2023-03-28 GPT-4は、OpenAIが開発した最先端の人工知能です。このAIはさまざまなことができます。どのようなことができるのか、ぜひ自分の目で確認するとよいでしょう。
しかし、GPT-4を使うには、クレジットカードで月額20ドルの支払いが必要です。このため、小中高生及び高専生の皆さんの中には、興味があっても親が理解してくれなくて経験できない人がいると思います。これは機会損失です。
そこで、私は日本中の中高生にGPT-4の体験機会を提供したいと思っています。予算は25万円で始めます。これによってサブスクリプションでは約100人分、API利用では約1万回の質問が可能になります。
少し自己紹介をします。私は未踏ジュニアのメンターをやっていて、毎年の100件以上の応募に目を通しています。その中には「やりたいこと」はあるが「最初の一歩をどう踏み出して良いか」が分からず困っているものがいくつもあります。身近に技術的な相談をできる大人がいないのでしょう。何とかしてあげたい気持ちになりますが、10倍の競争率がある未踏ジュニアで採択して支援することは難しいです。せっかくアイデアがあるのに機会に恵まれないだけで先に進めないのはもったいない。GPT-4はこの問題を解決しうるテクノロジーです。
「やりたいこと」を実現するために具体的に何をやればいいかわからない人は、GPT-4に相談すると良いでしょう。Google検索では「やりたいこと」で検索してもあまり良い結果にならないですが、GPT4は色々な提案をしてくれます。気づいていなかったアプローチに気づいたり、知らなかったキーワードを知ったりできます。知ったキーワードをGoogle検索してより良い知識を見つけることもあります。
もちろん、GPT-4の回答にも間違いが混ざることがあります。それはGoogleの検索結果に間違いが混ざることがあるのと同じですし、周囲の大人のアドバイスに間違いが混ざることがあるのと同じです。あなたが何をするかを決めるのはあなた自身です。
2023-07-08 予算を使い切って終了しました。1916人のユーザーの合計4295個のルームに合計55603件のメッセージがあり、当初の予定の何倍もの機会を提供できたようです。
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Number of unique users: 1916
Number of rooms: 4295
Number of messages: 55603
サービス
- URL: https://chatgpt-for-kids-nishio.vercel.app/
- チャットログはサーバに保存され、僕は読むことができます。利用状況を観察してよりよくするために必要だと考えています。
- 私が他の人に共有した方が有益だと判断した内容は、編集して公開することがあります。
料金
- 12さいまで: おとなといっしょにつかいましょう(無料)
- OpenAIの利用ライセンスの制限で13歳未満の利用が禁止されています。大人がそばについて「大人が使ってる」形にしてください
- 13歳〜17歳: 無料
- OpenAIのライセンス上、親または法定代理人の許可を得る必要があります。「無料だから試していいよね」とか言ってください。
- このサービスを使って「GPT4を使うことで何ができるのか」の実例を作れば、本家の課金プランの利用に関して親を説得する材料にもなるでしょう。
- 18歳以上: 使っても良いですが何らかの方法で西尾に対価を支払ってください。
実例
- このサービスから出力されたもの
- user
- 植物と楽器をつないで、植物が演奏できるようにしたい。どのような方法がある?簡潔に箇条書きで説明せよ。
- assistant
- MIDIスプルーター: 植物の生体電気信号をMIDIデータに変換し、楽器を演奏させる。
- タッチセンサー: 植物の葉や茎にタッチセンサーを取り付け、触れることで音を出す楽器を制御する。
- 音響振動: 植物の成長や水分の吸収による微細な振動を拾い、音に変換する。
- 光センサー: 植物の影による光の変化を検出し、音を生成する。
- 植物の成長データ: 植物の成長過程を記録し、そのデータを音楽に変換する。
-
user
- 3を詳しく
-
assistant
- 音響振動による植物演奏:
- 植物の成長や水分の吸収による微細な振動を音に変換する方法です。以下の手順で実現できます。
- ピエゾエレクトリックセンサー(圧電センサー)を使用して、植物の茎や葉から発生する微細な振動を検出します。このセンサーは、圧力や振動を電気信号に変換することができます。
- 収集された電気信号をアンプで増幅し、オーディオインターフェースを通じてコンピュータに送信します。
- コンピュータ上の音楽ソフトウェア(DAW)を使用して、収集された振動データを解析し、音に変換します。この際、周波数や振幅を調整して、聞こえやすい音に加工することができます。
- 変換された音をスピーカーや楽器(シンセサイザー、ピアノなど)を使って再生します。これにより、植物が演奏しているかのような効果が得られます。
- この方法を用いることで、植物の成長や水分の吸収による微細な振動を音楽として楽しむことができます。また、植物の状態や環境の変化によって、音の変化を観察することも可能です。
- 音響振動による植物演奏:
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コメント
- 圧電センサーにこれができるくらいの精度があるのかどうか僕は知りません
- 「そういう方法で問題が解決可能かもしれない」と気づくことができたことに価値があります
- 気付けば、それを調べたり試したり発展させたりすることができるからです
- 朝顔のような動く植物と「4. 光センサー」を組み合わせるのも面白そうだなぁと思いました
- 明るさが変化すると音が鳴る小さいタイルをたくさん作ったら、組み合わせ次第で面白いことができるかも??
