- ニーチェ (著), 中山 元 (翻訳)
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考える自我から出発したデカルトに始まり、カント、シェリング、ヘーゲル、 ショーペンハウアーにいたる西洋の近代哲学。本書はその遺産の上に立ちながらも、哲学そのものがキリスト教の伝統にいかに制約されているか、独断論に終始しているかを示し、新しい哲学の営みの道を拓く試みである。
断章146 「怪物との闘い」
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怪物と闘う者は、闘いながら自分が怪物になってしまわないようにするがよい。 長いあいだ深淵を覗きこんでいると、深淵もまた君を覗きこむのだ。 断章190 「プラトンとソクラテス」
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もっとも大胆な解釈家だったプラトンは、街路で耳にする通俗的なテーマや民謡を変奏するかのように、ソクラテスのすべての哲学を拾いあげて、無限なものに、不可能なものに変奏したのである。それを自分の仮面と多様性で覆い尽くしてしまった…プラトンのソクラテスとは「前はプラトン、後ろもプラトン、 中身はキマイラ」 断章195 「道徳における奴隷の叛乱」
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…「富んでいる」「神をもたない」「悪い」「暴力的な」「官能的な」という形容詞を一つの意味に溶け込ませ、「この世」という語を初めて汚辱に塗れさせたのだった。