではないよな」と考え始め、「集合でいうなら~」とと答えている。
  • 集合としてイコールだと思い込んでいたものが、イコールではなく包含関係にある、と言う時、そこには何か今まで見落としていたものがある
  • image
  • イコールだと思い込んでいた集合