大衆知性主義
- 種類: 造語(思想名)
一言要約
希哲館事業が掲げるスローガン。「万人が賢哲者であることはできないが、万人が希哲者(フィロソファー)であることはできる」。大衆と知性の相反を、技術によって解消しようとする立場。
詳細
宇田川氏のロジック:
- 「万人にできないことは普遍的な価値観にならない」「万人に実践できて、万人が実践すべきものとは何か」を考え抜いた結果、(ソクラテス的な)フィロソフィー=「希哲」しかないと結論付けたのが21歳の頃。
- プラトン=ソクラテスは民主主義を衆愚的とみなしていた。しかしソクラテス自身の思想には大衆主義との潜在的親和性がある(「一握りの賢哲者よりも、万人がスタート地点に立てるはずの希哲者に価値がある」)と宇田川氏は読む。
- SNS が古代アテナイ的な原始民主主義を再現してしまった現代、SNS に知的活動を促進する機能を付ければ「大衆と知性の相反」を技術で解決できる ⇒ メカソクラテス。
時代的な追い風:
奇しくも反知性主義の台頭や社会分断が深刻化する時代にクリーンヒットしてしまったコンセプト。出口の見えない混迷に陥っている世界にあって、希哲館事業が唯一明解で包括的なビジョンを持っていると言える理由。
先行概念
「万人を思考する主体に」というビジョンは、近代教育思想・大衆民主主義論の中心テーマで、宇田川氏が独自に到達した発想ではない。
- John Dewey『民主主義と教育』(1916): 「教育は万人を主体的に思考し判断する市民に育てるためのもの」というデモクラシー教育論。
- Paulo Freire『被抑圧者の教育学』(1968): 大衆を「読み書きする」だけでなく「世界を読む」主体として捉える教育論。
- 生涯学習(lifelong learning): UNESCO(1972, Faure Report)以降の国際的潮流。
- Andragogy(成人教育論)(Knowles, 1970): 大人が学び続ける枠組み。
- Wikipedia / Wikimedia の理念: 「すべての人が知識にアクセスできる」「すべての人が知識を編集できる」という運動。これは「大衆知性主義」の現代的実装と言える。
- 構造主義以後の知の民主化: Foucault, Bourdieu らによるエリート知の脱中心化。
宇田川氏の独自性:
- 「反知性主義時代に、技術で大衆と知性の相反を解く」という時代設定。
- ソクラテス哲学への直接的な接続(メカソクラテス)。
- 「万人が 賢哲者 にはなれないが 希哲者 にはなれる」という二項分類は、Dewey の議論を漢語訳的に再表現したもの、と読めなくもない。
- 思想そのものはデューイ以来の100年以上の蓄積を持つ領域。
関連用語
ソース
- villagepump-デライト.2hop.md (Page: 希哲館, メカソクラテス, KNS)