人に教えるのが一番学習効率がいい。 と言ってる人がいますが、そもそも自分がちゃんと理解していないものを人に教えると、教わる方は大迷惑です。 なぜなら、間違ったことを教えられることがよくある上に、説明もあいまいで分かりにくいからです。 人に教える前に、まず、ちゃんと理解するのが先です

エンジニアの知的生産術」にも書いたけど「人に教えるのが学習効率が良い」ってのは「人に教えるつもりで自分が学んだことを説明すると記憶の定着が良い」という意味なので、教わる役の人間を拘束する必要はない

  • エンジニアの知的生産術 p.140 (4.5.3.3) 人に教える 人に教える
    • 人に教えるための資料を作ることは、自分自身の記憶も強化します。パズルを解いたあと、そのパズルの解き方の解説を書くと、…テストの成績が有意に向上する、という実験があります。実際に教えなくても、資料を作るだけで効果があります。

    • 教えるための資料作りは自分自身の記憶を強化する
  • 単に問題を解くよりも、その問題の解き方を言語化する時間を取った方が、その後の成績が良くなるという実験。

理解について

  • ちゃんと理解してからやる」ってのは、気の小さい人はどんなに勉強しても永遠に「ちゃんと理解した気がしない」って感じるし、そうでないタイプの人は全然知識足りてない状態で自信満々になるし、あんまり良い指針ではないと思う
  • これもエンジニアの知的生産術に書いたけど主観的な「理解した」という気持ちはしばしば間違ってるので「理解は仮説」であって「仮説を検証するための実験」をしなければ自分が本当に理解しているのかどうかはわからない。理解したつもりのことの解説を書いてみるのはこの実験として有効。
  • 説明してみる実験をした結果、しばしば「あれ?これって理解があやふやだな?」と気づくことがあって、そうやってあやふやなところを見つけて潰していくと脳内に「情報が相互につながった密なネットワーク」ができていく。それができると必要に応じてつながりをたどって引っ張り出すことができて有用
  • エンジニアの知的生産術 p.44
    • あなたが何かをわかったような気持ちになったとしても、本当にわかっているという保証にはなりません。あなたが正しいと思っているあなたの脳内のモデルが本当に正しいかどうかは、その脳内モデルを実際に使って、その結果を観察して検証しなければいけないのです。

    • image