ヌース, 理性

ヌース(ヌウス、希: νους, nous)は、知性、理性、精神、魂などを意味するギリシャ語。 アナクサゴラスは世界はヌースが支配しており、人間はヌースを把握することができると考えた。また、プロティノスは万物は一者から流出したヌースの働きによるとした。ストア派においては、ロゴスとほぼ同義で用いられる。 イマヌエル・カントの哲学においては、この語から派生した「ヌーメノン」(noumenon, 考えられたもの)という語が、「物自体」と同義で用いられる。

νόησις(ノエーシス)とも

ノエシス (Noesis) - エトムント・フッサールの現象学において、「考える」という精神作用を指す用語で、それによって「考えられたもの」を指すノエマ (noma) と対にして用いられる

フッサールは、ギリシア語で思考作用をさす「ノエシス」と、思考された対象をさす「ノエマ」という用語を用いて、意識の自我が感覚与件をとらえようとする動きを「ノエシス」、意識によって捉えられた限りの対象を「ノエマ」と呼んだ。

ノウアスフィアの語源

ノウアスフィア(noosphere)は、ソ連の生物地球化学者ウラジーミル・ヴェルナツキーとフランスの哲学者にしてイエズス会司祭のテイヤール・ド・シャルダンによって生み出され、広められた哲学的概念。ヴェルナツキーは、生物圏(バイオスフィア)の新たな段階としてヌース圏(ノウアスフィア)を定義し、この地球を「理知の球(sphere of reason)」と説明している。ノウアスフィアは生物圏の発展における最高段階を表し、その定義要因が人類の理知的な活動の発展とされている

この言葉はギリシャ語のνοῦς(ヌース、精神・理性)とσφαῖρα(球・空間)に由来しており、語彙上の類語にはアトモスフィア(大気圏)やバイオスフィア(生物圏)がある。…第二世代の著述家が、主にロシア起源のヴェルナツキーによる概念をさらに発展させ、関連の概念(noocenosisやnoocenology)を生み出している。 …現状この理論は科学的には否定されており実証すらされていないが、近年ではインターネットにおける「知識集積」の比喩として用いられることが多い。オープンソースの活動家であるエリック・レイモンドは、「ノウアスフィアの開墾」(“Homesteading the Noosphere”)という著作を公開している。