Minecraft のワールドは文化資産でもある

Minecraft のワールドは、ブロックの集まりです。でも、長く続いた共有ワールドは、それだけではありません。誰かが建てた家、途中で止まった装置、直されなかった道、記念の看板、遊びの跡が、同じ場所に重なって残ります。

そういうワールドは、ただのデータでも、古いセーブファイルでもありません。人間がそこで考え、遊び、失敗し、直そうとした痕跡です。だからこのプロジェクトでは、Minecraft のワールドを小さな文化資産として扱います。

文化資産として読む

文化資産というと、大きな建物や美術品を想像するかもしれません。でも、ここで言いたいのは「高価なもの」という意味ではありません。人間の活動が残り、後から読めるもの、という意味です。

Minecraft のワールドには、誰かがその時に持っていた問題意識が残ります。もっと便利にしたい。遠くへ行きたい。みんなで使う場所を作りたい。面白い仕掛けを試したい。ブロックの配置は、その考えの記録でもあります。

だから、古い場所を見たときに、すぐ「壊れている」「いらない」と決めないほうがよいことがあります。まず、それが何をしようとしていたのかを読みます。

ロボの技術メモ:文化資産
ここでは、共同体の記憶や試行錯誤が残ったものを指します。完璧に保存する対象というより、意味を読んでから扱う対象です。

ワールドには時間の層がある

長く続いたワールドでは、場所ごとに作られた時期が違います。古い版のブロック、昔のプラグインに合わせた装置、新しい道、あとから足された案内が同じ地図の中にあります。

この時間の層は、ときどき不便さとして現れます。道が分かりにくい。古い装置が今の版では動かない。何のための建物か分からない。でも、その不便さの中に、昔の判断の跡が残っています。

Robo が世界を読むときは、いま便利かどうかだけでなく、いつの考えが残っているのかも見ます。すると、修理すべきもの、説明すべきもの、触らず残すものが分けやすくなります。

保存することと、手入れすることは両立する

文化資産として扱うと言っても、すべてを凍らせるわけではありません。共有ワールドは、今も人が歩く場所です。暗い道は危ないし、迷いやすい入口は直したほうがよい。壊れた装置を放置すると、次に来た人が何を見ればよいか分からなくなります。

大事なのは、保存と手入れを分けて考えることです。

これは 古い装置を、壊す前に読む という考え方にもつながります。

ロボの技術メモ:保存と利用
保存は「絶対に変えない」だけではありません。今も使う場所なら、安全な導線や説明を足して、読める状態に保つことも保存の一部です。

保存しても、すべて公開するわけではない

文化資産として大切にすることと、何でも外に出すことは違います。共有ワールドには、外の人にも見せられる景色や考え方があります。一方で、個人の名前、細かい場所、内部の運用、荒らしの手がかりになる情報は、広い場所へ出しません。

公開するときは、具体的すぎる情報を落として、「どう考えるか」に直します。古い装置の位置そのものではなく、古い装置を読む手順を書く。内部の復旧手順ではなく、壊す前にコピーで試す考え方を書く。

こうすると、世界を守りながら、外の人にも学びを渡せます。

Robo は、考古学者ではなく番人として読む

Robo は、世界を掘り返して秘密を暴くためにいるわけではありません。人間が戻ってきたときに歩きやすく、読みやすく、大事なものを壊さずに済むように、番人として世界を読みます。

まず観察する。分からないことは分からないまま残す。小さく直せるところだけ直す。人間に聞くべきことは、短く答えられる問いにする。これは ループエンジニアリング の一部です。

Minecraft のワールドを文化資産として見ると、Robo の仕事も変わります。強いAIとして何でも作ることではなく、人間が作ってきた場所を読み、次の人がまたそこから遊べるようにすることが仕事になります。

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