BMOT特別授業第4回「知的生産」の発言の文字起こし

西尾:立川さんのイベントの案内文にこう書いてあるんですね。「西尾先生の特徴は話が高速で脱線していく事なので案外本についての話は少ないかもしれません」と。すごい事をイベント告知に書いてくるなと思ったんですが、脱線って何なのかという話をしたいと思います。脱線とは何か。 立川:(笑)すでに脱線している感じが。 西尾:脱線とは何かという話をするのは予定していたので脱線ではないんですけど。脱線って電車のメタファーだと思うんですね。レールがあってその上を走っている電車があるわけですよね。こう・・電車が走っていると。で、この列車がレールを外れてどっか行ってしまうのが脱線なわけですよね。でもこれって暗黙にレールの存在を仮定していると思うんです。で、この授業は体育だっていう、このイベントは、事前にレールを用意しないって決めごとでスタートしたはずなので、立川さんなぜ脱線と・・・・。 立川:わかりやすいから。脱線するという事を肯定しています。 西尾:なるほどなるほど。脱線は肯定的と。脱線を肯定するって言った時、脱線にどういうメリットがあると思っています? 立川:脱線にどんなメリットがあるか。なんだろう。なんでしょうね。そもそも肯定している。脱線しますよ。というか、線路をひいていませんよというコンセプトの授業なので、これは。コンセプトにちゃんと沿っているという意味で肯定しています。 西尾:なるほど。なるほど。 男性:脱線って主観的なものですかね? 西尾:脱線って主観的なものか・・・。 男性:そんな気がします。 西尾:そうですね。こうなるはずだっていう思い込みのレールがあって、そのレールから外れているときに脱線な訳ですよね。僕はレールがなくて、ここは野原で野原を好き勝手な方向に走っていってる感じだと思うんですね。レールを予定しているとレールから離れた所に面白そうな物があったとするじゃないですか。これ花のつもりなんですけど。こう行けないわけですよ。レールがひかれていると。でもレールがないならばこれは自由にこう行っていいし、こう行ってもいい。なので、おもしろそうな物があった時にそちらにすぐに行動できる。すぐに反応できる。面白そうな物にすぐ向かえる。これがレールがない事のメリットだと思います。

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男性:思ったんですけど。飛行機なようなもので。要は線路はないですけど、実際航空路が定まっていてそこを飛行機が飛んでいくんですけど。でも、電車はある方向に向かって目的地があってそこに走っていくイメージがあって、飛行機は最終的には目的地があるんですけど。西尾先生の話だと草原を走り回って、終息しなくていいんだと思われている。我々参加させてもらって、ゴールに導いていただけるのかなと勝手な期待感があるので。 西尾:なるほど。ゴールに導いてほしい気持ちがあると。 男性:講義の終着点みたいな。 西尾:なるほど。ゴールに導く。事前に例えばここがゴールですって宣言して、それに時間内に導こうとすると結構辛いんですよ。なぜかというと、これ地図だと思ってください。ここゴールだとしますよね。ここ走って、こう行ってる最中に面白そうなものがあると、こっち行ったとすると時間内に戻れなくなるんですよね。そこの・・・ 男性:面白さを犠牲にはなりますよね。 西尾:やっぱりこっちに面白そうな話があるけど、でも予定としてはスライドがあるから、こっちの話をしますみたいな感じで、じゃあスライドに戻りますって言って、スライドの続きの話をしたりとか。時間内に収まらないから最後の方、後10分しかないのにスライドが20枚あるのでということで、もの凄いスピードでガンガン話してたりって事が起きるわけですよね。事前にレールを作ってその上を走るスタイルの授業をしていると。そういう授業もよくやっているんですけど。1時間の講演してくださいとかそういうので行って話す時に、このスタイルですると、やっていられない事はないと思うんですけど。スライドを作られる事を期待しているケースが多いので、そういう場合はスライドを作るんですけど、そうなると僕のメタファーとしてはテレビみたいに一方的に情報を垂れ流す装置になってしまう。一方的に。それ、この辺の所がまさにテレビになるというイメージですね。 男性:ゴールという言い方をすると、どっかに到達しないといけないという感じになるんですけど、同じ言い方で目標という言い方をすると、どっかに到達する事が目標ではなくて、そこを探索するというか・・・ 西尾:なるほど。 男性:広く見てみようというか・・・。 西尾:そうですね。 男性:面積として考えるみたいな。 西尾:なるほど。 男性:目標として見えるんじゃないかなと思います。

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西尾:それすごく面白い切り口で。目標というと到達する事が目的のメタファーで、そこに到達するっていう事が目的になっているわけですけど。例えばハイキングに行った時に、ハイキングコースを時間内に走り切って戻ってくる事が目的かというとそうじゃなくて、山に登ろうと思って山の途中の中腹辺りですごく良い感じの川があって、その川で遊んでいるうちにだんだん日が落ちてきたからじゃあ登らないで戻ろうかみたいな感じで帰ってきた時に最終的にハッピーだったらそれでいいわけですよね。そこで時間が残り少ないから大急ぎで山の上まで登って降りてこないと。っとなるのはおかしい事で。ハイキングって目的としては、予定した経路を辿る事ではなく、過程を楽しむこと、もしくは周りを見て良い景色を見るとか、見る事ですよね。 ハイキングの目的は?というと、景色を楽しむ事。その関係性にとてもよく似ているのかなと思って。コースを定めてないハイキングなわけですね。山を登らないで降りて来る。

  • ここで「ハイキング」という言葉が無意識に出ている
  • エンジニアの知的生産術 p.128「登山型の本とハイキング型の本」で「ハイキング型の読書は山の頂上に到達することが目的ではなく景色を楽しむことが主眼だ」という話を紹介している。

一旦戻りましょうか。戻って大丈夫でしょうか。何かご質問とかツッコミがある方いらっしゃいますでしょうか。レールのメタファーという話はしました。連想のネットワークという話をしていなかった。このハイキングのコースとよく似ているんですけど。これ地図ですね。ある情報があって別の情報があって、これとこれとが連想でつながっているわけなんです。これそれぞれの情報です。さっきの目標と目的というのはよく似ている言葉で、でもちょっと違うよねっていう。山登りのコースをちゃんと行って上がってくるかってまた別の話でその2つは関連してるけど同じものではない。連想が繋がって色々な話をしているのって、まさにハイキングコースで歩いていて何か興味深い物があったのでそちらに進んでいくっていうのと、連想を辿っていくというのはすごくよく似ているっていう連想なんです。 アナロジーなんですけど。ハイキングっていうキーワードは予定していなかったので、まさにこの場で生成されているんです。まさにハイキングと連想というのは、この間に似た構造がある。つまりこれアナロジーの関係があると。このアナロジーの関係を辿っていく事で、おもしろい物が色々と生まれてくるわけですね。 アナロジーの話、掘り下げましょうか。MOT的な意味でアナロジーな話を。 Developing Innovation Based on Analogyという論文がありまして。これどういう物かといいますと・・・。

