「見てもいい」と「見てほしい」の2種類の通知があって、それを適切に区別することが「通知に忙殺されない」と「活発な情報共有」の両立に必要だ、という話が言語化されたきっかけの会話

2019-11-28 Facebook

  • 先日「サイボウズでは通知が多すぎてうざいっていう人とかいないんでしょ?」って質問されて、その認知ギャップがどこから生まれたのかに興味が湧いた。

  • 現実には「Everyoneメンションで全員に通知してしまう」と「それに対して即座に通知飛ばしすぎというツッコミが入る」の両方が発生する。

  • 「サイボウズの人は『通知がたくさんあるとうざい』と思っていない」という解釈に対して、それは現実ではなくて、どちらかというと「『通知がたくさんあるとうざい』という認識を新入社員が速やかに習得できる環境がある」って気がする

  • 立川 智也

    • 「うざいほどに通知を受け取らないように設定を魔改造している」と思い込んでいました
    • つまり「通知がたくさんある」ことを前提として、それを「うざい」と思わないよう各々が対応している、のだと思っていました
  • 大槻 幸夫

    • 正確には、通知はたくさん来るけど、Twitterのタイムラインのように一期一会なもので、全部読もうとは思ってない、ですかね。
  • 一方で世の中には「通知がうざいから書くな」と考える人もいるようで、それを主張すると誰も書き込まないグループウェアが完成するのだが、サイボウズ社内では「書くことは良いことである」というより強い文化があるので書き込む状態が維持されているように思う

    • Twitterのタイムラインのように一期一会なもので、全部読もうとは思ってない

      • 大前提として、投稿者が、通知対象に対して「読むべき」と思っているか「読む必要はない」と思っているかによって通知の仕方をコントロールできるシステムである。前者の「読むべき」通知は、Twitterでいえばアットマークをつけてメンションすることに相当する。
  • Twitterでも通知には2種類ある

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    • 「読むべき通知」「@ツイート」「メンション」「名指し通知」など表現方法はいろいろあるだろうが、そういう種類の通知が世の中にはあって、でもシステムの中にはそういう区別を持ってないものもあるわけ、メールとかね。
    • 「有用かもしれないので情報共有しておきます」っていうメールのCCと、「なる早で読んで反応して」ってメールとが見た目上区別しにくい通知になってしまうのはメールというシステムがイケてないのだ
    • 「Everyoneメンションで全員に通知してしまう」と「それに対して即座に通知飛ばしすぎというツッコミが入る」

      • これは、要するに「本当に読むべきものでないのに”読むべき通知”を発生させてしまった人に対して、それは適切な通知の使い方ではないというフィードバックが起きる」ってことなんだよね
    • 立川 智也
      • これって、「通知が多すぎてうざい」って言ってるのではなくて、「本当に読むべきものでないのに”読むべき通知”を発生させてしまった人に対して、それは適切な通知の使い方ではないというフィードバックが起きる」ということなんですよね?
  • 立川 智也

    • で、「サイボウズでは通知が多すぎてうざいっていう人」はいるんですか?笑
    • 「サイボウズでは通知が多すぎてうざいっていう人とかいないんでしょ?」→「認知ギャップがあるなあ」ということは、そういう人がいないということなんでしょうか。よく分からなくなってきました。
  • Nishio Hirokazu

    • なんだか質問の切り口がずれていて、そのずれが何によって発生しているのだろうなぁと考えている状態
    • ダブルバーレル質問の気配
    • 「サイボウズでは通知が多い」→True
    • 「通知が多い時にそれをうざいと感じる人がいる」→True
    • 「通知が多くてうざいと思った時に、それをグループウェアに書き込む人がサイボウズにはいる」→True
      • それはもちろん良いことだと思う
    • 「通知が多いことは悪いことである」→False
    • なのかな…
    • 何か歯車が食い違っていて、うまく回っていない感じがある
    • すでに上記で書いたように、そもそも「通知」に2種類あることが大前提で、その前提が共有されてなかった気もする
      • 「読まなくていい通知」が多いことは情報共有が盛んにされている証拠なのだから良いこと
      • 読まなくて良いものを「読むべき通知」することは悪いこと
      • 通知に2種類あることで、性質が異なっているのだが、それを1つにまとめた質問にしているところに問題があるのかな
  • 立川 智也

    • あー分かりました。我々は「認知ギャップ」という難しい言葉をしっかり定義せずに使っていました。せいぜい「それは思い込みだよ」と言われたくらいの感じに思っていましたが、どうやら違うようです
    • 「サイボウズでは通知が多すぎてうざいっていう人とかいないんでしょ?」という質問はおそらく、「どこからつっこんでいいか分からないけれど、そもそもあなたはどんな状況を想像してる?」くらいの手前から始めてもらわないと、先に進むのが難しい話題でした笑
  • Nishio Hirokazu

    • まず「XがYすぎてBAD」って文章が「すぎて」を使ってる時点で無意味化してるのではないか
    • それに加えて「XがYである」「XがYであるのはBAD」の重ね合わせもある
  • 立川 智也

    • つまり、質問に答える際にはその質問の意図と意味を明確にする必要があると。
  • (加筆2021-11-28)

    • サイボウズでは通知が多すぎてうざいっていう人とかいないんでしょ?

      • サイボウズにはAな人はいない
      • = サイボウズにはBがCなのでDっていう人はいない → False
      • サイボウズではBがCでない → False
      • BがCなのはD → True
      • BがCなのはBad → False
        • この2つが認知ギャップの正体
          • 立川さんは「通知が多いのはBad」を暗黙の前提にしていた
            • なので「多すぎてうざい」という表現をした
          • 西尾・大槻は「通知が多いのはGood」と考えていた
            • 情報共有が盛んな組織では必然的に起こること、通知が少ないことの方がBad
          • この認識の食い違いの根底にそもそも「見なくて良い通知」が区別されるシステムがあった
  • 川本 智史

    • 周りの同僚は通知が+99になるともはや悟りの境地に達してしまい、すべて見る気をなくしています。
    • Nishio Hirokazu
      • 「通知を全て見なければいけない」という囚われがあって、その結果疲れ果ててる現象があるわけだけども、上の大槻さんの投稿にあるようにそもそも「全部読もうなどと思ってない」わけなので、前提のギャップがある感じするよね
      • そもそも「通知が100件以上ある」という状態も「通知が期限を持たず人間がアクションするまで無限に残り続けるものである」というメンタルモデルの人と、「通知は放置すると消えるものである」というメンタルモデルの人とで感じ方が違うよね、と気づいた
      • 通知は明示的に残すアクションをしない限り2週間で消える
      • これに加えてメールのメンタルモデルの人は「通知とコンテンツが同一物」という世界に生きているから、通知が勝手に消えることをメールが勝手に消えるのと同じように感じるのかも知れない。Twitterのメンタルモデルの人にとっては、読まなかったものが流れ去るのは当たり前のこと。