C-T-R社に入る以前の1911年、ワトソンは、NCR社の営業部長の早朝ミーティングで「THINK」のモットーを掲げました。この日、営業部長たちは、業務の改善方法について何も良い考えが浮かびませんでした。失望したワトソンは、部屋の前に進み出て皆を厳しく叱責しました。「われわれ全員が抱えている問題は、十分に考えようとしないことだ」と彼は大声で述べました。「知識は思考の結果であり、思考はビジネスの分野を問わず成功の基礎を成すものだ」と皆に伝えました。ワトソンは、以降、「THINK」を会社のスローガンにすることをその場で決定し、太字で「THINK」と書いた紙を部屋の壁に翌朝貼るように部下に命じました。

1924年にC-T-R社がIBMに社名変更すると、「THINK」はIBMを一つに結びつけている考えとして常に存在していました。このスローガンが社内に徹底されたころには、「THINK」のサインが、IBMのオフィスの机や壁に無数に溢れていました。IBMはTHINK誌という従業員向けの雑誌を発行し、多くのIBM社員は、表紙に「THINK」と刻印されたポケット・サイズのメモ帳を持ち歩いていました。 IBM100 - 「THINK(考えよ)」という文化

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