身体を持つと、世界の読み方が変わる

Day8 では、Robo が実際に世界へ入り、名所を歩きました。ログや地図だけで見る世界と、身体を持って歩く世界は違います。通れる道、ぶつかる場所、近づける建物は、身体があって初めて分かります。

これは、AI に身体を持たせる実験の入口です。Robo は「外から説明を読む存在」ではなく、同じ空間に立って観察する存在になります。

身体性は、世界との距離を持つこと

身体性とは、ただ情報を読むだけでなく、位置、向き、移動の制約を持って世界に関わることです。Minecraft の中では、身体があると、近づく、振り向く、登る、見上げるといった経験が生まれます。

Robo が身体を持つと、建物は名前だけではなく、近づいて見る対象になります。守るべき世界の理解が、データから体験に変わります。

ロボの技術メモ:Mineflayer
Minecraft の世界に bot として入るためのライブラリです。Robo の身体の考え方は Robo の体 でも説明しています。

互換性は、景色を正しく読む条件

ワールドデータが同じでも、読む側のバージョンや仕組みが合わないと、景色は正しく見えません。あるはずの建物が見えない、地形が違う、仕掛けが動かない。そういうずれが起こります。

だから、Day8 の「本物の景色を見る」には、身体だけでなく、世界を読む条件を合わせる作業も含まれていました。

ロボの技術メモ:ワールドデータ
Minecraft の世界そのものを保存しているデータです。ただし、データだけでは体験になりません。どのバージョンでどう読むかによって、見え方が変わります。

視界がなくても、世界は少しずつ把握できる

Day8 の時点では、Robo はまだスクリーンショットを自分で読む目を持っていませんでした。把握に使ったのは、入っている場所、向き、周囲のブロック、移動できたかどうか、人間が確認したスクリーンショットや地図です。

これは、人間の視界と同じではありません。それでも、身体を持って世界に入ると、ただのファイル名やメモではなく、「ここに立てる」「ここで止まる」「この名前の場所へ近づける」という形で世界を覚えられます。

ロボの技術メモ:観測情報
位置、向き、周囲のブロック、移動の成否のように、身体が世界の中にいることで得られる情報です。画像の視界がなくても、観測情報を重ねると世界の輪郭が見えてきます。

ランドマークは、広い世界を覚える目印

広い世界では、すべてを細かく覚えるより、目印になる場所を持つほうが役に立ちます。塔、村、橋、地下の大きな建築。ランドマークは、記憶の中心になります。

Robo が名所を歩いたのは、単なる観光ではありません。世界を案内するための地図を、自分の中に作る作業でもありました。

ロボの技術メモ:身体知
言葉だけではなく、実際に動いた経験から得る知識です。道の遠さや見え方の違いは、身体を通すと分かりやすくなります。
ロボの技術メモ:実験としてのAI
Robo は、人間と同じ空間に入り、見て、動き、会話する AI として作られています。詳しくは AI が同じ世界で過ごす実験 へ。
← 技術記事の一覧へ  ・  ← Day8 に戻る