次の未踏ジュニアにチャレンジしたい

nishio#未踏ジュニア質問箱 Q: 次の未踏ジュニアにチャレンジしたい!と思って、燃えているのですが、この夏、それに向けて、準備できることや、参加した方が良いセミナーやイベントがあれば、教えてください。 A: 素晴らしいですね。コミュニティ内で何人かの意見を聞いてみたので、以下で説明します:

nishio アイデアを探す。いま「アイデア」はいくつありますか?すでに熱意を持って取り組んでるアイデアがあるならそれを突き進めると良いと思いますが、まだないならまずは探すことが大事です。世の中にはまだ解決されてない問題や改善すべき点がたくさんあります。まずはそれをたくさん集めましょう。

nishio 普通に生活していて最初に見つかった一つはだいたいイマイチです。そうではなく、自分から探しに行って、たくさん集めることが大事です。たくさん集めることで、自分が何に興味があるのか、何を解決することに熱意が持てそうなのかがだんだん明らかになります。「自分を知ること」が大事です。

nishio 次に早い段階でプロトタイプを作ることが大事です。プロトタイプというとソフトウェア開発のことだと思うかもしれませんが、そうではなく「何か実験をして新しい知識が得られるようなことをすること」が大事です。そうやって得た知識がアイデアを良くするからです。

nishio 「アイデアをパクられないように隠そう」と考える人もいるかもしれませんが、アイデアを聞いた人がパクれるなら、その提案は「アイデアレベルのものにすぎない」ということです。プロトタイプを自分が作ってその経験から学んでいれば、アイデアだけパクって書かれた提案書よりも良いものが書けます。

nishio なので自分で手を動かして実験しているなら、パクられることを恐れずに色々な人に自分のアイデアを話した方が良いと思います。その反応を観察することも低コストに可能な「実験」の一種ですから。ただし、大部分の人は前提知識を共有してないのでアドバイスの9割は見当違いです。取捨選択しましょう。

nishio ネガティブな反応は無視してポジティブな反応だけ観察しましょう。なぜならどんなものを作ったとしても、そのユーザになる人は、それに対してポジティブな人だからです。ネガティブな人は想定ユーザではなく、彼らの不満を解消してもユーザになる保証はありません。

nishio 大勢が「なんとなくいいんじゃないかな」と言うものより、一人〜数人の熱心なファンがいるものの方が良いです。もしそのようなものができれば、そのファンをよく観察し、コミュニケーションをとって、改善点を見つけていくと良いでしょう。最初のファンは「自分一人」でもかまいません。

nishio こういうファンを見つける上でも、今まで話してきた「プロトタイプを作る」「人に見せる」が大事になるわけです。心の中にアイデアがあるだけでは、他の人には見えません。言葉で説明されて初めて認識できるようになりますが、まだ形がボンヤリしています。形があるとわかりやすくなりますね。

nishio ここで説明したようなことをやっていくことで、単なる未踏ジュニア採択に向けた準備に留まらず、みなさんが今後既存の価値観が揺さぶられ激しく変化する世界の中で新しい価値を生み出して生きていくためのスキルが身につくと思います。応援していますよ!

@nishio: あっ、これに答え忘れてました。「参加した方が良いセミナーやイベントがあれば」 自分が興味のあるイベントに行けばいいと思います。で、この質問をするということは多分「自分が何に興味があるのかわからない」ってことかな、だから検索するキーワードも思いつかないんですよね。であれば、

@nishio: 多分夏休みなのでいろんな大学がオープンキャンパスとか、中高生向け公開講座とか、市民講座とかをやってると思うのでまずはそういうものに行きまくって「自分が面白いと思うもの」を探すのがいいんじゃないかなと思います。で、見つかったらどんどん質問して掘り下げるといいと思います。

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