立川:皆さんアナロジーっていう言葉大丈夫ですか?アナロジーってどういう意味って実はちょっとわからない方もいるかと想像したんですけど。アナロジーとは? 西尾:アナロジーとは何かの説明がなくてもいいよって人?半分くらいの・・・じゃあアナロジーの説明をしましょう。アナロジーの説明ってなかなか意外と難しいですけれども。 例えば、ある商品の値段が上がります。この現象と、凧揚げの凧が揚がるという現象。これ論理的には何の関係もないです。客観的な論理的な関連性というのは全くないんですけど。 この間に、あれ?これ似ているのではないかという、主観的な類似性を見出す事ができる。まず関係はないと。ないんだけど、あえて商品の値段があがるのと、凧上げのタコが揚がるのの間に主観的に関係を見出したとするとどうなるかと。例え話としてですね。これ主観なので、客観的な正解とかないので、あえて見出すとしたら何が言えるだろうと考えるわけです。 これ、主観的に自分だったら、凧が上がる時に何が起こっているだろうなとか考えるわけです。 凧が揚がる時には風が吹く。風の力で凧が揚がる。じゃあ、その風に相当する物はこちらでは何なんだ。商品の値段が上がる事に寄与する風というフワッと吹くものは一体何だろうといった時に、これは客の注目かなみたいな事を思うんです。じゃあ風が吹いて凧が揚がっている事を、皆さんイメージしていただいて、その時にどんな事が他に起こるだろうか。風が吹く前とか後とかにどんな事が起こるだろう。 例えばこれ本当に主観的なんで正解なんか何もないんですよ。皆さんどういう正解を出せばいいんだろうっていう気持ちになってしまうかもしれないですけど。これアナロジーって主観的なので、僕の子供の時の記憶だと思うですけど、風が強いせいで凧の糸が切れて飛んでいってしまった。みたいな事があったとする。風が強すぎてですね。 じゃあ凧挙げの凧の風が強すぎて凧が飛んでいってしまうという現象は、こちらの世界に戻したときに一体何を意味するんだろうかと。客の注目が強すぎて、商品の値段が・・・ちぎれて飛んでいくというのは、一体商品でいうとこの何なんだろうと。 男性:プレミア価格? 西尾:プレミア価格がついてしまうとか。そうですね。とか、商品の供給が追い付かなくなってしまうとか。そういう風な悪い事が起こりうるわけですね。客の注目が強すぎる事によって。 みたいな感じの、この連想をつないでいって、物事を発展させていく。これすごく主観的なので、人によって導かれる物って違うんです。でも、この研究ではどういう風な事をしているかというと、エンジニリングのコンサルティング企業の中で新しい物を作るっていう物作りにおいて、頻繁にアナロジーが使われていて16人に対してインタビューしたうちの12人は頻繁にアナロジーを使うと言っていて、色々なアナロジーで作られた製品と、その製品がどういう風な関係があったかというのを研究しているのがこの論文なんですが、アナロジーが全然似ていない分野とのアナロジーを使った方がソリューションの真偽性が高い。ソリューションの真偽性とアナロジーの距離の間に相関がある。一方プロジェクトの期間とは負の相関がある。つまり遠いアナロジーを使った方がプロジェクト期間が悪くなってしまうわけですね。という、細かい論文の話はおいといて。 こういう風な感じに、新しい物を生み出す時にアナロジーは使われているし、使うというようなんです。で、今回この連想のネットワークという話をしたんですけれども、何らかのきっかけとか話している事とか連想を繋いで、繋いで繋いで辿っていって辿っていって、ハイキングコースってウロウロ彷徨いながらあっちに面白い花があるぞ、綺麗な花があるぞ。あっちに行ってみようみたいな感じで、うろつき回って連想を紡いでいく。このプロセス自体っていうのが、が新しい知識を生み出す上での良いキッカケ良い方法の1つだと思うんですね。 まさに今回ハイキングっていうキーワードは予定していた僕の箇条書きにはハイキングという言葉はなかったわけなです。 なぜ出てきたかもう忘れたんですけども、何かのタイミングでハイキングの話に・・・あぁそうか線路の話をしていて、線路だと花があってもそっちに行けないよねっていう話になって、飛行機になって、飛行機はゴールに導いてくれるとけどという話になって。そこで、ゴールに行くというのは目標。最終的に行き着く場所が1個に決まっているという、で1個に決まっているという話からこの話になったんですね。この話というのは、1個のゴールが決まっていると面白い方向に進んでいった時に、そこからまたゴールに行かなきゃいけないという制約が辛いという話でした。 そこからハイキングの話にいつの間にかなったんですね。この辺にキレイな花が咲いていると。 というわけで、今回これをハイキングに例えるというメタファーがまさにこの場で今、知的生産されたんですよ。 で、次僕が何らかのコラムを書くときによし!じゃあ、これをハイキングに例えた文章を書こうっていうと書くと、そしたら2ヵ月後くらいには、こんな感じの物が生まれるかもしれないと。

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なぜ授業に資料を用意してはいけないのかみたいな。(笑)で、レールを用意しておくと、時間内にそのレールの通りに進まければいけないという風になってしまうで、そうした時に話している最中に例えば聞いている人のフィードバックで、じゃあそれはこうこうこういう事でみたいな新しい方向に進んでいくという事はレールを用意していたらできない。なので、そうすると対話型の授業には絶対ならなくて一方的にこちらの情報をそちらに送り出すだけのテレビを見るみたいなそういう授業になってしまう。そんなものは授業ではないなぜかというと体育のアナロジーが出てきましたけども、それだと皆さんが授業に参加するという事ができないわけですよね。 という風な感じの事を等々と2ページくらい書くと、僕は原稿料がもらえると。(笑)知的生産が価値に変わると。予定したレールに今ちょっと戻ったんですけど、説明しようとして初めて言語化されるという事がとてもよくあって。 自分でこういう事話そう、ああいう事話そうと思っているよりも他人から帰ってきたボールに対して、それはこうだよ。という風に投げ返す時の方がすごく効率よく物が生産されるんですよね。それは一体何でなんでしょうかね。 この前、立川さんと一緒に道を歩きながら。あれ何で歩いてたかもう忘れましたけどなんかこう、1駅かそれくらいのすごい長距離を2人で歩きながら話をしていたんですけれども、1人で考えているよりも2人で考えている方がなぜか効率が良い。お互いにこうこうこんな事を考えているんですよ。って言ってそれは、こうこうこういう事じゃないですかという話をしている。その話の会話がすごく生産的で、なんでこれこんなに生産的なんだろうなっていう話をしたんですけれども。やっぱり考えのキッカケになる刺激って外から入ってくるっていうのが大事なのかなと思うんです。なので、皆さんもよくある授業、講義って一方的に情報が入ってきて自分が考える暇がないんですね。 なぜなら、凄い情報が早いスピードで入ってくる。逆にそういうスタイルの授業を僕がしてしまうと、僕も一的に話すだけで皆さんからのフィードバックが入ってくる余地がないんですね。なぜかというと、例えば1時間の授業に合わせた1時間の授業分のスライドを用意して、それを時間内に話さなければいけないと思っていると余裕がない。 で、今回ですね、僕の用意しているレールこんだけしかないんですよ。一番下は次回のアナウンスなのであとこんだけしかないんですよ。あと何分あるんでしたっけ?立川さん。 立川:あと90分弱。 西尾:あと90分あるんですよ。これは大変だぁ。これは大変だという。 西尾:なので、ぜひ会場の皆さんからのボールがないと僕本当に辛くなるんですね。 という事がわかっていただけたかなと思いますが。そういう風な形でキャッチボールしながら、その過程で知識っていうのが作られていく。で、授業は体育っていうのは、やっぱり先生が前でバスケットボールのシュートばっかりしてとか壁にボール投げて跳ね返ってくるのを受けてっていう、こういう壁打ちを見ていてもそれは体育ではなくて、お互いに僕と皆さんの間であったり皆さんと皆さんの間でボールを投げてキャッチして、それを投げ返してという事をやっていただいて初めて体育になるんじゃないのかなと思っているわけです。 というのがこの授業のチャレンジングな実験の一環で、うまくいくか、いかないかというのも毎回チャレンジなんですけども、そんな事をやっております。 西尾:はい。じゃあ質問のある方。ボールをここで投げていただける方、どなたかいらっしゃるでしょうか。 男性:先程、アナロジーとイノベーションって話がありましたけど、少しサンプルみたいなのはありますか? 西尾:そのサンプルを話そうとし始めると、この論文を開いてという話になってしまって、で、今ここに論文貼っていないのですぐに出せないんですけれども。 この論文はどういう物かというと、例えばですね、壁に吸着する製品を作るのにヤモリの足の吸盤の構造を真似して使うであるとか、そういう風な自然界にある色々な物の形をアナロジー真似をして別の物を作るというような感じの。僕が覚えているのはそのイモリの例だけで残り17個が何だったかちょっと覚えていないんですが、そんな感じの物なので、是非ご興味があれば、論文を読んでいただけると良いかなと思います。 この論文自体は、アナロジーの距離っていうのは何か関係するんだろうかというのを研究した論文です、アナロジー自体が使われているのは前から知られていた事です。 男性:西尾先生自身はソフトウェアの開発とかでアナロジーを使うことがありますか? 西尾:ソフトウェアの開発でのアナロジーというと、最近知的生産を支援するプログラムを作るっていうのを考えていた時に。そもそも赤ちゃんが育つ過程のところと同じなんだから、同じ様にすればいいんじゃないだろうかと考えていて。指差しかな・・・・。赤ちゃんって発達過程でまずワーワーワーとか、そういう風な事を言うところから始まって、ここですね。発達過程っていうのはまず泣いて不快を表現するの次にクーみたいな感じで心地よいっていう感じを表現するのがあった後、次に指差してソレみたいな感じで物を指し示すという所が生まれた後ムニャムニャ声を出しはじめて、一語文を話し出して二語文を話出してという過程で進んでいくんですけど。 今、検索エンジンって指差しだと思うんです。唐突すぎた(笑)唐突すぎた(笑)

