独学難しい」という言葉を聞いて「独学するな」とか「独学は不可能だ」という意味に解釈する人がいるらしくて、それに対する言及を見かけたのでメモ

  • 書いてあることを書いてある通りに読まず自分の解釈で歪めてしまっている
    • そういう人が独学をすることは、そうでない人がするのよりも難しい
    • 自分が「歪めて解釈している」ということに一人で気づくことは、他人に指摘されて気づくのよりも難しい

@kaityo256: 僕が「独学は難しい」っていうのは、独学するなと言ってるわけじゃなくて、たまにネットに流れる「独学は簡単だ」という言説に含まれる「だから独学できないのはお前の努力不足だ」という毒を中和するためです。

taketo1024 先日ある人から、数学の専門家に「数学の独学は難しい」と言われると、個人で数学を勉強することは不可能だと否定されているように聞こえると指摘され、しばらくそのことについて考えていました。

このミスコミュニケーションは、次のような認識の非対称性から来るのではないかと思いました: (1/7)

taketo1024 専門家が「独学は難しい」というときは、分野を学習してきた当事者の一人として、自身の経験と反省を元に謙虚にそう言っている。

しかし非専門家には「専門教育を受けない者はこの分野に参入するな」と拒絶されているように聞こえてしまう。

まずこのことは意識する必要があると思いました。(2/7)

taketo1024 一方で僕は、専門家が独学の難しさやリスクを伝えるのは必要なことだし、個々人が経験に基づく考えを共有することは価値があると思っています。

ここで「独学は難しい」は専門レベルに限らず一般論として言っています。実際大人になってから高校数学を学び直すのに苦労している人は沢山います。(3/7)

taketo1024 独学の難しさは、学習に必要な要素を一人で用意しなければいけないところにあります:

・適切な教材の選出 ・学習計画の設定 ・定期的な理解度の評価 ・非言語的な知識/技術の獲得 ・モチベの維持

3番目の「評価」が最も難しく、間違いに気づかないまま進んでしまうリスクを持つ部分です。(4/7)

taketo1024 議論すべき問題は「独学は可能か否か」ではなく、標準的な学習ルートの外にいる人は独学しか選択肢がないという現実の方にあるのではないかと思います。

特に数学の専門教育を受けるには大学の数学科に入る必要があり、そのための環境や機会は万人に対して平等であるとは言えません。(5/7)

taketo1024 上記のようなことは数学に限らず、他の学術分野、さらにはスポーツや芸術においても言えるのではないかと思います。(6/7)

taketo1024 まとめ: 独学について議論する上では、一般論として「独学は難しい」と認めた上で、その困難を乗り越えるために個人または社会で何ができるかを、専門家と非専門家で対等に意見を出し合うのが建設的ではないでしょうか? (7/7)