- Amazon
- ジェンドリン哲学入門―フォーカシングの根底にあるもの 単行本 – 2009/8/1
- 諸富 祥彦 (著), 末武 康弘 (著), 村里 忠之 (著)
- ユージン・ジェンドリン
-
[体験過程]への照射に始まったジェンドリン哲学は、一貫した問題関心を追求しつつ、[the implicit]の哲学へと発展してきた。“インプライング”、“[万事連関]”、“リーフィング”、“介在する事象”、“開かれた循環”、“原言語”、“モナド”、“ダイアフィルス”…独自の新概念によって構築されたジェンドリン哲学の全容を本書は解明する。最終章には『プロセスモデル』用語集を掲載。
第2章―2 『体験過程と意味の創造』について 村里忠之
- 2 ポストモダン以降の哲学の課題と臨床心理学の課題
- 3 体験過程=体験すること=前概念的経験 (Experiencing)とは何か?
- 4 ジェンドリンによる現象学的展開
- 5 内容モデル対プロセスモデル
- 6 再び体験過程とは何か
- 7 フォーカシング
- 8 体験的複雑さ
- 9 ECM
第3章―1 ジェンドリンの現象学 諸富祥彦
- 1 ジェンドリンの哲学的問題意識
- 2 伝統的な「経験」 観と現代哲学における「経験」観
- 3 言語分析に関するジェンドリンの理解
- 4 現象学に関するジェンドリンの理解
- 5 言語分析と現象学が共有する根本問題
- 6 根本的転換
- 7 ジェンドリン現象学の「基準」 --- 「解明」の生起
- 8「解明」と「言明の恣意性の問題」
- 夢について
- メダルト・ボスを批判して――」 (一九七七)(抄訳)
- ユージーン・T・ジェンドリン著
- 諸富祥彦 訳
第4章 ジェンドリンの倫理学―「過程価値」 ないし「プロセス・エシックス (過程倫理学)」 諸富祥彦
- 1 はじめに――ロジャーズの有機体的価値づけ過程論
- 2 価値づけの基準としての「体験流の推進」
- 3 「過程価値説」価値の結論の「内容」ではなく「過程」への着目
- 4 「過程価値説」は社会的な選択場面においても妥当するか
- 5 状況とその乗り越えpotentialities と possibilities
- 6 「相互に重なり合う単一体系」としての人間と状況
第5章 身体-環境、暗在的含意と生起、進化そして行動 末武康弘
- 『プロセスモデル』 第Ⅰ章~第V章
- 2 第一章「身体―環境」、第Ⅱ章 「機能的循環」、第三章「対象」
- 3 第IV章 身体と時間 (THE BODY AND TIME)
- 4 第V章 進化、新しさ、安定性 (EVOLUTION, NOVELTY, AND STABILITY)
- 5 第VI章 行動 (BEHAVIOR)
第6章 『プロセスモデル』第三章にみるジェンドリンの言語論 得丸さと子
- 1 ジェンドリン哲学と「プロセスモデル」をめぐる現状
- 2 「プロセスモデル」の中での第VII章の位置づけ
- 3 身体と環境は一つのプロセスである
- 4 動物にとって“ジェスチャー”は行動である
- 5 自己意識は自分が何かを感じていると感じることである
- 6 通常の普遍性は〝第三〟の普遍性である
- 7 道具を使っている間はアクション文脈は休止している
- 8 シークエンスはメッシュの中で、暗在的にもそれ自身としても機能する
- 9 人間のジェスチャーはシンボルである
- 10 パターンそのもの”により目の前にない文脈を推進できる
- 11 “側面的交差〟で原言語的シンボルはオノマトペから離れていく
- 12 〝収集的交差〟から語-ユニットが跳び出る
- 13 一つの語の文脈は集められた文脈 (S) と相互作用文脈からなる
- 14 統語的ルール(文法)は身体的起源を持つ
- 15 言語の使用は再イブイブイングである
- 16 言語は自己-閉鎖的である(芸術は新しいパターンの創造である)
- 17 相互作用は言語を伴って発展し続ける
- 18 人間は語があれば他の状況に動くことができる
- 19 パターンシークエンスが跳び出し文脈を推進したときが、 フリップである
- 20 類が普遍と個別を作る
第7章 プロセスモデルの章について――フォーカシング&TAEの真の用途 村里忠之
- 2 一九九七年のジェンドリン: 新装版 「ECM」への序文と「PM』の出版
- 3 TAE
- 4 ジェンドリン哲学の先駆者たち
- 5 新しい哲学
- 6 プロセスモデル第VI章: 動物的行動
- 7 プロセスモデル第VII章: 人間の基礎的存在様式
- 8 「ダンス」=行為の始まり
- 9 VIIの中にVIIIを!
- 10 からだの知恵(直接照合体)に直接照合する思慮 (deliberateness)
- 11 からだの知恵とその理論化としてのプロセスモデル
- 12 VIIIのパイオニアたち
- 13 全く新しい全体性としてのVIII
- 14 直接照合体が生じる場所
- 15 モナド
- 16 ダイアフィル
- 17 結論と始まり、あるいは科学と哲学、あるいは継続する哲学
第8章 TAE (Thinking At the Edge) とは何か? 村里忠之
- 2 TAEとは何であるか?
- 3 からだの知恵から始める
- 4 ユニットモデルを超えて、我々の自然を回復することは如何にして可能か?
- 5 パターンを超える言語を創造する (ヴィトゲンシュタイン)
- あるいは言語の暗在性の活用(ジェンドリン) 38
- 6 TAEのステップ
- 7 ステップのさらに詳しい説明
- 8 TAEには社会的目的が在る
- 9 論理と時間―空間科学は体験的展開の内側においてのみ存在する
第9章 体験過程論における自己同一性の問題 上嶋洋一
- 1 はじめに: 問題の所在
- 2 体験過程論の人間観
- 3 体験過程論からみた自己の一貫性同一性の問題
- 4 おわりに:「動的真理 (moving truth)」 を求めて