男性:どういう事ですか? 西尾:赤ちゃんという知的存在は指差しによって、現実世界にある物へのポインターを伝えているわけですね。で、検索エンジンっていうのは何かのキーワードとかの刺激が入ってきた時に刺激に対してそれはあそこにあるよという風にリンクを返すソフトウェアなわけですね。 これって要するに指差しなんじゃないかと。という事は、指差しをする検索エンジンの仕組みがより発展していったときに、次に一語文が出るようになり、二語文が出るようになり最終的に文章を作って質問に対して文章が返ってくるようになるという、そういう発達過程を含むのではないだろうかみたいな事を考えていまして。 だったら、チャットボットってあるんですけどね。人間が入力した文章に対して文章を返してくるそういうプログラム、チャットボットっていうんですけど、チャットボットってだいたいテンプレート文章を返すかもしくは、文章を生成して返すかなん2つのアプローチが強いんですがそうじゃなくて。指差し、差し示しを返してくると良いんじゃないかと。じゃあ指し示しを返してくるって一体何だろうって考えた時に。既存の書籍の一説を引用してきて、その文章を丸ごと出してきて、で、その文章は実はこの本のこの場所にあるよとそういう情報を指し示して返してくる、そういう風なチャットボットがあると面白いんじゃないかみたいな事を。 すみません。あの、唐突すぎますよね。割と唐突な話すぎて何だったかな。 書籍をチャットボット化したら面白いのではないかと。川喜田二郎の著書を読ませると川喜田二郎の本の中の文章を話かけてくるボットになるという。 そのボットというのは、キーワードに対応して出力するという仕組みにしておけば、新しい文章を生成しているわけじゃないんだけれども、川喜田二郎の本を読ませて学習させたチャットボットは川喜田二郎の言葉を喋ると。で、福沢諭吉の文章を読ませて学習させたボットは福沢諭吉の言葉を喋る。 この2つをお互いに対話できるようにしておくと、川喜田二郎ボットが話した文章のキーワードに反応して福沢諭吉ボットが何かを返してとやり取りしてるところに、ニーチェボットが割り込んできて、いきなり神は死んだとか言い始めると。多分ね神っていうキーワードが出てくるとすぐにニーチェボットは神は死んだというと思うんでだけれども。そういうのが出来て面白いんじゃないかと。 まだ面白いベースで、どういう実用性があるのかというのはまだ全然あれなんですけど。 そういうのを一体どうすれば実現できるだろうかみたいな感じの事を、今アナロジーでソフトウェア開発した事ありますかって聞かれて真っ先に思いついたのはそれですね。 もうちょっと実用的な例を出しましょうか。でも、アナロジーってすごい主観的なので本当にそうか?みたいな風に思われるそういうアナロジーこそ新しい物を生み出す上で重要なリンクなわけなんですね。 男性:アイコンとかその辺のところでアナロジーというとゴミ箱とか。今意味が皆さん分からないかもしれないけど。フロッピーで保存とか。フロッピーって何だって話だけど・・。 西尾:ファイルを削除する時にゴミ箱にドラッグドロップするとファイルが削除されるっていうのは まさにメタファーだったわけですね。どういうメタファーだったかというと、ファイルを削除した瞬間にファイルがなくなってもう取り出せなくなるっていう実装の方が楽だったんですよ。なんだけれども、ごみ箱に一旦入っていざとなったらゴミ箱を開いたらそっから取り出す事ができるという、完全に削除されるまでに一旦バッファリングされる仕組みというのがゴミ箱というメタファーで実現されたわけです。これアナロジーなわけです。これゴミ箱のアナロジー。 あと例えばマックの、いきなりマックの話というより、皆さん例えば自分がソフトエンジニアかなんらかのエンジニアだったとしてタイムマシンを作れと言われたらどう思います?そんなの出来ないだろって思われると思うんですけれども。 実際そのタイムマシンという言葉で顧客が何を求めているのか聞いてみると、顧客は昨日ファイルをうっかり消してしまったあのファイルを取り戻したい。消してしまったというか上書き保存してしまった。だからあれを取り戻したいだからタイムマシンがあったら過去に戻ってとってこれる。もちろん本当に物理的に過去に戻ってとってくるなんてできないと思うけどそういうタイムマシン的な物があったらいいなって意味で顧客がタイムマシンを作ってくれと言っているかもしれない。 そう聞いてみるとそれってソフトエンジニアの言葉で言うなら、それは自動バックアップの仕組みがあって且つ上書きしたって気づいた時にさかのぼって過去のデータを取り出す事ができるバックアップシステムがあればよいという事ですよね。となる。 これをまさに実現したのがアップルのタイムマシンというソフトウェアです。 アップルのタイムマシンというバックアップシステムというのは、これはiPadだから見せられないんですけど、本当にタイムマシンに入るというボタンを押すとフォルダーの画面がギュインと3Dになってタイムバーがここに出るんで時間軸を遡っていくと過去の状態のファイルっていうのが見れるようになる。 それで過去のファイルをドラッグドロップして現在のところにドロップすると古いバージョンのバックアップが手に入る。 これタイムマシンのアナロジーなんですけど、本当にうまくタイムマシンなんか作れないだろうとエンジニアが思い込みがちな所を本当にタイムマシンを作って見せてある種の顧客にニーズを満たしているという1つの例なんですね。これはとてもうまい例だと思います。タイムマシンの画像とか出るかな?検索したら。 アップルさんはそういう所を頑張るのがすごくうまいんですね。 この画像が大事でフォルダーが過去に向かって時間軸ここにあるんですよ。 現在、今日、2017年9月みたいに。ここのボタンをクリックするともう少し前のフォルダ前のファルダっていう風に遡っていく事ができて、遡っていくとあ!これ上書きする前のファイルはこれだってなった時にこれを復元するってすると過去のファイルが手に入ると。まさにタイムマシンなわけですね。

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男性:未来にはいけない? 西尾:ん?未来には行けない。残念ながら。未来には行けないんですよ。未来に行けたらびっくりですよね。 じゃあ、思考実験をしてみましょう。バックアップシステムとして過去に戻るタイムマシンがあったと。 過去へのタイムマシン。当然タイムマシンというメタファーの空間においては未来へのタイムマシンもあるよねと。じゃあこの未来のタイムマシンって、こっちの情報システムの話に引き戻した時に一体何なんだと。 男性:スケジュール管理とかってどうですか? 西尾:スケジュール管理、なるほど。 男性:コンピューターが期待している状態になれば良い。こうなって欲しいという状態が実現されているとタイムマシンかな 西尾:コンピューターがユーザーが期待した状態になる事ですね。 男性:プログラムでも生身の人間でも良いと思うんですけども、有能な秘書みたいな人が、先回りしてこれ必要なんじゃないの?だから用意しておきました。みたいな状態。 西尾:なるほど。 男性:あ、自分でも気づいてなかったけど確かにこれ必要だわ。とか、これ作ろうと思ってたわ。みたいな物があれば。 西尾:なるほど。3つほど案がでましたこれ面白い話で、アナロジーは主観的な物なので同じ物にならなくて全然良いんですよ。皆それぞれの人が、このアナロジーを引き戻したらどうなるだろうというボールに対してこういうのどうだろうか、こういうのどうだろうか、っていう新しいアイデアが生まれたわけですよね。知的生産が行われているわけなんです。この中でじゃあグループウェアの会社としてどれを実装するのが良いか・・・スケジュール管理って割とニーズがあるのは間違いないんですよ。 未来のこの時点でこうなっていて欲しいと事前にやっておくと、その時刻に実際にそうなる仕組みがあるといいわけですよね。 例えば、未来の例えば明日の6時からこの部屋で会議していますっていうのをスケジュールに登録したら、本当にみんなそこに来ればいいんですよね。で、今の物理的な会議だと皆がスケジュール帳みて、その日にスケジュールが入っているからそこに集まってくるわけなんですけど、ビデオ会議のシステムだったらもうその時間に皆のビデオ会議が立ち上がっていいわけですよね。