- 植物ではなく小動物でも面白いかも?
- 「5. 植物の成長データ」を見て気づいたのですが、この質問をしたとき僕は暗黙に「リアルタイム」と考えていました。でも成長過程のタイムラプス動画に成長に合わせた曲をつけるのも面白いですね
- 圧電センサーにこれができるくらいの精度があるのかどうか僕は知りません
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チャットログをFirebaseに保存して、タブを閉じて開いた時にチャットログを復元するコードを書いて。言語はTypeScript
- user
- その他
- SVGでチャットボットの絵を描いて
- https://www.svgviewer.dev/ で表示してみた
-
- 今度アイコンを変えておこうw
- https://gist.github.com/nishio/7b413915cf6ad7cf1aaf3c75d06ca902
- https://twitter.com/ume_nanminchamp/status/1643864422862188544?s=46&t=gkSZtjGEtUZPO0JCzBxCBw
質問・相談
- https://twitter.com/nishio
nishio.hirokazu@gmail.com
学校の先生へ
- 仕組み上は学校内で大々的に使うこともできてしまうけども、特定の学校での利用で予算を食い潰すと広い範囲に機会を提供したいという目的にネガティブだということをご理解ください。
- 活用事例を作って予算を取るなどのパイロットプログラムの道具としてはぜひ気兼ねなく使ってください。「子供により良い機会を与えること」という目的は共通だと思いますから。
「過去ログを隠す」機能
2023-03-29 ChatGPTはチャットのやり取りに関する記憶を持っておらず、毎回今までのチャットログを送信することによって会話を続けています。 過去ログを読める量には限界があるので、多くの実装ではいっぱいになるとだまって古いものから捨てます。 僕はこの仕様のせいで「記憶が限られている」ということがわかりにくくなっていると思うので、何を捨てるのかは明示的に指定できるようにしたいと思っています。(投稿の横のチェックボックスはそのためのものです) しかし実装がまだなので、とりあえず過去ログをまとめて隠す機能をつけました。
経緯
- Q: トークンがいっぱいになってエラーになるようになった
- A: 過去ログを読める限界がきた時にChatGPTは黙って過去ログを送信対象から除外するけど、今のこれの実装はやってないということ。明日直します。どう直すかは悩ましい、僕は過去ログが消えるタイミングは明示的にわかった方がいいと思う…
- とりあえず「過去ログを消す」ボタンをつけたのでいっぱいになったら消してください
ルーム作成機能
2023-04-04
- 名前は後で改善するかも
- 議論的にはGPTは過去ログを全部読んでから答えます。ですが話題が変わった時など、過去ログを読まなくていい時がありますよね。そんな時に「新しいルーム」を作ると良いでしょう。
- 無駄に過去ログが多いと、時間もお金も余計に掛かります。
- この機能がついたことで、上記の「過去ログを隠す」機能はもう使いどころがないかなと思います。
- 開発の過程
「役割設定」機能
2023-04-03
- OpenAI APIの
role: "system"
に入れる内容を設定できます。 - よくわからなければいじらなくても問題ありません。
-
@nishio: System Roleもいつでも編集できるようにしました。これはいじることに興味があればいじれるよという話なので、よくわからないなという人はそのままでOKです。
聞きわけ機能
2023-04-03
@nishio: GPT3.5とGPT4のどちらに聞くか選べるようになりました。これで、まず安くて反応の早いGPT3.5と色々話して聞きたいことを整理してから、そのログを踏まえて賢いGPT4に答えてもらうなどの使い方ができるようになりました。 金額は本当はきちんと消費金額を出したいのですけど、思った以上に実装が大変だったので概算にしています。 GPT-4で1ドル150円でコンテキストが8Kで全部Promptなら36円、Completionなら72円、実際にはドル円相場もプロンプトの割合も変動します。 https://openai.com/pricing
@nishio: 和英/英和ができるようになりました!
その他
@nishio: なんで唐突に「GPT4の出力が終わったらメロディを鳴らす機能」をつけたかというと、画面を見ないでいいようにしてGPT4がコードを書いてる間に筋トレできるようにしようという目論見です
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@nishio: GPT4の出力が終わった時に音が鳴る機能、別のタブを開いて作業してても気づけるし何気に便利だな。
@nishio: さっきふと気づいたんだけど、自分のAPIキーを入れて使うことができるようにしたら「使ってみたいけど中高生向けって言ってるしまだ支払いの方法とかよくわからんしな」と思ってる大人も安心して使えるのか?
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@nishio: 自分のAPIキーでも使えるようになりました
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2023-04-28 リリースから1ヶ月、かかった費用はだいたい10万円でした。もう1.5ヶ月くらい続けられそう。
2023-06-01
2023-08-03