from Kozaneba:『華厳経』と『荘子』の融合による中国華厳の形成 十玄門 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「十玄門」の解説

(1) すべての現象が相応じて縁起を成り立たせていること (同時具足相応門) (2) 空間的な広・狭という対立も,その矛盾を媒介として入り交り合っていること (広狭自在無礙門) (3) 現象の働きにおいて,普遍的真理に基づく一つのものは,同時に多くのもののなかに自己を普遍化し,また自己のなかに多を収めて一と多が不離であること (一多相容不同門) (5) 現象として一方が現れるとき,他方は隠れているが,互いに同時に一体化し合っていること (隠密顕了倶成門) (4) それぞれの現象が互いに一体化していること (諸法相即自在門) (7) あらゆる現象のいちいちが,あたかも宝珠の網のように,互いに映じ合って尽きることがないこと (因陀羅網境界門) (8) 現象の相即相入は,現象を介して理解しなければならないこと (託事顕法生解門) (6) 一と多が互いに入り交り合いながら,それぞれの相を破壊せずに秩序整然としていること (微細相容安立門) (9) 過去・現在・未来の三世はおのおのに三世を含んで九世となり,この九世が一念に集約されるから十世となるが,このように一念のなかに十世が収められながら時間的区別がはっきり守られていること (十世隔法異成門) (10) あらゆる現象が,互いに主客となりあいながら円滑に事をはこんでいること (主伴円明具徳門)