なので、スケジュールに未来のこの時間に例えば僕と立川さんとあと誰かと誰かがビデオ会議をしていますという未来の事を先に書いてしうと、未来日記を書いてしまうと強制的にその時間になると皆のビデオ会議がスタートするという風なのはある種未来へのタイムマシンみたいな感じの事を考えると、それちょっとおもしろいかもしれない。実際に実装してみたらおもしろいかもしれない。有能な秘書が先回りして作るところもなんかこううまく実装においこめたらいいなと思うんですが。今思いつかないんで申し訳ないけれども。 男性:ある意味行動予測みたいなそれぞれのパターン・・・・ 西尾:なるほど。 立川:そうですね。例えば今ある物だと、Amazonのおすすめ商品とか多分それに近いとおもいますけど。本だと、結構これおもしろそうっていうのをAmazonおすすめしてくれます。 西尾:最近Amazonって、注文があるよりも先にエッジの配送所まで商品送ってくるんですよね。怖いですよね。注文前に発送するんですよ。一部のもちろん予測がつきやすい物に限っているんですけれども、例えばある程度数が出るような、例えば水であるとかオムツであるとか安定してリクエストが来るようなタイプの物だと、そろそを発注があるぞって予想ができるので、それの予想を見越して行動を予測して先に発送を開始してしまうというそういうような事をするんですね。 注文前に発送する仕組みを作ろうなんて思いつくのがすごいなって思うんですけれども、もしかしたら中で未来へのタイムマシンの話をしてたかもしれないですよ。Amazonの中の人も。 アップルの人がきっと過去へのタイムマシンの話をしてあの製品にタイムマシンとい名前をつけたんだろうなというのと似ていて、そういう新しい物を生み出していくところでアナロジーが役に立つ。 男性:先程の今のタイムマシンで、昔のやつが取り出せるというと話になると、 未来のやつっていうのが何かというと、例えば議事録みたいなのが、もうすでに中身はもちろんないんですけど、今日の議題が決まっていたらそこまではあらかじめ埋まっているとか 西尾:未来の議事録が事前にある程度・・・ 男性:つくらなくちゃいけないTo DoリストっていうのがありますよねTo DoリストあるんだけどTo Doリストじゃなくて。そこにやらなくちゃいけない事がフォームとしてどかんと目の前にある。 西尾:そうですね。なんとかのファイルを作らなければいけないとなったら、そのファイルがもうすでに出現しているみたいな形ですね。 男性:埋めなくちゃいけないという所が空いている。 西尾:今そのファイルが皆さんの手元にあるのではなくてグループウェア上にあるとするならば議事録を作る必要があるっていうとタスクと議事録が共有されるスペースが作られるというのは、ほぼイコールなので、書くべき場所が用意されていてあとはここを埋めてくださいという形でタスクが発生するというのは1つの手ですよね。埋めるべき物が・・・ 男性:なんでこれタイムマシンの話になったんでしたっけ? 西尾:なんでタイムマシンの話になったんでしたっけ。アナロジーの説明を。戻ってみると。なんでタイムマシンの話になったかというかと、ソフトウェアにアナロジーを使っている具体例が欲しいと言われて僕があげた具体例がさすがにぶっ飛びすぎていて、会場がドン引きしている様な雰囲気を僕が感じたので(笑)必死になってもうちょっと納得していただけそうなソフトウェアの例を考えたときに思い出したのがアップルのタイムマシンっていうソフトウェアの例だった。これはまさにアナロジーを使っている例という話ですね。 そういう話になった時に、これは過去へのタイムマシンだけれども、過去へのタイムマシンがあるんだったら当然未来へのタイムマシンもあるんではないかと、ここのアナロジーの空間での発展っていうのが起きたんです。これアナロジーの空間なんですけれども。タイムマシンというSF的なメタファーの空間がある、そういうたとえ話の空間があるわけです。 タイムマシンというのを脳内でイメージした時にタイムマシンは過去に行く事が出来ますという話を聞いてタイムマシンだったら未来にもいけるんじゃないかなという風にアナロジーの世界で自然に連想するわけですね。これ連想なわけです。 男性:体育なんですよね。実際にやって見てもらうっていう。 西尾:そうそう。この場でまさにそういう連想が起きて、で、じゃあこのアナロジーの世界で連想で発展した この新しく未来へのタイムマシンというキーワードが出た。じゃあこれをもとの世界に引き戻したらどうなるだろうとこれがアナロジーを使って発展させる。 実際にまさにそれをこの場で皆さんで体験したわけですけどそうすると そうすると例えばスケジュール管理だとかコンピューターが期待した状態になってくれる事だとか、そういう風な色々なアイデアが出てきたわけですね。これが新しいアイデアを生み出すための1つの方法。アナロジーを使って新商品のアイデアを考えるという具体例になっているわけです。こういう風なアイデアが生まれた後そのアイデアを実現にうつすまでに色々と試行錯誤や実験を繰り返して改善していくというプロセスはこの後に必要なんですけども。本当に0から1の一番最初のアイデアの種を生み出すところというのは、このバックアップの話からいきなりここへいけるかというと、これいけないですよね。 例えば今現状としては自動的なバックアップのシステムがあります。新商品のアイデアを考えてください。って言われてこんなアイデアが出てくるかといわれると出てこないです。 そういう風な時に、一旦別の世界に転写して、そのアナロジーの世界、別の世界で連想で広がったものを 引き戻してくる事によって一見遠く見えるわけなんですけども、遠い連想というのが起きると。 まさに今回はすごく体育になりましたね。立川さん。 男性:まったく偶然なんですけども今日3時間くらい会社でタイムマシンを作れるのかって話をちょうどしていて。やっぱり新事業とか考えていた時に切り口としてはこういう考え方出来るのかという感想なんですけども。 西尾:良かったです。そういう運というか、たまたま記憶の中にちょっとに残っていたモワモワモワっとタイムマシン・・・ これ新事業の事を考えられていたので当然未来へのタイムマシンの事を考えられていたわけですよね。それが記憶の片隅に残っていたものがここでフッと出てきたわけですね。 という風な感じで、アナロジーの実例をここまで広がったのは僕としてもアドリブでこの場で広げる事が出来たのは初めての経験でとても面白かったです。

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立川:一旦なんでアナロジーという言葉を前提として何かを説明しようとしていたと思うんですけども。そこから僕がアナロジーという言葉をそのまま使っていいんでしょうか?って話をしたら、そこからアナロジーの事がドーーっと深くいったんですけど。そもそもアナロジーという言葉を使って何を説明されようとしていたんでしたっけ? 西尾:それ忘れました。ちょっと今思い出すんで。今こう歩いてきてアナロジーという面白い花畑があって・・・今こう行ったところなんですよ。今ここで何を話そうとしていたかを今ちょっと思い出すんで少々お待ちください。 立川:確かありましたよね。 西尾:何か話そうとしていてアナロジーの花畑が面白すぎて今ここですごい走り回ったところなんですけれども。 男性:西尾先生の本に発想を飛躍させる話があった。 西尾:そういう話。タイムマシンの話、本に書きましたっけ?ちょっと覚えてないんですけど。 男性:その知的生産術の結果を今の議論の途中でこの時点でいくとあなた方の議論というのはここにいきつくでしょうみたいな。結果として示す、今までの兆候から出すような事があればそれは面白いなとか思ったんですけど 西尾:未来のタイムマシンとしてって事ですね 男性:今の所議論を始めてこういう目標を掲げました。今のところこういう議論をしていてまだアナロジーとか全然できていない。なのに皆あぁだこうだと出している。そこの情報から行き着く可能性のある結論、こんな所に行くでしょうみたいな情報があれば面白いなと 西尾:そういう事が出来るソフトウェアシステムがあったら面白いですね。 男性:この調子でそれていってしまっています。話が。とんでもない方向に話がいっちゃうとかいうのも、こんな風になるんだと見れたらすごく面白い。 西尾:それはすごい面白いですけど、どうやって実現したらいいかは、でもブレストの時にどうやって実現するか考えちゃいけないとよく言われますから、それは面白アイデアの1つとしてまず受け止めておきます。 そうですよね、話が反れている事が可視化されて且つこの方向でそれていた時にこんな所に到着するかもしれませんよという案が出てくるシステムがあると面白いですよね。 エンジニアの知的生産術の6章3-5にタイムマシンをつくれという話がありますね。実はこれ開いたついでに言いますと、スクラップボックスに各章を断片化して全部入れたというスクラップボックスが実はあります。なので、便利。 これこういう形でネット上に置くのを出版社はとても嫌がっていまして。で、今まさにそういうのを承諾する条件とか出版社と議論している所なんですけど。 本を持っている人にだったら共有したからと言って売り上げ下がらないですよね。という主張していて、本を持っている人だったらいいですよ。でも、その本を持っているかどうかってどうやって検証するつもりなんですかって出版社が言ってきたので、まぁどうやって検証するかは追々色々考えるとして、少なくとも実物持っている事を僕が視認したりとか、例えば写真と名刺のセットで送ってもらうとかそういう形で確かに本持っているよね。って人はここのグループで共有してもいいですよね。という話をまさに出版社としているとこなので、この中でご興味がある方がいれば、あとで本を持っているぞという証拠を是非見せて頂ければここにインバイトしますので是非後で教えて下さい。 男性:検索とかあればめっちゃ便利ですよね。 西尾:これ検索できるし、あとこれ節ごとに切ってあるので、その節に貼られている画像がここのところに出るんですよね。アナロジーの話がまさにここにありまして。課題の空間からメタファーの空間に対応づけ、これがアナロジーで、そのメタファーの空間で連想した物をアナロジーで元の課題の空間に戻してくるという事によって新しい発展というのが起きるんだみたいな事が、これがどこに書いてあるかというと6条の2-4-1に書いてあるはずと。ていう事がわかると。 立川:皆さん、何か質問ありますか?じゃあ僕いいですか?素朴な疑問なんですけど、脱線お好きじゃないですか? 西尾:脱線がお好きじゃないですか?まぁ脱線が好きだという事にしておきましょう 立川:本何冊目でしたか? 西尾:4冊目かな。 立川:4冊目ですよね。4冊本を書くって、結構な大変な事ですよね? 西尾:大変です。 立川:本を書く時って知識をすごく出したあとに整理をしないといけないと、想像するに。どうやって整理してんのかなと思って。 西尾:それはねつらいですね。 立川:要するに質問の全部に鍵括弧つきで「整理が不得意そうなのに、うまく出来ているのはどうして?」っていう。 西尾:脱線が好きで整理が苦手そうなのになぜ情報を整理して本にすることができるか、と。このリアルタイムな場で脱線するのと、1人で閉じこもって執筆している時に整理するのは別のアクティビティというか、別の心の状態だと思うんですね。それは・・・整理で検索したら出てくるかな?自分が覚えていないので。 立川:その事を聞く事によって例えば今日ご参加頂いた皆さんが今日聞いた事を自分なりに咀嚼して血肉にするっていうプロセスの手がかりになるんじゃないかなと思って質問しました。 西尾:まずは書き出し、それを並べるって本に書いてあるんですけども。そうですね。まず書き出すんですね。 で、書き出してそれを一覧できるようにして、それを見ながらまとめていくという事が本に書いてあるんですけどそれの実例の画像がこれは枚数全然少ないですけれども、思いついた事をまずバァーっと書いた後これとこれは関係しているんだなとまとめていって、それをその後、文章になってみたいな感じの事をしていますね。えっと良い例があるかな。付箋に書き出してそれを整理するという事をよくやっています。KJ法ですね。いわゆる。これは試しに紙フォルダーで試してみたバージョンで、あんまりうまくいかなかったのでお勧めはしないんですけれども。 これはICTと社会と書いてあるのでこれは僕が3月ぐらいに東大でやった授業をどういう風な授業を、1時間か何かの授業を用意しないといけないという時に、どんな話をしようかなというのを思いついた事を付箋にズラズラと書いていて、それを整理していて、スライドにまとめる過程で試したのがこれです これは、A3の厚紙を使って試したんですけれどもA3、1枚では1回の授業分には全然スペース足りないという事がわかったのでもっと広いスペースが必要だなと思いました。 このフォルダーでKJ法で作られたものがどうなったかというと。これ東京大学の経済学部で話してくれと言われまして。 話す内容のスライドをウーンウーン言いながらひねり出すという。 なぜかというと経済学部の学生さんって僕の今までの話してきた聴衆とはまた毛色が違うので毎回違うタイプの人に対してどう話すかっていうのを悩むんですね。どんな事を話すかっていうのをザーっと書きだした後それを並べたスライドが最後までいくと、122ページあるなという事が今わかったんですが。 そんな感じの事を先程の付箋を作って整理していくというのをやりました。っていう感じですね。 男性:このスクラップボックスの1つ1つが付箋1つ1つみたいなそんなイメージですか? 西尾:最初にスクラップボックスを使い始めたとき、そのつもりだったんですけど、それはフィットしないという事がわかりました。なぜかっていうと、良いページを思い出したのでちょっと待ってください。なぜかというとですね、付箋に書かれる情報の粒度とスクラップボックスに書かれる情報の粒度がだいぶ違うんです。これさっきチラッと見せたこれなんですけれども、付箋に何を書くかっていう話をエンジニアの生産術に実は書いてなかった事に出版した後に気づいて 付箋に書かれる情報の粒度ってどれくらいの物かってイメージ沸きにくいんじゃないかなと思って 補足として考えた物がこれなんですけど。付箋って本当に単語とか短文とか、でも思い悩むくらいならまず書くってこの付箋には書いてあるんです。そんな感じのあと絵であるとかグラフであるとかそういう風な感じの粒度を少なくとも僕は書いています。例えば長文、本当に1枚で書くって、付箋の下にもっと小さい単位が良いってこの2枚目の付箋が張り付いてる状態なんですね。 こんな感じの粒度で僕はこの付箋を使っています。それってスクラップボックスのこのページで見た時に1行なんです。 これの1行に相当するんです。で、このスクラップボックスのこういうウィキ的なページってタイトルがあってコンテンツがあるので、各1枚1枚の付箋相当の物に対してタイトルを考えないといけないというのは、僕には粒度がマッチしていないように感じる。 この1つのページというのは、やっぱりノートの1ページというかある程度のボリュームのある塊なんですね。 で、これにすごく今関係のある事、今連想で思い出したつつあるのでちょっと紹介しますけど 情報カードっていうのを使われる方がいますよね。情報カードとは、どういうものかというと、1969年に梅棹忠夫が知的生産の技術という本で紹介した京大式情報カード。こういう風な感じの物なんですけれども。 これたくさんの文章が書けそうですよね。さっきの僕が扱っている小さい付箋に比べるとたくさんの情報が書けそう。 で、これを梅棹さんはなんて言ったかというと小さいカードではどうしても覚書になってしまう。本格的なノートの代わりには使えない。だからB6サイズのカードを使うんだって言っているんですね。つまりこれは何を言っているかというと本格的なノートの代わりとして使うという事は前提なんです。 つまり情報をストックする場所という事ですね。一方で実はこの人はB8サイズのもっと小さいカードも実は使っているんですよ。それは全然話題になっていないし、忘れ去られているんですけど、こざねというB8サイズの紙を何かの裏紙とかチョキチョキ切って作った小さい紙を用意していて、これをストックするのではなく、使い捨てる目的で使っているんですね。 彼が本に書いてあるのを見ていると、これ僕の付箋ってこっちじゃないのと。 つまり情報カードは情報をストックしておく場所としてある程度まとまった物が書かれている。一方でアイデアを練る新しい文章を作る時に、思いついた事、細かい断片を全部書いて並べてからそれをまとめていって文章を紡ぐっていう目的に使うのはこの小さいカードなんですね。 彼もそういうのを使っている。小さいカードを束ねて並べて文章にする。これをまとめてこういう流れの文章 にしようと思ったら例えば情報カードに書くのか本に書くのか原稿用紙に書くのかをした後、この紙はくしゃくしゃポイって捨てるらしいんですけれども。ストックするのではなく、紡ぎだす過程で道具とし使うカードが別途あるわけですね。 この2つを使い分けているっていうところの方が実はすごく面白いポイントであって情報カードの方ばっかり知名度が上がって、なぜかというと、こういう小さい紙を作ってもなかなか売れないからなんですね。 これ69年ってさっき確か言ったと思うんですけれども、まだポストイットが発明されていないんです。 3Mが剥がせる糊を発明してポストイットを作るのが、何年だったか多分本に書いてあるんですけども。 3Mで検索したらヒットするかなぁ。1980年発売開始。つまりそれくらいの時期なんです。 なので、川喜田二郎がKJ法を提案したりとか、梅棹忠夫がさっきのこざね法とか情報カードを提案していた時代っていうのはまだ裏に糊がついているポストイット発明されていないんです。 それが発明されて新しい技術的進歩があったんだから、知的生産の方法自体もその新しい技術を使った物にアップデートされるべきなんです。で、今僕、紙を使った知的生産を今自分は使っていてそれを説明してますけど、もっとデジタル化されるべきだと本当は思っていて、それでですね、ちょうど良い隣にタブがあった。ちょうど今これ作っているんですよ。

付箋をデジタルで書く事が出来て動かす事が出来て、今iPadという素晴らしい物があるので、いくらでもズームが出来るしいくらでもズームアウトして、たくさん並べても大丈夫っていう、そういう風な物が出来るはずだと。しかもアップルペンシルというペン状のスラスラ書けるデバイスがあるので、これで付箋にスラスラに書く事が出来たらもうバッチリじゃないかと。いうのを今作っているんですけど、これまだドラグがバグっていて動かないんですよ。まだ全然完成していないですけども。こういうのが出来たらいいなと思って作っている最中です。さぁ脱線しすぎて、どこに戻ったらいいかわからなくなりましたけれども。 男性:KJ法はポストイットの前なんですね 西尾:KJ法はポストイットの前です。70年代ですね 男性:今KJ法ってポストイットでやるじゃないですか、誰が始めたのかなと思って 西尾:KJ法にポストイットを使いだしたのが誰かって事ですね。 男性:誰かっていうか、もう誰かわかんなくなっているかもしれませんけど・・・ 西尾:それはかなり難しい話で、僕の妻が僕よりも3歳若いんですけど、彼女が大学の頃にデザイン系の大学で授業でポストイットを使ってKJ法をやっていたらしいので。90年代だと思うんですけどその時期にはポストイットが使われるようにはなっていたみたいです。 男性:あんまり、私が考えたんだと大きな声で言う人いないですよね。 西尾:そうですね。 男性:ちょっとそういうのが不思議かなと思って。 西尾:私がポストイットを使って始めたんだって主張してる人っていないですよね。意外と。確かに。確かにそうですね。 今まで色々調べてきましたけど私がポストイットでKJ法を始めたんだって言ってる人、見たことないですね。なので、誰がオリジナルかはわからないですが、よく使われていますね。 KJ法の話をして、こざね法の話をした。なんでそうなったかというと、スクラップボックスのノート1ページはKJ法の付箋より大きい単位だと。それで情報カードの話をして、B6の情報カードとB8のこざねというのを梅棹さんは使っていましたよという話をして、こういう風になったと。 なんでKJ法の話になったかというと、それはどうやってまとめているんですかという質問があったから。 このどうやってまとめるの話、結論としては、書き出して一覧できるようにして、眺めると。 思いついた事をまず、どんどん書き出すと、で、一覧できるようにすると。そして眺めると。 眺めて関連しそうな物を近くに動かしていくっていう事をして、グループを作っていくわけですね。 という様な事をやってまとめています。で、それは1人でやっています。他人が刺激するといつまで経ってももとまらないので。それは1人で静かに黙々と作業しています。

立川:素朴に感想なんですけど、面白いなと思って。考えるとか、まとめるって想像すると頭の中で完結する作業であるように思うんですけど、実はそんなの全然なくて、手を動かしてやっているという事が。 それがすごく面白いなと思って。考えてみようと言った時に手を動かすというのを当然の事として進めていくって結構重要なのかなって今日話を聞いていて思いました。 西尾:手を動かしているのがおもしろいと。なるほど。逆に頭の中だけで考えろ。って言われたら、考えてる最中からどんどん消えていかないですか? 立川:と思うんですけど、結構頭の中だけで考えてしまう人が多いと思います。自分も意識しないと、そういう風にしてしまうってのはよくあるなと 西尾:これ、僕が前にとある高校で説明したときには、暗算とひっ算どちらが楽かと説明するんです。ひっ算の方が楽ですよね。暗算より。そろばんにすごく上達している人は別かもしれないですけど。 なぜかというと覚えておかなくていいからです。 立川:考えようと、精査しようと思った時に、頭の中だけでやるんじゃなくて、手を動かして体を動かすという事を含めて考えるという行為なんだよというのは、もっと一般的に知られてもいいんじゃないかなと思います。 西尾:なるほど。体を動かす事なんですかね。僕的には消えない形になっているので覚えておかなくてよくなるっていうのがまず肩の荷を下ろしている感じがあって。 その分考える事に集中できている気がしますけど、でも確かに言語化できていないけど実際に動かしてみてそれから、これってこういう事だったんだってなる事って確かにあるかもしれないですね。 立川:先程、2人で歩いている時に対話しながら考えていくと色々良いアイデアが生まれるって話を紹介してもらいましたけど、座って喋ってるよりも道を歩きながら、会話をする方が出やすいような気が感覚的にしていてですね。もしかしたらそれも考えるという行為に含まれるのかなって。道を歩くというのが。そういう事を思いました。 男性:そこで話した事はどこかに書き留めているんですか? 西尾:それやばいですよね。どんどん消えていってしまいますよね。あの時に話した事が何だったかわからないので、そこの話でこんな事が生まれましたって事例があげられないです。あの時に録音をスタートするべきだったんですよ。 立川:何か話ましたよね(笑) 西尾:そう。その時に話した事の中で一番大事な事は1人ではなく2人っていう話をしたんですよね。これじゃない気がするな・・・ 男性:2人っていうのは、1つは書く事の代わりにみたいな事があるかも。自分が言った事を相手がまた言ってくれる。1人で考えて一旦出しちゃって、また次の事を考えるみたいな。 西尾:そうですね。出してしまうと。必然的にアウトプットが伴うんですよ。お互い話すという事は。 男性:1人で考えるより2人の方が進むというのは、ある種大きなタスクを進める時に小さなタスクに分割して進めると進めやすいっていうのと似たようなもので、小さな単位で答えを出していけるからなんじゃないかと思うんです。感想です。 西尾:大きなタスク、小さなタスクを。それはすごく面白い切り口だと思います。 何かアイデアを思いつかなきゃっていって、1人で考えてる時ってすごく大きな相手が思いつくっていう、遠くて曖昧なゴールに向かって進んじゃっているんですよね。 これをもし、2人で話そうとすると、一度に話せる事って限界があるので今こういう事を考えているんだとか ここまでは考えているけど、ここが上手くいっていないみたいな感じの小さい単位の箱に切り分けられてアウトプットする。そうか、言葉で話す時に必然的に一定の時間内でアウトプットできるように制限があるので、必然的に何らかの形で小さく切りとらないといけなくて、重要な所から切り取って出していってという風になって、しかも大概道を2人で歩いている時って片方が1時間喋っているのをじっくり聞いてからお返事したりとかはしないので、喋って息切れて、歩いているから息も切れて息継ぎしている間にそれに対する返答が返ってくるので、タスクが小さく切り取られるわけですね。それは確かに歩いている時ならでは、というか。話しているとそうなりますよね。 男性:2人で。っていった時に、自分の大きなモヤモヤっとした物って言葉に出せないじゃないですか。 言葉に切り取るためには小さくしなくちゃいけないという事が今おっしゃった事かなと思います。小さくしないと理解もできない。 西尾:そうなんですね。耳から聞いて理解できるような情報の単位ってそれはそれなりで小さくないといけないわけですもんね。本1冊分の情報をバーッと喋る事は出来ないし、ワーっと聞いて理解する事も出来ないので、必然的に言葉にするという事はイコール小さくするという事なんですねなるほど。すごく参考になりました。ありがとうございます。 男性:この話をさらにちょっと続けてみたいと思っていて。お互いアウトプットがという所で、この図を見てあっと思った事があって。脳みそは中でネットワークで繋がって電気信号でやり取りしていますってのがありますけど。 これ左の人の脳みそを脳みそAとして右の人を脳みそBと考えると、この2人の脳みそが合わさった過疎脳みそCみたいな物ここに見えているなと思って、つまるとAからBのアウトプットはBにとってみればインプットなんですね。要するにアウトプットはインプットよりインプットはアウトプットがある 状況があると思っていて。脳みそって意外と人間は言葉を使って自分の考えている事を言語化する能力を得た時に脳みそを接続する能力を得たのかなと今これを見て思ったんです。 西尾:なるほど。言葉を得た事で。 男性:言葉だったり、言葉自体も伝える手段なのかなと思うんですけど。だから人間は協力とかできるようになって1人では辿り着けないような高い境地まで辿り着けますと。 西尾:そういう意味でいうと、言葉が出来た事によって人間という種族の歴史の古い段階で何が起きたかっていうと、頭の良い人が1人いてこれが巫女だったりとか周長だったりとかそういう形になって、色々な言葉を伝える事によってこの人の指示に従って、手足のように他の若い衆が動くことによって、物理的な力としては例えば歳をとって弱まったっているけれども、知識はたくさんあるみたいな。要は長老ですね。長老が若手を動かす1つの軍隊としての生き物として脳が接続されて動くようになったわけですね。これは1つの進歩だったわけですね。 男性:自分は逆にすごい注目していて。長老から色々言葉であれやれ、これやれと言われると若手の中には長老なんでこんな事を言ったんだろうとか、長老はこういう意図があってこういう事を言ってきているのかと学習するやつが出てくると思うんです。いざ長老がいなくなった時に長老を考えられる奴が若手の中から出てくるとも思うんです。 西尾:なるほど。 男性:社会ってそういう風にできているじゃないですか。 西尾:なるほど。 男性:若手は長老から受け取った知識を生かしつつ自分なりにアレンジする。人間のIQって時代と共にどんどん上がっているんですよね。昔の人のIQはすごく低いので。この場で長老ですけど、長老でも良いですし、賢い人知識をより多く持った人とか考えるとそういう人が、彼らの話を色々聞く事によって若手、聞いている側としてはすごく学べる。例えば今日のこういう場も、それに近いような気がしています。という感想です。 西尾:なるほど、そうですね。やっぱり言われた通りに動いているだけの人って長老みたいに考えるようにはならないですよね。 なぜ長老はそう言ったのかと、このなぜを考える事ってすごく、これを考える事で将来的に長老的に考えられるようになる。この「長老的に」とは何なんでしょうね。 男性:コミュニティの全体で見た時のIQというか何ていう言葉が適切なんですかね。コミュニティ全体で見た時のIQですかね。 西尾:なるほど。 男性:この会社の人達って皆賢いとかこの会社の人達って全体的にイマイチいけてないなとかってあるじゃないですか。あれってコミュニティ全体として見た時のIQだと思うんです。 西尾:なるほど。そのコミュニティ全体としてみた時のIQを高めるようなソフトウェアを作るのがグループウェアを作る会社の目標ですね。 男性:経営者はそこをすごく意識していると思います。日ごろから。自分の会社全体のIQをどう高めていけばいいのかというのを皆考えているとおもうので。ここにいる皆さんもマネージャーとして部署のそういうのをどう高めていくのかって考えていると思います。 西尾:どうやったら高めていけるんでしょうね。 男性:その糸口がこういう場にありそうだなって思ってます。 西尾:あるといいですね。ここで生まれた物によって皆がハッピーになればこの回をやって良かったという風に事後的に分かるはず。さて、会場から他にご質問とかなければ話をどこからここに来たのかもう1回思い出してみようかなと思っていますが。ちなみにあと何分残っているんですか?

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立川:あと20分くらいにしましょうか。 西尾:あと20分。意外と1時間くらい脱線して走りまわってるわけですね。 男性:ちょっと付箋と対話というところから思考によって価値が生まれるという所から考えたんですけど、 ある人が頭をつかって何か価値を生み出すっていうのはインプットがあってそれに対して自分で考えて少し 価値を高めた状態でアウトプットして、それを如何に積み上げていくっていう所が勝負かなと思っていて。 付箋に書くとか対話するって自分はそれに近い形かなと思って。付箋に書く事によって自分の思いついた事をアウトプットとして出す。それを視覚化する事によってもう一回自分でインプットとして食う、そこが付箋書くところ。自分の頭の中で考えるとインプットとアウトプットがいつの間にか混ざってしまって、その上に上手く積み上げられないって事があるのかと。対話って特に1対1の場合、自分がアウトプットした事に対して相手がそれをインプットとして食って頭使ってアウトプットで返してくる。またそれを食って自分がインプットしてアウトプットするという付箋のような作業を使う事によってそれをうまく積み上げられるという意味において、小さい付箋ぐらいの単位でのインプット・アウトプットっていうのを積み上げていくっていうのが結構ミソなのかと。 西尾:なるほど。インプットに対してその場でちょっとだけプラスαしてアウトプットする。 で、それは会話の時も同じようにちょっとプラスαして話すっていう。言葉が付箋くらいの小さい単位。 男性:本質的には付箋であってもいいと思うんですね。僕がアウトプットした物をもう一回インプットとして食べる。 西尾:そうですね。この人がプラスαして付箋を書いてそれをインプットして、そのインプットに対してプラスαして付箋を書いてというのをやっていく。これも対話と本質的には違いはないと 男性:かなっという事ですね。 西尾:なるほど。 男性:付箋って過去の自分という感じですね。 西尾:なるほど、過去の自分。つまりちょっと時間軸のずれた自分と対話しているわけですね。 そうですね。この執筆している過程で結構おもしろい事が色々あって、Facebookに色々断片的に文章を書いていたらFacebookって過去のこの日っていって1年前の投稿見せてくれるんですよ。そうすると、あっ それまさに今書いている最中みたいな事を呟いていたりして。その呟き自体は小さい断片なんですけれども、その話ここに盛り込むとすごく膨らむから良いなみたいな感じの事があって。まさに1年前とか3年前とかの自分と会話しながら文章を紡いでるわけなんですね。 じゃあこれ同じ事としてここに。Facebookというのは1年前とか3年前の自分が書いたのが1年とか3年とか経ってあとに戻ってくる。で、1年前とか3年前とかに書いた事ってもう忘れているので、すごく新鮮な驚きをもって。一方書いたのは自分なので関心持っている事とか、書いてあるキーワードは短いんだけどそこから派生して連想が広がっていく情報の核になるような言葉だったりして、対話相手としておもしろいんです。3年前の自分が。なんか変な人みたいなんだけど、そういう言い方をすると。この3つは全部同じ構図なわけです。なるほど。面白いご指摘でした。

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西尾:僕は一旦元のシナリオがどんなのだったか思い出そうとしているのでその間に思いついた事とかあれば気兼ねなく、さらにつっつこんで頂いても構わないんですが、なんでこの話になったかというと、アナロジーの話をして連想を広げていっぱいとっちらかった後一体どうやってまとめるんだって立川さんが指摘して、まとめる話の・・・ 男性:その前にアナロジーの話はなんでする話だったのかなと・・・ 西尾:アナロジーの話はなぜしたのか・・・。 男性:なぜするつもりだったのか。で、アナロジーはわかりますか?っていう話になって。 西尾:なるほど。こことここの間のギャップが何だったのかわからない。僕もわからなくなりました。 男性:最初のあれに書いてあったんじゃなかったですっけ?アジェンダーに。 西尾:アジェンダーにアナロジーって言葉ないですね。連想のネットワークって書いてあるんです。ハイキングで行きたい方向にヒョコヒョコ歩いていくっていうのがその連想ネットワーク辿っていく話をしていて。 男性:イノベーションの何かっていうタイトルの・・・ 西尾:論文が。ありました。そこに行く手前にハイキングと講義の喋っていくのを例えて比較して、例え話として例えてやるっていうのは、これってアナロジーですよね。っと言い始めてでもそのアナロジーって言葉って説明足りないんですかって立川さんに突っ込まれたので、このアナロジーとは何かの説明をし始めた。なので、アナロジーの話になる手前まで戻ったら当初の予定した道に戻ることになるわけですが。 それで大丈夫でしょうか?アナロジーの話をもっと掘り下げたい方、どなたかいらっしゃいますか? 立川さん今アナロジーの話が出る前の戻ろうとしています。 で、説明しようとして言語化されるという話はもうちょっとしましたね。前回失敗したなと思っている事は連想ですごく話が広がったんですけど、会場のネットワーク事情で中継していなかったのと録音しても聞く人が少ないだろうと思って録音しなかったので、そこから文字起こしをする事ができなかったので、連想が広がって面白い事がポンポン出てきそうな時にはとりあえず録音しておくべきだなという風に前回思いました。という事で今回は録音しています。本当はここまでの話の時に忘れていたらここで録音開始しようと思っていたんですけれども。もうそろそろ時間が(笑)あと10分くらいなのかなと。という感じで今回は録音しています。 後で、自分で聞き返すか文字起こしする何かをします。ちなみにここで前回どんなことをしたかというページがありまして。 前回は授業と同時にオンラインコミュニティをしようという実験をしました。このスクラップボックスって共同編集ができるんですね。皆でスクラップボックスに入って、まず皆でここに書いてみましょう。って言って 皆がここに色々書くところから始めて、ここでワイワイ書きながら話を進めていったんですが。 これがとても残念な事に会場にWi-Fiを用意していなかったので、皆スマホからしか書く事が出来ないというのが若干失敗で次回やる時にはWi-Fiを用意しようと思って今回間に合っていないので、今回はそれをしていないんですが。これも結構面白かったです。僕が何か喋っている間に喋っている内容を書いたり、喋っている内容に対する質問を書いたりという事がスクラップボックス上でリアルタイムに複数人が書いて展開していって面白かったという話です。あと何分ですか? 立川:あと10分くらいですね。 西尾:あと10分くらいですね。今回の予定としてはこの本を執筆に至るまでの話と、執筆の後の話をしようかと思っていたが(笑)ここ本編のつもりだったんだけど。 立川:予想通りです。 西尾:予想通り・・・。 立川:毎回講義ごとに気づいた事とか、次こうしといたらいいんだろうなって事を考えてメモって後で共有したりするんですけども、今日の気づいた事が大きく2つあって、ここで言った方が面白いなと思って。 まず1つは西尾先生は講義中によく検索をするんですね。Googleで検索したり自分のスクラップボックの中であったり。地味にその時間を短縮できたらいいなと思ったっていう。意外とその時間皆さん待ちになるんで検索結果が出てきて表示するまでってその時間が仮に10秒でも10×参加人数分のすごい時間を使っているじゃないですか。それを短縮する工夫を出来たら面白いなと思ったのがまず1つ。 もう1つが4回やったから気づける事なんですけども、 毎回毎回だいたい最後の20分くらいが面白いんですよ。毎回不思議なんですけど、この授業は毎回毎回スロースタートなんです。後半にいって徐々にキューンと来るから。それも、全部そうなんです。これ例えば早い段階からラスト20分の面白さを作るにはどうすればいいんだろうなっていうのを宿題だなって。この2つが今日共有したい事です。 西尾:最初の早い段階からこのラスト20分のテンションどうすればなるかというと、先に初めて、僕と立川さんが2人で歩きながら議論してきて戻ってきて、さっきこんな話したんだけど・・・からスタートしたら(笑) 多分エンジンかかっている状態スタートなんじゃないかなと。それ辛みがあるんですけどね、やる側としては。 立川:はっきりしたいんですけど実際に今自分の主観として最後の20分が盛り上がるという主観は持っているんですか? 皆さんの中で8時半過ぎたくらいからが面白いなって正直思った人って、どれくらいいますか? 男性:もっと前から面白かった 立川:前から面白かった?そうなんですね。感覚が違う。 西尾:立川さん4回聞いているからもう慣れてきたんじゃないですか? どうやってまとめているんですか?っていう質問とか本を読んだ上でその本の中に答えがある事を知ってた上でボールを投げてはないですか? 立川:はい。 西尾:でしょう?スーパーバイザーというか、オーガナイザーというかどうしたら会を面白くできるかという立場の視点から物を見ているので厳しいんですよ。 男性:良かったです。 立川:良かった。 西尾:立川さんが思っているより面白がっていただけていたようで。良かった。良かった。でもどうやったらこの20分のテンションの状態に・・・会場の場のあったまり具合というのは除外して僕個人の温まり具合で言うならば僕を早めに喋らせ始めるしかないと思うんですよ。これ絶対喋っている間に自己刺激によって自分の脳に刺激が入ってだんだんテンションが上がってきてワーってなるというのが、僕の内分泌系の動きみたいなので。いつもだいたいプレゼンとか最後の方のテンション見た時に小学校の時と同じようだったって、この前同窓会で講演した時にそれを見ていた小学校の時からの一緒にいた人が「全然変わっていなかった。特に最後の方が」って言われて、そうなのかぁとちょうど思っていたところなんですけれども。 なんというかフロー状態になっているんですね。没頭しているんです。 男性:でも皆さんが会場の方で話をしだした、会場のあったまり具合がもしかしたら大きいんじゃないかと思います。それはもしかしたら、仕方のない事。2時間あるから1時間半であったかい状態になるのでいいんじゃないかと。それが1時間だと半分しかないじゃないですか。 西尾:なるほど。じゃあやっぱり話す内容が全然用意していないからヤバイですよという状態でスタートして会場の皆さんが徐々に温まてきて、色々発言してくれるよになって、それがトリガーになってサイクルが回り初める所が面白い。そうなってからが面白いわけですね。 男性:自分はそんな考えですね。 西尾:毎回僕のプレッシャーはあるんですけど。 立川:皆さんからの質問の頻度が増えていると思うんです。明らかに。 西尾:頻度が明らかに増えてますね。 立川:毎回そうなので。そこをうまく工夫する事でいっぱい質問が出るという状況を、質問が出るタイムを前倒し出来ないかなというのは工夫ができるのかなと。 西尾:そうですね。いっぱい質問の出るこの会場が。この会場が事前にあったまっていたら良いんじゃないかという話で前回の懇親会の時に出た話として事前に酒を飲んだらいいんじゃないかという話(笑) 懇親会を先にやったらいいんじゃないかと。なぜかというと、毎回懇親会では立川さんがすごく面白いんですよ。僕の話より懇親会での立川さんの話の方がすごく面白いんじゃないかという話が、前回の懇親会でありまして、ちょうど良かった次回のアナウンスに入るんですけど、次回立川さんを話していただく会、懇親会でこれは面白いから是非立川さんが話す会があった方がいいんじゃないかという事になりまして。これ監修僕って建前上名前が入っているんですけど、僕は何もしていなくてOBの有志の方が立川さんに話して下さいよ。と、泣き落して話して頂く会というのが次回11月7日に、ここの5階の部屋でありますので。ご興味がある方は是非是非。今回参加されている方って参加フォームでメールアドレス集めているんですよね。 そのメールアドレスに対してアナウンスがいくと思うので、是非是非ご興味がある方は参加いただけると。立川さんの話って本当おもしろいんですよ。立川さんって結婚相談所をされているんですよね。東工大MOTを卒業された後。なんで結婚相談所起業されたんでしたっけ?みたいな話を急に聞いても答えられない。それは次回たっぷり話して頂くとして、結婚相談所って結婚したい男性がいてと結婚したい女性がいてそれを2人が相思相愛になってハッピーな家庭を形成するというのを目標としている活動じゃないですか。 それって自分じゃない他人の感情とコミュニケーションとかそういう所が、僕そういうの苦手なんで。どう例えたら良いかわからないですけど。すごく難しそうなんですけど、それを日々悩みながら実際に上手い事結婚相談所を回していかれている立川さんの話ってすごく面白い。 多分こういう男性とこういう女性がみたいな、具体的な話は多分しないはずなんですよ。 そういう具体的な話はしないんですけれども、それを一段階抽象化したというか一段階オブラートをかましたというかそういうより普遍的な形に変換した上で人のコミュニケーションであるだとか、人の感情・気持ちそういう物をどうやって前向きにしていくかとか。 例えば自分は結婚できないんだ。みたいなネガティブな状態に陥っている人が結婚できるというポジティブな気持ちに変換したとか、そういうメンタルどうこうの良い方向に発展させていくという技術、そういうのを日々業務として悩まれて活動されている立川さんの飲み会での話がとても面白かったので、この飲み会のアルコールの入っていない話でも多分面白いと思うんですけども、もしそうでなかったら途中ででもアルコールを飲ませてでも面白い話をしていただければと思っておりますので是非是非。 こんな感じで今回の授業を終了とさせていただいて大丈夫でしょうか。 ご清聴ありがとうございました。最後にアナウンスをするの僕今回初めてなので、ちゃんと時間内にアナウンスする時間なくなるまで時間使い切っちゃいけないし、そこのところちょっと気になった。 ある意味これがゴールだったわけですね。辿り着くべき目標。多分最後すごくワープしたと思うんですけど。 なんとかアナウンスするという目的は達成できたので良かったと思います。ご清聴ありがとうございました。